日本株2カ月ぶり安値に急落、英EU離脱不透明と105円台へ円高加速

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13日の東京株式相場は大幅に3日続落し、TOPIXと日経平均株価は2カ月ぶりの安値を付けた。英国の欧州連合(EU)離脱問題に対する不透明感、1ドル=105円台に入った為替の円高加速が嫌気され、輸送用機器や鉱業、鉄鋼、証券株など東証1部33業種は全て安い。

  TOPIXの終値は前週末比46.18ポイント(3.5%)安の1284.54、日経平均株価は582円18銭(3.5%)安の1万6019円18銭。TOPIXは4月11日、日経平均は同12日以来の安値。

  みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員は、英EU離脱問題について「世論調査が拮抗している状況で、ポンドが売られ円が買われやすい。市場は最悪の状況を想定し、株も取りあえず売っておこうと先行して動いている」と指摘。欧州市場の動きを見ながら、「落ち着きを取り戻すまでは調整せざるを得ない」との見方を示した。

英国国旗(右)とEUの旗

Photographer: Jasper Juinen/Bloomberg

  英EU離脱の是非について、10日に公表されたORBがインディペンデント紙の依頼でまとめた調査によると、離脱支持は55%と4月の前回調査から4ポイント上昇した。残留支持は4ポイント低下の45%。調査会社ユーガブがサンデー・タイムズ紙向けに実施した世論調査でも離脱派43%、残留派42%だった。

  きょうのドル・円相場は、午後に一時1ドル=105円70銭台と5月3日以来のドル安・円高水準に急激に振れた。前週末の日本株終値時点は107円6銭。円は対ユーロでも2013年4月以来の1ユーロ=119円台まで上昇。10日の米国株は続落した半面、米国債は上昇、10年債利回りは13年以来の低水準を付けた。ドイツの10年債利回りもブルームバーグのデータ集計開始以来で最低と、景気の先行き不透明感から世界的に金利が低下している。

  米投資家の恐怖心理を示すシカゴ・ボラティリティ指数 (VIX)は16%上昇し17.03と、上昇率は1月以降で最大。日本株投資家の間でも下方圧力に対する警戒が強まっており、10日時点の東京証券取引所の空売り比率は47%と08年のデータ公表以来で最高に達していた。東洋証券の大塚竜太ストラテジストは、「イベントが多くて手を出せず、動きが取れない中、グローバルマクロなど英国の離脱をあおる人たちの動きが影響している」と言う。

  週明けの日本株は、英情勢や海外の為替、金利動向を嫌気し、朝方からリスク回避の売りが幅広い業種に増加。午後に1ドル105円台へ円高が加速すると、先物主導で一段安となり、日経平均はこの日の安値引け、1万6000円割れが目前に迫った。日本株投資家の恐怖心理を示す日経平均ボラティリティ・インデックスも1カ月ぶりに30を上回った。

  今週は14ー15日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、15ー16日に日本銀行の金融政策決定会合があり、様子見姿勢から積極的な買いが入りにくい事情もある。ブルームバーグがエコノミスト40人を対象に6-10日に実施した調査では、日銀が今回追加緩和を行うとの予想は11人(28%)と少数派。次回7月28、29日会合が22人(55%)と最も多い。

  東証1部33業種は鉱業、鉄鋼、その他金融、証券・商品先物取引、精密機器、石油・石炭製品、保険、電気・ガス、非鉄金属、情報・通信などが下落率上位。トップの鉱業は、石油リグ(掘削装置)稼働数の上昇などを材料に10日のニューヨーク原油先物が3%安の1バレル=49.07ドルと大幅続落した影響も受けた。東証1部の売買高は18億7631万株、売買代金は1兆8519億円。上昇銘柄数はわずかに40、下落は1903に達した。

  売買代金上位ではトヨタ自動車やソフトバンクグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、JT、日立製作所、マツダ、ブイ・テクノロジー、パナソニック、三井物産、野村ホールディングス、オリックス、JFEホールディングスが安く、みずほ証券が目標株価を下げたアコムは大幅安。半面、日産自動車による保有株売却をめぐる1次入札で、海外投資ファンドなど複数が応札と11日付の日本経済新聞朝刊が報じたカルソニックカンセイは逆行高。

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