6月9日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル3日ぶりに上昇、失業保険申請件数が予想外に減少

9日のニューヨーク外国為替市場で、ドルは3日ぶりに上昇。先週 の週間新規失業保険申請件数が市場予想に反して減少したことが好感さ れた。

ドルは1カ月ぶり安値から反発。失業保険統計で米労働市場減速へ の懸念が幾分か緩和された。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB) 議長は5月の雇用者数の伸びについて、「期待に及ばなかった」と発言 していた。金融当局が政策金利を引き上げる前にドルを買うのは「自滅 的な戦略」となる可能性があると、HSBCホールディングスは指摘し た。

HSBCの為替調査世界責任者、デービッド・ブルーム氏(ロンド ン在勤)は「ドルはフィードバックループに深くはまっている。つまり 通貨安が利上げの確率を高めている」と述べ、「これが逆にドル買いを 誘発した。しかし、その結果ドルが上昇すれば利上げの確率は低下し、 ドルが下落する」と続けた。

ニューヨーク午後5時現在、ブルームバーグ・ドル・スポット指数 は0.4%上昇。ドルは対ユーロで0.7%高の1ユーロ=1.1316ドル。ドル は対円で0.1%高の1ドル=107円10銭。

BNPパリバの北米為替戦略責任者、ダニエル・カッツァイブ氏 (ニューヨーク在勤)は「先週の統計発表後、ドルは非常に不安定だ。 向こう2回の連邦公開市場委員会(FOMC)の可能性はなくなったも 同然だ」と述べ、「その結果、対ドルでのユーロに上昇余地が広がる。 向こう数週間で1ユーロ=1.16ドルも十分にあり得るとみている」と述 べた。

金利先物市場の動向によれば、6月15日に連邦公開市場委員会 (FOMC)が利上げを発表する確率はゼロ、年末までの利上げ確率 は55%となっている。

トロント・ドミニオン銀行の北米為替戦略責任者、マーク・マコー ミック氏は「夏の利上げについてより明確な方向性が示されるまで、ド ルは引き続き劣勢に立たされるだろう」と述べた。

原題:Dollar Snaps 2-Day Loss as HSBC Says Fed Stuck in Feedback Loop(抜粋)

◎米国株:4日ぶり反落-S&P500種は10カ月ぶり高値から下げる

9日の米株式相場は小反落。S&P500種株価指数は10カ月ぶり高 値から下げた。世界的な成長低迷の影響をめぐる懸念が根強い中で、過 去最高値に向かっていた相場を見極めようとする動きが広がった。

主要株価指数は午後に入り、下げを縮める展開となった。素材関連 や銀行銘柄が下げ渋った。公益や通信などのデフェンシブ銘柄は上昇し た。米国債利回りが2月以来の水準に下げ、ドルは反発したものの、金 融や商品関連の銘柄はこの日の安値を離れて引けた。このほかアップル やジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の上昇も終盤の相場回復 に寄与した。

S&P500種株価指数は前日比0.2%安の2115.48。一時0.5%下げる 場面もあった。ダウ工業株30種平均は19.86ドル(0.1%)安の17985.19 ドル。ナスダック総合指数は0.3%下落。

USバンクのプライベート・クライアント・リザーブの地域投資マ ネジャー、ジム・デービス氏は「相場が現在の水準からさらに上振れる 余地はあまり大きくない。バリュエーションが非常に高いためだ」と分 析。「今後1週間にもう少し下げたとしても意外ではない。連邦公開市 場委員会(FOMC)会合を来週に控え、その後は英国の欧州連合 (EU)離脱の賛否を問う国民投票がある。米国株市場を取り巻く環境 はこれから7月半ばにかけてやや荒っぽくなろう」と続けた。

ドルが1カ月ぶり安値から反発したことを手掛かりに原油相場は4 日ぶりに下落、エネルギー株に重しとなった。今週の株式市場では、先 週発表の雇用統計を受けてドルが下げる中、素材株とエネルギー株が相 場全体のけん引役となっていた。

低金利と緩やかなペースでの成長は株価上昇には最適の環境だとの 楽観は、今後控えるイベントが影響して後退している。FOMC会合や 英国民投票、米大統領選に向けた党大会は市場のムードを暗くする可能 性がある。

S&P500種はここ10営業日連続で、上方向・下方向ともに0.5%を 超えて動いていない。出来高も平均を下回っている。9日までの段階で の1日当たりの平均出来高は65億株で、これは過去1年間の平均を12% 下回る。

BGCパートナーズの市場ストラテジスト、マイケル・イングラム 氏(ロンドン在勤)は「S&P500種はここ3週間は特に極めて着実に 上昇してきた」とした上で、「世界経済の状態は良くはない。また直近 の米雇用統計は一時的な脱線として見過ごされる可能性がある一方、米 国の回復に対する信頼感は明らかに揺らいでいる」と続けた。

先物市場に織り込まれる6月の利上げ確率はゼロ。7月の確率もわ ずか20%だ。確率が50%を超えるのは12月以降となっている。

この日シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指 数 (VIX)は4%上昇し14.64と、2週間ぶり高水準。

S&P500種の業種別10指数では7指数が下落。金融と素材が特に 下げた。一方で最も上げたのは公益株の指数で、2番目に電気通信サー ビス、3番目に生活必需品と続いた。食品のJMスマッカーは7.9%上 昇し、上場来高値となった。

原題:S&P 500 Slips From 10-Month High as Banks, Commodity Shares Fall(抜粋)

◎米国債:3日続伸、10年債は2月以来の低利回り-成長不安が再燃

9日の米国債相場は3日続伸。10年債利回りは世界経済失速への懸 念が深まった2月以来の低水準を付けた。低調な景気拡大に加え、英国 が欧州連合(EU)を離脱する可能性をめぐる懸念が再燃し、最も安全 とみられる米国債への需要が膨らんだ。

EU離脱の是非を問う英国民投票を23日に控え、英国債利回りが過 去最低を付けた。これにつれて米国債利回りも下げた。原油相場が下げ たこともあり、通常の米国債とインフレ連動国債の利回り差が縮小。2 年債と10年債の利回り差は2007年以来の最小となった。資産家ジョー ジ・ソロス氏が中国経済をめぐる懸念から弱気な持ち高を組んでいると の報道も、投資家の懸念をあおった。

BMOキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、アーロン・ コーリ氏は「経済指標は堅調を維持していないとの認識が徐々に広がっ ている。非農業部門雇用者数の発表を前に売り持ちにしていた投資家が 多かったことと、イエレン議長からタカ派的な発言が出ると期待されて いたことは、相場の動きから明らかだ」と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨ ーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)低下の1.69%。同年債(表面利率1.625%、償 還2026年5月)価格は1/8高の99 14/32。

30年債利回りは2bp低下の2.49%。一時は2月11日以来の低水準 を付けた。米財務省が9日実施した30年債入札(発行額120億ドル)で は、最高落札利回りが2015年1月の低水準となった。これは30年債の落 札利回りとしては過去2番目の低水準。

マイナス利回りとなっているソブリン債の総額が世界で10兆ドルを 超える中、世界的に利回りを求める動きから米国債への需要が強まって いる。前日の10年債入札(規模200億ドル)ではプライマリー ディーラ ー(政府証券公認ディーラー)を通じた間接入札者の落札全体に占める 割合が73.6%と、データがさかのぼれる2003年以降で最高となった。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)は「世界的に利回りを求めて需要が非常に強 い」と指摘。前週の雇用統計後、安全な資産を求める動きが強まったの は「センチメントが劇的に変わったためだ。経済指標一つで、再び米経 済は窮地に立たされている」と語った。

原題:Treasury Yields Fall to February Low as Growth Concerns Revive(抜粋)

◎NY金:続伸、ファンド通じた保有量増加で銀も高い

9日のニューヨーク貴金属市場で銀先物相場が上昇。銀ファンドに は今年に入って新規資金の流入が相次いでおり、こうしたファンドを通 じた銀保有量は過去最高水準に近づいている。米利上げ先送り観測を背 景に、銀は年初から25%高と、金と同様の動きとなっている。

オンライントレーディングサービス会社ブリオンボールトの調査責 任者、エードリアン・アッシュ氏は「銀市場に大量の資金が引き続き入 ってきている」とし、「当社顧客からの資金流入は2011年初めに記録し た過去最高水準と一致する」と指摘。銀について、「ステロイド剤を投 与された金」のようだと述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の銀先物7月限は前日 比1.7%高の1オンス=17.268ドルで終了。金先物8月限は前日比0.8% 上げて1オンス=1272.70ドル。ニューヨーク商業取引所 (NYMEX)のパラジウムとプラチナは下落。

原題:Silver Acting Like ‘Gold on Steroids’ as Assets Near Record High(抜粋)

◎NY原油:10カ月ぶり高値から反落、ドル堅調で騰勢を失う

9日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が反落。世界的に需給がバランス回復に 向かうとの見方から10カ月ぶり高値に上昇していたが、ドルの堅調に水 を差された。この日は世界的に株価が下げてドルが堅調となり、商品の 投資妙味が低下した。

シティ・フューチャーズ・パースペクティブのエネルギーアナリス ト、ティム・エバンス氏は「きょうの反落には金融というアングルがあ る」と指摘。「ここまでの価格上昇を踏まえた小口の利益確定売りもあ った。ドルの回復が少なくとも部分的には原油売りを促した」と説明し た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日 比67セント(1.31%)安い1バレル=50.56ドルで終了。ロンドン ICEの8月限は56セント(1.1%)下げて51.95ドル。

原題:Oil Falls From 10-Month High as Dollar Strength Halts Rally(抜粋)

◎欧州株:続落、ECB措置に懐疑的-世界株や米国株との相違鮮明に

9日の欧州株式相場は下落。欧州中央銀行(ECB)の刺激策に対 する懐疑的な見方が重しとなり、指標のストックス欧州600指数は続落 し、世界株の指標と比較したバリュエーションは2015年7月以来の低水 準に落ち込んだ。

欧州株とは対照的に、MSCIオールカントリー世界指数が6カ月 ぶり高水準を付けたほか、S&P500種株価指数は過去最高値に接近し た。欧州中央銀行(ECB)が8日に社債購入を開始したものの、こう した措置で景気が持ち直すと投資家らは確信していない。

ストックス600指数は前日比1%安の341.25で終了。下落銘柄は500 を超えた。予想収益に基づく指数構成銘柄の平均株価収益率(PER) は14.9倍と、MSCIオールカントリー世界指数を4.3%、S&P500種 を12%それぞれ下回っている。

コメルツ銀行のエコノミスト、ピーター・ディクソン氏(ロンドン 在勤)は「われわれの現在の立ち位置を再確認するものだ」とし、「成 長を生み出す欧州の能力に懐疑的な見方も強い。ECBの債券購入が経 済に実質的な影響を与えないとの見方も多い」と語った。

個別銘柄では、ノルウェーのシードリルが10%の大幅安。航空エン ジン製造の英ロールス・ロイス・ホールディングスは2%下落。仏酒造 メーカーのレミー・コアントローは3.3%安。特殊プラスチック・繊維 メーカーの英エセントラは28%急落した。

原題:Europe Stock Losses Send Values to 11-Month Low to Global Peers(抜粋)

◎欧州債:周辺国債、一時の上げ消す-Brexitより国内問題懸念

9日の欧州債市場ではスペインとイタリアの国債が一時の上げを消 し、ほぼ変わらずとなった。両国債の魅力を押し下げているのは欧州連 合(EU)残留・離脱の是非を問う英国の国民投票ではなく両国の内政 問題だと、フランスの投資運用会社カルミニャック・ジェスティオンが 指摘した。

運用資産額が510億ユーロ相当に上るカルミニャックは周辺国の国 債保有を3年前の約3分の1に縮小した。同社の投資委員会メンバーで あるサンドラ・クロール氏によれば、スペインは6月、イタリアは10月 に投票があるほか、欧州中央銀行(ECB)の国債購入プログラムが期 限に近づくことが、周辺国債への大きなリスクだ。

クロール氏は8日のロンドンでのインタビューで「周辺国債に中期 的に影響を本当に与えるのはECBの資産購入プログラムと6月末のス ペイン総選挙、そしてイタリアが実施する憲法改正を問う国民投票だ」 と述べた。

ECBは今年3月に資産購入プログラムに基づく月間購入額を800 億ユーロに増やし、期限を2017年3月まで6カ月延長した。

ロンドン時間午後4時19分現在、スペイン10年債利回りは前日比ほ ぼ変わらずの1.43%。一時は1.39%まで下げ、3月10日以来の低水準を 付けた。同国債(表面利率1.95%、2026年4月償還)価格は104.75。同 年限のイタリア国債利回りもほぼ変わらずの1.39%。

欧州債の指標とされるドイツ10年債利回りは1ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の0.04%。ブルームバーグがデータ集計 を開始した1989年以降の最低となる0.023%まで下げる場面もあった。

原題:Carmignac Sees Politics, Not Brexit, as Problem for Peripherals(抜粋)

◎英国債の10年物利回り、過去最低を更新-EUめぐる国民投票控え

9日の英国債市場で10年物利回りが過去最低を更新した。英国の欧 州連合(EU)残留・離脱の是非を問う国民投票が23日に迫りつつある ことが背景にある。

国民投票のほか、世界景気に対する楽観が後退したことを受け、安 全を求める動きから英国債は米国債やドイツ国債とともに上昇。クレデ ィ・アグリコルCBIの金利戦略責任者、モヒト・クマール氏によれ ば、英国のEU離脱(Breixt)が現実となった場合にはイングラ ンド銀行(英中央銀行)が金融政策をさらに緩和する可能性がある。 EU離脱への懸念からポンドの年初来のパフォーマンスは主要10通貨の 中で最悪だが、英国債には支援材料となっている。

ロンドン時間午後4時24分現在、英10年債利回りは前日比1ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.24%。一時は1.218%ま で下げ、ブルームバーグがデータ集計を開始した1989年以降の最低を記 録した。ドイツ10年債利回りは過去最低となる0.033%まで低下した 後、2bp低下し0.04%となった。米10年債利回りも2bp下 げ1.68%。

ポンドはドルに対し前日比0.2%安の1ポンド=1.4474ドル。年初 来では1.8%下げている。

リーガル・アンド・ジェネラル・グループ(ロンドン)のポートフ ォリオ・コンストラクション・アソシエート、ダニエラ・ラッセル氏 は、Brexitが現実となれば同国債利回りは1%まで低下する可能 性があり、EU残留を決めても数カ月以内に過去最低を更新するかもし れないと述べた。

「世界の広範なマクロ状況が再び軟化した」とし、「EU残留で一 定の安堵(あんど)感が生まれるとしても、最近の英経済データの弱さ がBrexit絡みの不透明感だけによるものなのかどうかを見極める には数カ月要するだろう」と、ラッセル氏は説明した。

原題:U.K. Bond Yield Falls to Record Low as Brexit Vote Approaches(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE