【コラム】ダイモン氏が「Brexit」に反対する理由-ギルバート

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英国の親欧州派は同国の欧州連合(EU)離脱、いわゆる「Brexit」の危険を英国民に理解させるため、先週JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)を動員した。

  なぜ英国人の説得に米国人のダイモン氏を駆り出したのか不思議に思った向きもあった。しかしその前に、なぜダイモン氏がわざわざ同社の英国拠点があるボーンマスまでやって来てオズボーン英財務相と一緒に演説してくれたのかという疑問がある。

  その理由はカネだ。S&Pグローバル・レーティングによれば、JPモルガンは英国で年80億ドル(約8500億円)近くを稼いでいる。ドイツの9200万ドルやフランスの4200万ドルとは比べものにならない。

  米投資銀行上位5行の合計では、英国で年間約270億ドルの収入を得ている。しかしこれらの収入を生み出す業務は、英国がEUを離脱すればロンドンから消えるばかりではなくパリやルクセンブルク、フランクフルトといった他の金融ハブに移っていく。ボーンマスで働く4000人の従業員に、荷物をまとめて家族と一緒にドイツやフランスに移住してもらうのはカネも時間も手間もかかる。

  そういうわけでダイモン氏は、英国内1万6000人のJPモルガン行員に対して警告した。今月の国民投票で離脱が選ばれれば、4分の1の職が失われる可能性があり、ユーロスターが発着するロンドンのセントパンクラス・インターナショナル駅で転勤バンカーと家族が引きずるスーツケースのキャスターの音が聞こえてくることになる、と。

原題:Jamie Dimon’s 8 Billion Reasons to Oppose Brexit: Mark Gilbert(抜粋)

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