円全面高、英EU離脱警戒で対ドル105円台-対ポンド13年8月来高値

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  • 日経平均株価は600円近い下げ、アジア株もほぼ全面安
  • 英国のEU離脱支持と残留支持が拮抗-世論調査

13日の東京外国為替市場では、円の全面高の展開。英国のEU(欧州連合)離脱への警戒が強まる中、世界的な株安を背景に円買いが加速した。

  ドル・円相場は午後4時17分現在、1ドル=105円96銭前後で推移。朝方から円買い先行の展開となり、一時105円74銭と前週末のニューヨーク終値(106円97銭)から1円以上値を下げた。日本株は前週末の海外市場の流れを受けて大幅続落し、日経平均株価は600円近く下げて取引を終了。そのほかのアジア株もほぼ全面安となっている。

  ポンド・円相場は1ポンド=150円10銭と2013年8月以来の水準までポンド安・円高が進行。ユーロ・円相場は一時1ユーロ=119円ちょうどと13年2月以来のユーロ安・円高水準を付けた。

  野村証券の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストは、英国のEU離脱懸念で円高圧力が高まっていると指摘。ただ、今後出てくる世論調査で残留優勢の結果が出てくれば、「相場が荒っぽく反転する可能性もある」と言う。一方で、市場環境が悪い中、今週の日銀決定会合で追加緩和が実施される公算は小さく、「実際に見送りになった場合にも105円割れのリスクが高まる」と予想した。

  週末公表された2つの英世論調査の結果はいずれも英国のEU離脱支持と残留支持が拮抗(きっこう)し、予断を許さない情勢となっている。

  オブザーバー紙の委託でオピニウムが実施したオンライン調査(11日公表)によると、残留派が44%、離脱派が42%と統計上有意な差はつかなかった。また、調査会社ユーガブがサンデー・タイムズ紙向けに実施した世論調査では離脱派が43%、残留派が42%で、7日公表の数字から離脱派が1ポイント伸ばした。

  ORBがインディペンデント紙の依頼で実施した10日公表の調査では、離脱派が55%と、残留派(45%)を10ポイント上回った。これを受け、前週末の海外市場では欧米株が下落。独英長期国債利回りは過去最低を更新し、先週末に終値ベースで13年5月以来の低水準を付けた米10年債利回りは週明けに一段と低下している。
  
  あおぞら銀行市場商品部部長の諸我晃氏は、アジア時間に米長期金利も一段と下げているし、「環境的にリスクオフになっている」と指摘。「今はドル買い、円買いという感じでクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)が下値を試しているので、その辺がドル・円の重しになっている」と説明した。

  菅官義偉官房長官は13日の記者会見で、日本政府としては英国のEU残留が望ましいと述べ、EU問題をめぐる為替など金融市場動向を、しっかりと注視していきたいと語った。

  野村証の池田氏は、メーンシナリオではないものの、実際に英国がEU離脱ということになった場合には、ドル・円は100円を割れる可能性があると指摘。「そうなるとdisorderly(無秩序)な動き、もしくはファンダメンタルズを反映していないものとして介入を実施してくる」と予想した。  

  この日は中国の5月の経済指標が発表されたが、大きなサプライズはなく、市場の反応は限定的だった。5月の工業生産は前年同月比6%増で、エコノミスト予想と一致した。5月の小売売上高は同10%増加。ただ、1-5月の都市部固定資産投資は前年同期比9.6%増と、エコノミスト38人全員の予想を下回った。

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