【日本株週間展望】日米金融政策にらみ方向感出ず、前半強含み場面も

6月3週(13ー17日)の日本株は、日米金融政策の行方を見極めようと方向感の出にくい展開となりそうだ。日本銀行の追加金融緩和期待から週前半は強含みやすい半面、後半は結果次第で一時的に荒れる可能性がある。

  米国では14、15日に連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。先物市場が織り込む利上げ確率は、今回6月がゼロ、7月は18%、確率が50%を超すのは12月以降となっている。当局の一手を探る上で、声明や連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見内容を注視する市場関係者は多い。利上げに積極的でないと判断されれば、ドル安・円高傾向となる公算が大きく、米景況感に楽観的なムードが広がれば、逆にドル高・円安に振れやすい。

  一方、国内では15、16日に日銀の金融政策決定会合がある。市場では、今回は政策変更なしとの見方が優勢。ただ、物価の低迷を背景に追加緩和は時間の問題との認識は根強い。一部にはサプライズを警戒する向きもあり、会合までは売り方の買い戻しが入りやすそうだ。政策変更がなかった場合、一時的に相場が下押しする可能性はあるが、次回会合以降の緩和観測は続くほか、参院選を前にした政策発動への期待は下支え要因になる。

  このほか、米国では14日に5月の小売売上高、15日に6月のニューヨーク連銀製造業景況指数、16日に6月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数が公表予定。エコノミスト予想では、米小売売上高が前月比0.3%増への鈍化、ニューヨーク連銀はマイナス5への改善、フィラデルフィア連銀はプラス1への改善が見込まれている。米景気の底堅さが確認されれば、日本株にはプラスになる可能性がある。第2週の日経平均株価は週間で0.3%安の1万6601円36銭と続落。米早期利上げ観測の後退を背景に、為替がドル安・円高方向に振れた影響を受けた。

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≪市場関係者の見方≫
●りそな銀行アセットマネジメント部の黒瀬浩一チーフ・マーケット・ストラテジスト
  「日米とも政策変更なしが規定路線とあって、手掛かり材料に乏しく薄商いとなる可能性が高い。人民元の先行きや英国の欧州連合(EU)離脱問題を見極める必要があり、米国の利上げは相当先になろう。利上げしないから米経済は良好を保てるとの見方で米国株には大きなプラス要因になるが、円高要因が相殺して日本株には中立。日銀はマイナス金利の本当の効果が分からないことから、しばらく動けない。変更なしでも株価の反応は乏しいだろう。仮に小出しの策が出たとしても、短期的反応にとどまるのではないか」

●SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリスト
  「日米の金融政策では日本株は動かず、日経平均は1万6500円を中心に上下300円のレンジを想定している。市場では日銀の追加緩和期待が高まっていない、緩和はないだろう。FOMCは、6月に続き7月も利上げが見送られると予想している。資金フローからは、海外投資家が日本株に興味を失っている様子が見て取れる。これにより円売り・株先買いが細る一方、円が上昇しても日本株は下げにくくなってきた。EU離脱の是非を問う23日の英国民投票に対する不透明感がある限り、売りも買いもポジションを傾けにくい」

•三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジスト
  「日銀の追加緩和に関する見方は割れている。円高リスクも勘案し、マイナス金利の深掘りや上場投資信託(ETF)の買い入れ増を決めると予想、日経平均は1万7000円に接近しそうだ。FOMCで利上げが見送られても、円高や日本株下落を回避できるとみる。仮に日銀の追加緩和が見送られた場合、1ドル=105円を目指し円が上昇、日経平均は5月安値の1万6000円割れを意識する可能性がある。週初は中国の経済統計に注目。5月の消費者物価が市場予想を下回ったため、弱い指標が続くと中国経済の不透明感が強まりそうだ」
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