米紙ウォールストリート・ジャーナルが先週報じたところによると、著名投資家のジョージ・ソロス氏はトレーディングに復帰し、リスク資産の大幅な下落を見込んだポジションを組んでいる。

  しかしこうした取引が成功するにはタイミングが最も重要だ。特に、調整の引き金となるようなイベントを特定することが不可欠となる。今後数週間に検証と監視が必要になるそうしたイベント6つを挙げてみよう。

1.23日の英国民投票で欧州連合(EU)離脱が選択される。市場への影響は破壊的な規模になり得る。英国の欧州市場へのアクセスを可能にする自由貿易協定のような代替制度が早急に整備されなければ、なおさら深刻になる。

2.中国当局の失策。経済に流動性を支援しながら、信用ブームや国内企業の債務膨張、行き過ぎた株式市場を整然と管理することでバランスを取ろうとする政策が、実行段階で行き詰まる。

3.米国大統領選挙の予備選で示唆された孤立主義的な傾向が示威的な言動にとどまらず、米国が数十年間担ってきた経済・金融グローバル化における主導的役割に決定的な変化が生じた兆候と受け止められる。

4.世界経済の成長スピードの差や政策かい離を反映した為替相場の大変動。金融市場全体へのボラティリティが拡大。

5.欧州の銀行は資本増強と業務体質の強化で出遅れており、リスク過剰時代からの負の遺産をまだ処分できていない。こうした金融機関への懸念が再燃。

6.中銀が繰り返し介入することで安定を確保し続けるとの確信の下、リターン追求でさまざまなミスマッチを積み上げてきた市場参加者が、突然リスク回避に転じる。相対的な流動性不足に定期的に見舞われる市場でこれが起こる。

(このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピー編集部の意見を反映するものではありません)

原題:Six Events That Could Make Soros a Winner: Mohamed A. El-Erian(抜粋)

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