長期金利が過去最低を更新、日銀オペや緩和観測で買い-先物は最高値

更新日時
  • 先物一時152円51銭まで上昇、長期金利マイナス0.155%に低下
  • 日銀緩和、サプライズの可能性ゼロではない-マスミューチュアル

債券相場は上昇。新発10年債や20年債利回りが過去最低水準を更新し、先物は最高値を付けた。前日の米国市場で株安・金利低下となった流れを引き継いで買いが先行。日本銀行による長期国債買い入れオペの結果や、来週の金融政策決定会合での緩和観測も買い手掛かりとなった。

  10日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の343回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)低下のマイナス0.14%で取引を開始し、これまでの最低マイナス0.135%を下回った。午後に入ると、オペ結果を受けて水準を切り下げ、マイナス0.155%まで低下した。新発20年物の156回債利回りは1bp低い0.205%で開始し、一時は0.185%と過去最低を更新。その後は0.19%で推移している。

  マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は、「来週は全体的に金利が下がる材料の方が多い」とし、「特に週初は償還再投資を背景にした好需給をベースに日銀の追加緩和への多少の期待や英国の欧州連合(EU)離脱(Brexit)をめぐる不透明感から円債は新値取りの動きが強まるとみられる」と話した。15、16日開催の日銀決定会合については、「タイミング的に追加緩和が難しいとみられているが、サプライズの可能性はゼロではないだろう」と述べた。

  長期国債先物市場で中心限月の6月物は前日比14銭高の152円31銭で取引を開始した。午後に入ると上げ幅を拡大し、一時は152円51銭と夜間取引を含めた中心限月ベースでの最高値152円48銭を上回った。結局は26銭高の152円43銭で取引を終えた。

  9日の米国市場では、世界的な成長低迷の影響をめぐる懸念が根強い中、株式相場が4営業日ぶりに反落。一方、債券相場は3日続伸し、米10年債利回りは前日比2bp低下の1.69%となった。この日の東京株式相場は下落。日経平均株価は一時前日比200円近く下げた後、67円05銭安の1万6601円36銭で引けた。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、「三菱東京UFJ銀行が国債プライマリーディーラー資格の返上を検討との報道を受け、需給面で将来的な懸念も浮上したが、5年債入札は強い結果となり、一時的に売っていた外国人の買い戻しも入っている」と説明。「円高・株安や米債高も追い風だ」と言い、「EU離脱をめぐる英国民投票が近づいている上、連邦公開市場委員会(FOMC)がどのくらいタカ派・ハト派的になるかも読めず、円高圧力が強まる中、今のレベル付近で堅調に推移するのではないか」とみる。

日銀買い入れオペ

  日銀が実施した今月4回目の長期国債の買い入れオペ(総額1.24兆円)の結果によると、残存期間「3年超5年以下」と「5年超10年以下」の応札倍率が前回から低下した。一方、「1年超3年以下」は上昇した。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「米、独、英など世界的に長期金利が下がっている流れで相場は強い。日銀の国債買い入れオペも5年超10年以下のゾーンが強かった。来週の日銀金融政策決定会合に向けて緩和期待が出てきており、在庫を売れない状況」と話した。

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