長期金利を中心に連日の過去最低更新、世界的にリスクオフの流れ続く

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  • 新発10年債利回りがマイナス0.175%、新発20年債利回りは0.155%
  • 日銀会合のゼロ回答でリスクオフが進むことも警戒-野村証

債券相場は上昇。新発10年物をはじめ、5年物、20年物、30年物の国債利回りが連日で過去最低を更新した。日米の金融政策会合や欧州連合(EU)離脱の是非を問う英国民投票を控え、欧米市場のリスク回避の流れを引き継いで円高・株安から債券買いが優勢となった。日本銀行が国債買い入れオペを通知しなかったことを受けた売りも一時的だった。

  14日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債343回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)低いマイナス0.175%まで下げ、3営業日連続で過去最低を更新した。新発20年物の156回債利回りも1.5bp低い0.155%と、同じく3営業日連続で最低更新。新発5年物128回債利回りは0.5bp低いマイナス0.28%、新発30年物51回債利回りは1.5bp低い0.225%と、2日連続で最低更新。新発40年物9回債利回りも0.26%と過去最低を記録した。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「いろいろイベントを控えて動きにくさはあるが、それでも世界的な金利低下の流れが円債の背中を押している」と指摘。今週の日銀金融政策決定会合について「物価が伸びず景気も減速気味の状況で動いてもおかしくないが、英国民投票を控えて見送りということだろう」との見方を示した。

  13日の米国債市場では、米10年物国債利回りが前週末比3bp低い1.61%程度と約4カ月ぶりの低水準となり、2月以降では最長の5営業日連続高を記録した。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ見送りが予想される中、英国民投票を控えた安全資産への逃避が続いた。ドイツ10年物国債利回りは0.02%と前週末からほぼ変わらず。

  英国のEU離脱の是非を問う国民投票を23日に控えている。BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジストは、「予想外に離脱派優勢の報道が続いていることから、グローバルにリスクオフが広がっている」と指摘する。

  長期国債先物市場で中心限月9月物は、前日比4銭高の152円41銭で取引を開始し、午前に一時152円50銭と中心限月ベースでの最高値まで1銭に迫った。国債買い入れオペレーションが見送られて上げ幅を縮小する場面もあったが、日経平均株価が大幅に続落する中で債券買いは根強く、午後も152円50銭まで上昇。結局9銭高の152円46銭で終了した。

リスクオフ続く中で日銀会合

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「英国民投票日まではかなり明確にBrexit(英EU離脱)を否定する材料が出てこないとリスクオンへ流れが転換することは難しそうだ」と指摘。15、16日開催の日銀決定会合については「市場は追加緩和実施よりも、ゼロ回答によってさらにリスクオフが進むことを警戒して動いているとみられる」と指摘した。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証の稲留氏は、今週の日銀会合は現状維持がメーンシナリオであるものの、今後は動く可能性があるとして、「市場とのコミュニケーションを見極めたい。国債市場に関して中曽副総裁までもが流動性低下を認めており、黒田総裁の会見でこれまでのようにかみ合わない議論を繰り返していられるのか、そこも相場の波乱材料になりそうだ」との見方を示した。

2日連続オペ見送り

  日銀はこの日の午前10時10分の金融調節で長期国債買い入れオペの通知を見送った。BNPパリバ証の藤木氏は「昨日に続いてオペが見送られたことが相場の重荷となり、朝方に高値を付けた後はやや弱含んだ」と言う。日銀は6月に入って4回の長期国債買い入れオペを実施している。市場では、今月はオペ実施のタイミングが予想しづらいとの声も聞かれた。

  債券市場の足元の需給環境は良好だ。3カ月に一回の利付国債の大量償還を控えており、財務省の発表によると、15日から20日にかけて19兆円弱の償還が予定されている。

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