マイクロソフトCEO、クラウド軸に事業転換急ぐ-リンクトイン買収

  • ネット上でソフトウエアとサービスを提供する事業形態への転換急ぐ
  • リンクトインとマイクロソフト製品を連携へ

米マイクロソフトによる262億ドル(約2兆7800億円)でのリンクトイン買収は、ビジネスコンピューティングがほぼ全てネット上で行われる将来に備えてサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)が構造改革を推し進めるマイクロソフトにとって、これまでで最も多額の資金を要する動きとなった。

  しかしリンクトイン買収が実現しても、マイクロソフトの年間売上高は3%しか増加しない見通しで、早急に統合する予定もない。リンクトインは少なくとも買収直後はほぼ独立した形で事業を行う見込みだ。マイクロソフトの株主としては、ナデラCEOが将来に向けた正しいビジョンを持ち、これまでのCEOよりも買収を上手に経営に生かすと信じるしかない。

  パソコン(PC)販売の勢いが衰えたため、マイクロソフトは頼ってきたデスクトップ・ソフトウエアの事業で苦戦。このためナデラCEOは、ネット上でソフトウエアとサービスを提供する事業形態への転換を目指している。リンクトインの買収はこうした転換を急ぐための措置の1つだ。マイクロソフトのクラウド事業の2つの柱は、ソフトウエアが稼働するプラットフォームを必要な時だけ提供する「Azure(アジュール)」と、メールや文書作成、表計算ソフトをクラウド上で利用できる「Office 365」。

ナデラCEO

Photographer: Charles Pertwee/Bloomberg

  ベッカー・キャピタル・マネジメントのファンドマネジャー、シド・パラク氏は「これは市場の奪取だとみている」とした上で、「クラウドのアプリケーションに資金は集まるべきであるが、大規模に運営されているクラウド資産は現在ほとんどない。実行が鍵だ」と語った。

  ナデラCEOはリンクトインがマイクロソフト製品と連携して機能し得る例を幾つか挙げた。例えば、リンクトインのプロフィルを「アウトルック」「スカイプ」などの連絡先リストと連携させることや、マイクロソフトのパーソナルアシスタント機能「Cortana(コルタナ)」がリンクトインのプロフェッショナル・ネットワークの情報に基づき、会合で初めて会う人がどういう人かを前もって教えてくれるといったことが考えられるという。

  ナデラCEOはブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「これはマイクロソフトの中核事業であるプロフェッショナルなクラウドと、プロフェッショナルなネットワークを統合させることだ」と説明した。
  
原題:Microsoft’s Nadella Pays Up for LinkedIn to Speed Cloud Push(抜粋)

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