10日の米国株相場は続落。世界的な成長減速をめぐる懸念や、相場の混乱を引き起こす可能性のある複数のイベントが近づいていることで慎重姿勢が広がった。S&P500種株価指数は3週間で最大の下げ。

  相場は午後に入り下げを拡大。英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票に関する最新の世論調査で、離脱支持が残留支持を上回ったことが影響した。ただ取引終了直前にやや下げを縮めた。この日はエネルギー株が特に大きく下げ、ここ5週間で最大の下落となった。銀行株は続落。米国債利回りの低下が続いたことが手掛かり。株式相場のボラティリティ指数は5カ月で最大の上げとなった。

  S&P500種株価指数は前日比0.9%安の2096.07。1週間ぶりに終値ベースで2100を下回った。ダウ工業株30種平均は119.85ドル(0.7%)下げて17865.34ドル。ナスダック総合指数は1.3%安と2カ月で最大の下げ。

  JPモルガン・プライベート・バンクの米株式ストラテジスト、ナディア・ロベル氏は「マクロ経済データは強弱まちまちで、英国のEU離脱の是非を問う国民投票も控えている。こうした中で株式市場は、米国だけでなく世界全体のマクロ経済環境に引き続き苦慮している」と分析。「バリュエーションの観点から見ると、利益成長の見込みはゼロかゼロに極めて近い。相場は2月の安値から非常に大きく上げてきたことから、投資家はこれから利益確保モードに入るだろう。昨年夏の相場の変動が大きかったことは誰もが覚えているためだ」と続けた。

  シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は16%上昇し17.03。上昇率は1月以降で最大。今週は26%上昇し、週間での上げとしては5カ月で最大となった。

  S&P500種は今週、週間ベースで上げてきていたが、この日の下げでその上昇分を全て失い、週間で0.2%安となった。8日にはほぼ11カ月ぶりの高値に達し、過去最高値まであと0.6%の水準にあった。

  ナスダック指数では、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグルの親会社アルファベットという、いわゆる「FANG」株の下げが大きく影響した。

  来週には米連邦公開市場委員会(FOMC)と日本銀行が政策会合を開催し、その翌週には英国のEU離脱の是非を問う国民投票が行われる。これらのイベントは金融市場を混乱させる可能性がある。

  朝方発表された6月の米消費者マインド指数は約1年ぶりの高水準を記録した前月からは低下した。

  S&P500種指数が2月の安値から最大で16%戻す中、同指数の構成企業の株価収益率(PER、予想ベース)は約17倍と、MSCIオールカントリー世界指数の構成企業のPERを10%近く上回っている。

  LLBアセット・マネジメントの株式・債券責任者、クリスチャン・ゾッグ氏は「米国株相場は利益の伸びに支えられておらず、他の地域の市場との相対的なバリュエーションの点で見ると米国市場は割高になっている」と指摘。「相場は取引レンジの上限にあり、すぐに上抜けることはない」と続けた。

  S&P500種の業種別10指数では8指数が下落した。
 
原題:U.S. Stocks Fall as Growth Worry, Looming U.K. Vote Spur Caution(抜粋)

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