【債券週間展望】長期金利低下か、日銀サプライズ警戒や大量償還で

  • 日銀会合、サプライズの可能性ゼロではない-マスミューチュアル
  • 追加緩和があってもなくても買われる-パインブリッジ

来週の債券市場で長期金利は低下が予想されている。日本銀行による追加緩和観測に加えて、国債大量償還に伴う再投資需要などから、買い圧力が強まりやすいことが背景にある。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは10日、一時マイナス0.155%まで低下し、過去最低水準を更新した。世界的な債券相場の上昇を受けて米10年物国債利回りが3カ月半ぶりの低水準を付けた流れを引き継いだほか、日銀が実施した長期国債買い入れオペの強い結果などが買い材料となった。

  日銀が15、16日の日程で開く金融政策決定会合が最大の注目材料となる。パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、この日の堅調な相場について、「来週の日銀金融政策決定会合に向けて緩和期待が出てきており、在庫を売れない状況」と話した。ただ、「追加緩和があるかは微妙。なくても円高になればリスクオフになるだろう。緩和がありマイナス金利が拡大されれば買われる。どちらにしても債券は買われる」と話した。 

  マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は、「日銀はタイミング的に追加緩和が難しいとみられるが、サプライズの可能性はゼロではないだろう」と話した。

  米国では14、15日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。米連邦準備制度理事会(FRB)は日本時間16日未明にFOMCの声明文と経済予測を公表する。ブルームバーグデータによると、米フェデラルファンド(FF)金利先物を基に算出した6月の利上げ予想確率はゼロ%となっている。  

流動性供給入札

  財務省は17日午前に流動性供給入札を実施する。発行予定額は4000億円程度。投資家需要の強い既発国債を追加発行する入札となり、今回は残存15.5年超から39年未満の国債が対象銘柄となる。

  今月は利付国債の大量償還を控えている。こうした資金の国債市場への再流入観測が出ており、需給環境は引き続き良好だ。財務省の発表によると、15日から20日にかけて19兆円弱の償還が予定されている。

  パインブリッジの松川氏は、「流動性供給入札は日銀決定会合の後で、緩和したら高値で買わされることになりそう。もっとも、プラス金利の年限対象であり、償還資金に吸収されると思う。ショートカバーの需要もあるだろう」と予想する。

市場関係者の見方

*T
◎マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長
*全体的に金利が下がる材料の方が多い
*週初は償還再投資を背景にした好需給をベースに、日銀追加緩和への多少の期待や英国のEU離脱をめぐる不透明感から、新値取りの動き強まる
*長期金利の予想レンジはマイナス0.175%~マイナス0.10%

◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長
*世界的に金利低下の流れ
*FOMCで利上げは見送られると想定。米雇用統計悪かったため、強気の声明出せない
*長期金利の予想レンジはマイナス0.20%~マイナス0.13%

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長
*FOMCは今回は動かないとしても、利上げの方向性自体は変わらないので、先行きにどのくらいのトーンを出してくるか
*EU離脱をめぐる英国民投票に向けた世論調査も相場に影響する可能性がある。日本人投資家にとってはFRBの金融政策見通し以上に不確定な要素
*長期金利の予想レンジはマイナス0.18%~マイナス0.12%
*T

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