長期金利中心に過去最低更新が相次ぐ、英EU離脱警戒で金利低下圧力

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  • 新発5年債利回りマイナス0.275%、新発20年債利回り0.17%
  • 英国民投票に向けて不透明感の強まりからリスクオフ-バークレイズ

債券相場は上昇。新発10年物国債をはじめ、5年物、20年物、30年物の各利回りが過去最低水準を更新した。英国で欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票を控え、不透明感を背景に世界的な金利低下圧力が強まり、国内債市場でも買いが優勢の展開となった。

  13日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の343回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)低下のマイナス0.165%で開始し、連日で過去最低を更新。いったんマイナス0.155%に戻した後、再びマイナス0.165%を付けた。新発5年物の128回債利回りは0.5bp低いマイナス0.275%を付け、最低更新。新発20年物の156回債利回りは0.5bp低い0.18%と、前週末に続いて最低を付け、その後0.17%まで下げた。新発30年物の51回債利回りは午後に入って2.5bp低い0.245%を付け、過去最低を記録した。  

  JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「日銀は今月緩和の可能性は低いとみるがゼロとは言えない。英国のEUに関する国民投票でも残留とは思うが、何が起こるか分からない。米連邦公開市場委員会(FOMC)で、ハト派のコメントが出てくると円高が進み、株安を含め、債券は崩れにくい地合いが続くだろう」と説明した。

  長期国債先物市場で中心限月の9月物は、前週末比7銭高の152円39銭で取引を開始。午後に入ると上げ幅を拡大し、一時は152円44銭まで上昇した。結局は152円37銭で引けた。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「グローバルに債券が買われる状況で、長期金利の過去最低更新が続くなど目先は金利低下基調が続きそうだ」と指摘。「期待インフレ率が下振れする中、英国の国民投票に向けて神経質になっており、不透明感の強まりからリスクオフの流れになっている」と言う。

  10日の米国債市場では世界的な成長懸念や英国の国民投票を23日に控え、買いが優勢となり、10年債の利回りは1.64%と終値ベースで2013年5月以来の低水準を付けた。欧州ではドイツ国債が週間ベースで3週続伸し、10年債利回りが一時0.009%と、ブルームバーグがデータ集計を開始した1989年以降の最低を記録した。

日米金融政策見極め

  今週は14、15日に米国でFOMCが開かれる。国内では日銀が15、16日の日程で金融政策決定会合を開く。

  バークレイズ証の押久保氏は、「今週は日銀会合が最大の注目材料だが、足元ではリスクオフのセンチメントが高まりやすく、追加緩和の有無にかかわらず金利は低下基調だろう」と予想。「超長期ゾーンは日銀会合の結果に左右されそうだが、仮に新しい材料が出なかったとしても、大量償還を控えて、今週は国債入札も少なく、需給的に買われやすい。特にプラス利回りの債券には償還資金が集まりやすいだろう」とみる。

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