スズキ:チーム経営体制へ-燃費不正で会長がCEO辞任、副社長退任

更新日時

国の規定と異なる燃費測定方法があったスズキは、経営責任の明確化と再発防止策を国土交通省へ追加報告した。鈴木修会長は兼務している最高経営責任者(CEO)を辞任し、本田治副社長が退任する。今後の経営はチーム体制にする方針だ。

  8日の発表資料によると、経営責任明確化の役員異動は6月29日の株主総会後となる。2015年度の役員賞与については、代表取締役と取締役が辞退するほか、専務役員と常務役員が50%減額し、今年7月以降の役員報酬月額で、会長は40%減額を6カ月、社長が30%減額を6カ月などとした。関係者については、10年4月以降の四輪技術本部のカーラインと四輪エンジン第二設計部、技術管理本部法規認証部に関係した管理職を就業規則にのっとり処分する。

  再発防止策については、技術者教育・研修の強化で必要な研修を細かく設定して担当者の受講を必修化するなど、前回発表と比べて詳細を盛り込んだ。四輪技術本部の閉鎖的な体質解消では、技術者の人事交流を他部門も含めて促進することなどを図る。

  鈴木修会長は会見で、CEO辞任について「再発防止に向けどうやっていくのかの方策を指導していくのが私の責任。だから代表取締役会長にはとどまる」と述べ、「先頭に立つのは新しい人、私は補佐する役目」と話した。新しいCEOについては、取締役のうちから選ばれるだろうとし、今後は「チームとして頑張る」体制にしてほしいとも話した。

トップ判断は新CEO

  鈴木会長はまた、今後の人事について「合議制にしてチームで決め、最終的にはCEOが決断することになるだろう」と語った。トップの判断は新CEOが下すことになり、自らもその判断に従うことになるとし、今後の自分は渉外担当と話した。「1年でぱっと変わるのは非常に難しい」としながらも、「再発防止は必ず達成する」とした。本田副社長の退任に関しては「本人からの申し入れを受け入れた」と述べた。

  鈴木俊宏社長は具体的な再発防止策として、「国内、海外営業の壁をぶち破るなど、自動車業界の中小企業の在り方を探っていきたい」と話した。また、「下からの声が上がりやすいようにする必要がある」とも語った。業界再編に関しては「今回のことで再編が必要とは感じていない」と述べ、「駆動系など協力できるところから共同研究などでやれればと思っている」という。

  5月31日の発表資料によると、国の規定と異なる測定法による走行抵抗値を申請値に使用したのは、現行生産16車種のうちで「ジムニー」など3車種を除く13車種と、14年11月に生産終了の「アルトエコ」、相手先ブランドでの生産(OEM)の12車種で合計26車種となった。

  この問題では、車両開発のため風洞試験室で測定した空気抵抗、タイヤ転がり抵抗、ブレーキ引きずり抵抗、ホイールベアリング回転抵抗などの測定からなる転がり抵抗を積み上げることで、車両全体の走行抵抗を求めていた。その上で、車種ごとに惰行法で測定した測定日、大気圧、天候、気温などを測定結果として、装置ごとなどの積み上げによる走行抵抗の測定値と惰行時間とのつじつまが合うよう記録し、惰行法により測定したものとして提出していた。

  自動車の燃費試験をめぐっては、三菱自動車が軽自動車4車種で燃費試験データを良く見せるため意図的に操作する不正があったと発表したほか、1991年から国内の法規定と異なる方式で測定していたことも明らかにしていた。国内では走行抵抗の測定法に関して91年に惰行法と呼ばれる方法が指定されたが、三菱自は当初から高速惰行法で計測していた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE