債券上昇、予想上回る5年入札結果で-PD返上報道売りの反動との声

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  • 先物は17銭高の152円17銭で終了、長期金利マイナス0.125%に低下
  • 5年債入札結果:最低落札価格は予想を上回る、応札倍率上昇

債券相場は上昇。この日実施の5年債入札結果が市場予想を上回ったことが好感された。前日の大手銀行のプライマリーディーラー(PD)資格返上をめぐる報道を受けた売りが買い戻されたとの見方も出ていた。

  9日の長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比5銭高の152円05銭で取引を開始した。5年債入札の結果発表後に水準を切り上げ、一時は152円19銭まで上昇。結局は17銭高の152円17銭で引けた。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部商品課の鈴木秀雄課長は、「今日の相場は全体的にしっかり。30年債入札や5年債入札に対するヘッジ売りの巻き戻しや、昨日のプライマリーディーラー(PD)返上報道を受けてリスク量を落としていた向きの巻き戻しなどもあるだろう」と話した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の343回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低いマイナス0.12%で開始し、その後はマイナス0.125%に下げている。5年物の127回債利回りは0.5bp低いマイナス0.23%で始まり、午後はマイナス0.245%に水準を下げている。新発20年物の156回債利回りは0.5bp低い0.22%で開始後、0.215%に下げている。

  新発30年物の51回債利回りは0.5bp高い0.31%、新発40年物の9回債利回りは横ばいの0.35%でそれぞれ取引されている。

  三菱UFJ信託の鈴木氏は、「投資家にとっても需給環境が良い上、7月の日銀緩和期待が相応にある中で、ボラティリティが低くて損益がぶれにくいことからプラス金利のセクターを保有するにはちょうど良い環境になっていることもありそうだ。目先は20年債利回りで0.20%、30年債利回りで0.30%といった水準を意識しつつ、もみ合いとなりそうだ」と述べた。

  財務省が午後発表した表面利率0.1%の5年利付国債(128回債)の入札結果によると、平均落札利回りがマイナス0.232%、最高落札利回りがマイナス0.230%と、ともに過去最低を更新した。最低落札価格は101円67銭と予想を2銭上回った。小さければ好調なテール(平均と最低落札価格の差)は1銭と前回2銭から縮小。投資家需要を反映する応札倍率は4.66倍と、2014年8月以来の高水準となった。

  5年債入札について、ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは「無難に通過できた。三菱東京UFJ銀行のPD資格返上検討報道の影響はない。長期に考えれば違ってくるが、目先、抜けたからといって入札プレミアムが乗る状況ではない。10年以下のゾーンは100%近く日銀が買っている」と話した。

  三菱UFJ信託の鈴木氏は、「倍率も高く堅調な結果だった。投資対象としては難しいセクターではあるが、いずれ付利がマイナス0.3%まで下がるという期待があることや、今月の大量償還といった需給面の良さが支えている格好」と分析した。

先物限月交代

  先物6月物は13日に最終売買日を控え、中心限月交代に向けた取引が進展している。9月物の日中売買高は1兆7000億円程度に膨らんだ。実質的な取引状況を反映する建玉残高は8日現在で4兆3200億円程度と、6月物の4兆9800億円程度に迫っている。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、「先物が上昇して始まったのは米債高を受けた流れに加え、来週の限月交代に絡んだ売買の影響もある」と話した。「円高・株安は大きな要因にはなっていないが、日銀の決定会合に向けて持続すれば、追加緩和観測が高まっていく」との見方を示した。

  8日の米国債相場は上昇。米10年物国債利回りは前日比2bp低下の1.70%で引けた。米10年物国債入札が順調な結果となったことが買いを促した。間接入札者の落札全体に占める割合は73.6%と2003年以降で最高となり、落札利回りは入札前取引の水準を0.4bp下回った。

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