6月10日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:週間ベースでドルがユーロに対して上昇

10日のニューヨーク外国為替市場でドルはユーロに対して週間ベー スで上昇。トレーダーは来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合 や今月実施される英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる国民投票などの リスク要因を注視している。

ドルは過去6週間のうち5週でユーロに対して上昇した。JPモル ガン・チェースの世界的な通貨ボラティリティ指数は今週上昇した。イ エレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は5月の雇用者数の伸びに ついて、「期待に及ばなかった」と発言していた。6月23日の英国民投 票を前にした調査結果を手掛かりに英ポンドは荒い動きとなった。円は 逃避需要から上昇。世論調査によれば英国のEU離脱支持が残留支持 を10ポイント上回った。

ニューバーガー・バーマンの通貨運用責任者、ウゴ・ランチョーニ 氏は金融政策をめぐり米国が欧州や日本、資源輸出国と違うことを理由 に、「ドルには上昇余地がある」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで0.6%上げて1ユ ーロ=1.1251ドル。週間ベースでは1%上昇した。円は対ドルで前日 比0.1%上昇して1ドル=106円97銭。

JPモルガン・グローバルFXボラティリティ指数は週間で10%上 昇と、2月以来で最も上げた。

商品先物取引委員会(CFTC)の7日のデータによると、ヘッジ ファンドなど大口投機家が建てているドルのネットロングは3週連続で 増加し14万5247枚となった。前週は8万4149枚だった。

金利先物市場の動向によれば、6月15日に連邦公開市場委員会 (FOMC)が利上げを決定する確率はゼロ、年末までの利上げ確率 は49%となっている。

クレディ・アグリコルのG10通貨戦略責任者、バレンティン・マリ ノフ氏(ロンドン在勤)は「為替市場は最近の米金融当局者の慎重な発 言に過剰に反応していた」と述べ、特にカナダやノルウェー、オースト ラリアといった商品輸出国通貨に対して「ドルが回復し、バリュエーシ ョンのゆがみはまもなく解消するだろう」と続けた。

原題:Dollar Heads for Weekly Gain as Focus Shifts to Fed, Brexit Risk(抜粋)

◎米国株:続落、世界の成長懸念や英国民投票控え慎重姿勢

10日の米国株相場は続落。世界的な成長減速をめぐる懸念や、相場 の混乱を引き起こす可能性のある複数のイベントが近づいていることで 慎重姿勢が広がった。S&P500種株価指数は3週間で最大の下げ。

相場は午後に入り下げを拡大。英国の欧州連合(EU)離脱の是非 を問う国民投票に関する最新の世論調査で、離脱支持が残留支持を上回 ったことが影響した。ただ取引終了直前にやや下げを縮めた。この日は エネルギー株が特に大きく下げ、ここ5週間で最大の下落となった。銀 行株は続落。米国債利回りの低下が続いたことが手掛かり。株式相場の ボラティリティ指数は5カ月で最大の上げとなった。

S&P500種株価指数は前日比0.9%安の2096.07。1週間ぶりに終 値ベースで2100を下回った。ダウ工業株30種平均は119.85ドル (0.7%)下げて17865.34ドル。ナスダック総合指数は1.3%安と2カ月 で最大の下げ。

JPモルガン・プライベート・バンクの米株式ストラテジスト、ナ ディア・ロベル氏は「マクロ経済データは強弱まちまちで、英国のEU 離脱の是非を問う国民投票も控えている。こうした中で株式市場は、米 国だけでなく世界全体のマクロ経済環境に引き続き苦慮している」と分 析。「バリュエーションの観点から見ると、利益成長の見込みはゼロか ゼロに極めて近い。相場は2月の安値から非常に大きく上げてきたこと から、投資家はこれから利益確保モードに入るだろう。昨年夏の相場の 変動が大きかったことは誰もが覚えているためだ」と続けた。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は16%上昇し17.03。上昇率は1月以降で最大。今週は26% 上昇し、週間での上げとしては5カ月で最大となった。

S&P500種は今週、週間ベースで上げてきていたが、この日の下 げでその上昇分を全て失い、週間で0.2%安となった。8日にはほぼ11 カ月ぶりの高値に達し、過去最高値まであと0.6%の水準にあった。

ナスダック指数では、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、 ネットフリックス、グーグルの親会社アルファベットという、いわゆる 「FANG」株の下げが大きく影響した。

来週には米連邦公開市場委員会(FOMC)と日本銀行が政策会合 を開催し、その翌週には英国のEU離脱の是非を問う国民投票が行われ る。これらのイベントは金融市場を混乱させる可能性がある。

朝方発表された6月の米消費者マインド指数は約1年ぶりの高水準 を記録した前月からは低下した。

S&P500種指数が2月の安値から最大で16%戻す中、同指数の構 成企業の株価収益率(PER、予想ベース)は約17倍と、MSCIオー ルカントリー世界指数の構成企業のPERを10%近く上回っている。

LLBアセット・マネジメントの株式・債券責任者、クリスチャ ン・ゾッグ氏は「米国株相場は利益の伸びに支えられておらず、他の地 域の市場との相対的なバリュエーションの点で見ると米国市場は割高に なっている」と指摘。「相場は取引レンジの上限にあり、すぐに上抜け ることはない」と続けた。

S&P500種の業種別10指数では8指数が下落した。

原題:U.S. Stocks Fall as Growth Worry, Looming U.K. Vote Spur Caution(抜粋)

◎米国債:上昇、10年債利回りは終値で2013年以来の低水準

10日の米国債相場は上昇。10年債利回りは2013年以来の低水準とな った。世界的に債券利回りが過去最低を更新するのに伴い、より良いリ ターンを求めて米国債に投資資金が流入した。

世界的な成長懸念や英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民 投票を23日に控えていることで、安全性を求める動きも活発になった。 ドイツ10年債利回りが過去最低の0.01%をつけたほか、日本とスイス国 債も上昇し、既にマイナス圏にある両国債の利回りは過去最低を更新し た。米国債の利回り曲線はフラット化し、ブレークイーブンインフレ率 は低下。経済成長は緩やかなペースになるとの見方が背景にある。

バンク・オブ・アメリカが世界の投資適格債をまとめた指数は、昨 年12月末以降に4.6%上昇と、少なくとも1997年以来で最大となってい る。最近では3日の米雇用統計発表後に債券は大きく上昇。米金融当局 が数カ月内に利上げを実施するとの観測が大きく後退した。

シーポート・グローバル・ホールディングスで政府債トレーディン グ戦略を担当するマネジングディレクター、トム・ディガロマ氏は「誰 もが米国債に逃避している」と指摘。米連邦公開市場委員会 (FOMC)を来週に控えていることが利回り低下につながっている が、「英国民投票の方がはるかに重要だ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨ ーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)低下の1.64%。終値ベースで13年5月以来の低水 準。同年債(表面利率1.625%、償還2026年5月)価格は13/32上げて99 27/32。

2年債利回りは4bp低下の0.73%と、1カ月ぶりの低水準。この 日公表された世論調査では、英国のEU離脱支持が残留支持を10ポイン ト上回った。ORBがインディペンデント紙の依頼で2000人を対象にま とめた調査によると、離脱支持は55%と、4月の前回調査から4ポイン ト上昇。一方で残留支持は4ポイント低下して45%となった。

2年債と30年債の利回り差は172bpに縮小。債券市場のインフレ 期待指標である、10年物のブレークイーブンレートは2日連続で低下 し1.56%となった。

フェデラルファンド(FF)金利先物市場の動向に基づいてブルー ムバーグがまとめたデータによると、6月の利上げ確率はゼロと織り込 まれている。5月雇用統計発表の前日には22%だった。年末までの利上 げ確率は50%で、同76%から低下している。

原題:Treasury Yields Fall to Lowest Since 2013 as Global Bonds Surge (抜粋)

◎NY金:上昇、ETF通じた保有の増加を手掛かりに銀も高い

10日のニューヨーク貴金属市場では金と銀相場が上昇。銀の上昇率 は金を上回る勢いで、金1オンス当たりで購入できる銀は一時73.1オン スと、ほぼ1カ月ぶりの低比率となった。銀連動型上場投資信託 (ETF)を通じた銀保有量は過去最高水準に近づいている。銀スポッ ト相場は今月に入って約8.2%高、金は4.9%上昇となっている。

RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニアマーケットストラテジス ト、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで、「銀が売られると きは、金より急速に売られるが、銀が上昇するときは、もっと大幅に上 昇する」と指摘。「銀の現物需要はかなり強い。生産の減少が生じれ ば、ショートスクイーズが起こる可能性がある」と述べた。

ブルームバーグのデータによると、ニューヨーク時間午後2時3分 現在、銀スポット相場は前日比0.2%高の1オンス=17.3083ドルと、3 営業日続伸。

金スポット相場は0.3%上げて1274.09ドルと、同じく3日続伸。

原題:Silver Outshines Gold Again as Investor Demand for ETFs Soars(抜粋)

◎NY原油:大幅続落、米リグ稼働数の上昇とドル堅調を嫌気

10日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が続落し、10週間ぶりの大幅安。米国で の石油リグ(掘削装置)稼働数の上昇とドル堅調が嫌気された。

シティ・フューチャーズ・パースペクティブのエネルギーアナリス ト、ティム・エバンス氏は、リグ稼働数は「今の市場で非常に注目され ている指標」だが、2週間上昇したところで実際の供給には目先、大き く影響しないと指摘。「今回の上振れは下げ止まりを示唆する変曲点と 見なされるのが精一杯のところだ。供給に反映されるのは少なくとも6 カ月先のことだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日 比1.49ドル(2.95%)安い1バレル=49.07ドルで終了。4月4日以来 の大幅安となった。週間では0.9%の値上がり。ロンドンICEのブレ ント8月限は1.41ドル(2.7%)下げて50.54ドル。

原題:Oil Falls Most in 10 Weeks as U.S. Rig Count Gains, Dollar Rises(抜粋)

◎欧州株:2月来の大幅安-中銀会合など控えリスク意欲が後退

10日の欧州株式相場は2月以来の大幅安となった。月半ば以降に予 定する主要中央銀行の政策決定会合や政治イベントを前に、リスク資産 への投資を控える動きが強まった。

指標のストックス欧州600指数は前日比2.4%安の332.92で終了。週 間ベースでは2.5%安と、1カ月ぶりの大幅な下落となった。構成銘柄 は16銘柄を除きすべて値下がりした。とりわけイタリアとギリシャの銀 行株の下げが目立った。ユーロ圏の株価下落に備えたオプションの費用 に連動するVストックス指数はこの日17%上昇し、週間では1月以来の 大きな上げを記録した。

欧州中央銀行(ECB)当局者が夏の間は刺激策を据え置く兆候が 高まる中、今後2週間に相場を動かしそうなイベントが相次ぐ。米当局 と日本銀行がいずれも15日に金融政策を決定するほか、23日には英国で 欧州連合(EU)残留・離脱の是非を問う国民投票が行われ、その3日 後にはスペイン総選挙が実施される。

ルツェルン州立銀行(スイス)のトレーダー、ベンノ・ガリカー氏 は「誰もが市場に憤りを感じているようだ」とし、「相場は上昇しそう に思われたが、欧州では現在、全て元のもくあみになりつつある様相 だ。日米当局の政策決定会合や英国民投票など余りにも多くのイベント を控え、誰一人として市場にとどまる意欲がない」と語った。

個別銘柄では、ドイツのルフトハンザ航空が5.6%下落。シモー ネ・メンネ最高財務責任者(CFO)が予想だにしなかった辞意を表明 したことが嫌気された。フランスの自動車メーカー、プジョーシトロエ ングループ(PSA)は1.6%値下がり。プジョー一族の10人が保有比 率引き上げを検討する可能性があるとの報道が売り材料となった。

原題:Stocks in Europe Tumble Most Since February in Sign of Anxiety(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債、週間ベースで3週続伸-世界的に国債上昇

10日の国債市場ではドイツ国債が週間ベースで3週続伸し、10年物 利回りはゼロに接近した。世界的な景気見通し悪化や政治的リスクを背 景に安全とされる国債の需要が高まり、今年に入ってからの国債相場の 活況は衰える兆候がない。

日本とスイスの国債も上昇し、既にマイナス圏にある両国債の利回 りは過去最低を更新した。需要が堅調な米国債の利回りは、新興国資産 が売りを浴びて市場が混乱した2月以来の低水準にとどまっている。

英国の欧州連合(EU)残留・離脱の是非を問う国民投票は予断を 許さない状況にある。資産家ジョージ・ソロス氏は大きな市場変動が目 前に迫っている可能性を懸念していると、米紙ウォールストリート・ジ ャーナル(WSJ)が事情に詳しい複数の関係者の情報として伝えた。

SEBのシニア金利ストラテジスト、マリウス・ダハイム氏(フラ ンクフルト在勤)は「ファンダメンタル的にこうした低い利回りを支援 する環境にあり、少なくとも目先にトレンドを反転させ得る要因はな い」と発言。「米雇用統計が米国債や他の相場への追い風になった。ユ ーロ圏に注目すると、英国のEU離脱(Brexit)リスクが高まっ ており、これが質への逃避を促している」と続けた。

ニューヨーク時間午前11時10分現在、ドイツ10年債利回りは前日比 1ベーシスポイント(bp、1bp-0.01%)低下の0.02%。一時 は0.009%と、ブルームバーグがデータ集計を開始した1989年以降の最 低を記録した。週間ベースでは5bp低下。同国債(表面利 率0.5%、2026年2月償還債)はこの日、0.115上げ104.63となった。

原題:Bond Yields Around the World Fall to Records on Growth Outlook(抜粋)

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