「データ次第」のイエレン議長に投資家は暗中模索、まごつくばかり

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は次の利上げの時期についての明示的なガイダンスを当局に求めないでほしいと言う。このコミュニケーション方針のおかげで金融政策の軌道について投資家は暗中模索を強いられている。

  議長は6日ペンシルベニア州フィラデルフィアでの講演で、米金融当局がいつ行動するかを明言するのは「まれな場合のみ」だと発言。「最大限できることは、当局の考えを導く要因について説明することだと思う」と語った。

  このアプローチの困るところは、当局の計画を理解するのが難しくなると感じられることだ。連邦公開市場委員会(FOMC)の意向は会合後に発表される声明と、政策当局者らのその後の発言からうかがい知ることができるが、これらは必ずしも当局の行動についての一貫性のある説明になっていない。

  例えば、4月FOMCの声明は比較的ハト派的だと受け止められたが、3週間後に公表された議事録で大半の参加者が6月利上げに傾いていたことが分かり、投資家は驚いた。

  今月のFOMC会合の声明が発表される15日午後2時にもまた、その意図を理解しようと知恵を絞ることになるだろう。最新の経済予測も公表されるほか、イエレン議長が行う四半期に一度の記者会見もヒントになる。

  プロッサー前フィラデルフィア連銀総裁は「問題」を指摘する。意見の異なるFOMCメンバーが妥協点を探る結果、「空虚」なFOMC声明が通常になってしまったと説明した。

  「皆が同意できる声明にしようという願望が、内容をよりあいまいで意味の分かりにくいものにする。つまり、声明によって伝わるはずの、議論の真の性質というものが明らかにならない」と語った。四半期ごとの経済予測についての変更や記者会見を毎会合後に行う案などFOMCはコミュニケーション改善の方法を模索している。

  イエレン議長とFOMC参加者らは雇用者数の伸びが約6年ぶり低水準だった5月の雇用統計の後、6月利上げを示唆する発言を引っ込めた。7月についてのヒントを6月声明に求めるのは期待薄だ。

  「市場参加者が何が起こるかをひどく知りたがっていることは分かる」とイエレン議長は6日に述べた。しかし「18回くらい繰り返していると思うが、あらかじめ決めてある計画などというものはない」と言明した。

  フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む6月利上げ確率はゼロ、7月は20%となっている。

原題:Yellen Data Dependence Leaves Investors Dazed and Confused(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE