米国株:4日ぶり反落-S&P500種は10カ月ぶり高値から下げる

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9日の米株式相場は小反落。S&P500種株価指数は10カ月ぶり高値から下げた。世界的な成長低迷の影響をめぐる懸念が根強い中で、過去最高値に向かっていた相場を見極めようとする動きが広がった。

  主要株価指数は午後に入り、下げを縮める展開となった。素材関連や銀行銘柄が下げ渋った。公益や通信などのデフェンシブ銘柄は上昇した。米国債利回りが2月以来の水準に下げ、ドルは反発したものの、金融や商品関連の銘柄はこの日の安値を離れて引けた。このほかアップルやジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の上昇も終盤の相場回復に寄与した。

  S&P500種株価指数は前日比0.2%安の2115.48。一時0.5%下げる場面もあった。ダウ工業株30種平均は19.86ドル(0.1%)安の17985.19ドル。ナスダック総合指数は0.3%下落。

ニューヨーク証取のトレーダー

Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

  USバンクのプライベート・クライアント・リザーブの地域投資マネジャー、ジム・デービス氏は「相場が現在の水準からさらに上振れる余地はあまり大きくない。バリュエーションが非常に高いためだ」と分析。「今後1週間にもう少し下げたとしても意外ではない。連邦公開市場委員会(FOMC)会合を来週に控え、その後は英国の欧州連合(EU)離脱の賛否を問う国民投票がある。米国株市場を取り巻く環境はこれから7月半ばにかけてやや荒っぽくなろう」と続けた。

  ドルが1カ月ぶり安値から反発したことを手掛かりに原油相場は4日ぶりに下落、エネルギー株に重しとなった。今週の株式市場では、先週発表の雇用統計を受けてドルが下げる中、素材株とエネルギー株が相場全体のけん引役となっていた。

  低金利と緩やかなペースでの成長は株価上昇には最適の環境だとの楽観は、今後控えるイベントが影響して後退している。FOMC会合や英国民投票、米大統領選に向けた党大会は市場のムードを暗くする可能性がある。

  S&P500種はここ10営業日連続で、上方向・下方向ともに0.5%を超えて動いていない。出来高も平均を下回っている。9日までの段階での1日当たりの平均出来高は65億株で、これは過去1年間の平均を12%下回る。

  BGCパートナーズの市場ストラテジスト、マイケル・イングラム氏(ロンドン在勤)は「S&P500種はここ3週間は特に極めて着実に上昇してきた」とした上で、「世界経済の状態は良くはない。また直近の米雇用統計は一時的な脱線として見過ごされる可能性がある一方、米国の回復に対する信頼感は明らかに揺らいでいる」と続けた。

  先物市場に織り込まれる6月の利上げ確率はゼロ。7月の確率もわずか20%だ。確率が50%を超えるのは12月以降となっている。

  この日シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は4%上昇し14.64と、2週間ぶり高水準。

  S&P500種の業種別10指数では7指数が下落。金融と素材が特に下げた。一方で最も上げたのは公益株の指数で、2番目に電気通信サービス、3番目に生活必需品と続いた。食品のJMスマッカーは7.9%上昇し、上場来高値となった。

原題:S&P 500 Slips From 10-Month High as Banks, Commodity Shares Fall(抜粋)

(第5段落以降を追加し、更新します.)
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