米国債:3日続伸、10年債は2月以来の低利回り-成長不安が再燃

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9日の米国債相場は3日続伸。10年債利回りは世界経済失速への懸念が深まった2月以来の低水準を付けた。低調な景気拡大に加え、英国が欧州連合(EU)を離脱する可能性をめぐる懸念が再燃し、最も安全とみられる米国債への需要が膨らんだ。

  EU離脱の是非を問う英国民投票を23日に控え、英国債利回りが過去最低を付けた。これにつれて米国債利回りも下げた。原油相場が下げたこともあり、通常の米国債とインフレ連動国債の利回り差が縮小。2年債と10年債の利回り差は2007年以来の最小となった。資産家ジョージ・ソロス氏が中国経済をめぐる懸念から弱気な持ち高を組んでいるとの報道も、投資家の懸念をあおった。

  BMOキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、アーロン・コーリ氏は「経済指標は堅調を維持していないとの認識が徐々に広がっている。非農業部門雇用者数の発表を前に売り持ちにしていた投資家が多かったことと、イエレン議長からタカ派的な発言が出ると期待されていたことは、相場の動きから明らかだ」と指摘した。  

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.69%。同年債(表面利率1.625%、償還2026年5月)価格は1/8高の99 14/32。

  30年債利回りは2bp低下の2.49%。一時は2月11日以来の低水準を付けた。米財務省が9日実施した30年債入札(発行額120億ドル)では、最高落札利回りが2015年1月の低水準となった。これは30年債の落札利回りとしては過去2番目の低水準。

  マイナス利回りとなっているソブリン債の総額が世界で10兆ドルを超える中、世界的に利回りを求める動きから米国債への需要が強まっている。前日の10年債入札(規模200億ドル)ではプライマリー ディーラー(政府証券公認ディーラー)を通じた間接入札者の落札全体に占める割合が73.6%と、データがさかのぼれる2003年以降で最高となった。

  三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス氏(ニューヨーク在勤)は「世界的に利回りを求めて需要が非常に強い」と指摘。前週の雇用統計後、安全な資産を求める動きが強まったのは「センチメントが劇的に変わったためだ。経済指標一つで、再び米経済は窮地に立たされている」と語った。

原題:Treasury Yields Fall to February Low as Growth Concerns Revive(抜粋)

(第5段落以降を追加し、更新します.)
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