夢から覚めて現実的になった個人投資家-中国本土株のピークから1年

  • 「損失を出さなければ勝ちだと今は考えるようになった」と投資家
  • 企業にとってエクイティファイナンスが難しくなっている

中国株式市場で稼いで金持ちになりたかったファン・タオさんの夢は絶たれた。これまでの投資がここ1年で半減してしまったためだ。今は元を取り戻すだけでいいと感じている。

  上海総合指数が昨年6月にピークを付けて以降、上海の衣料品会社に勤める28歳のタオさんは株式への投資配分を15%も減らした。中国共産党が市場を支える取り組みを続けているものの、同指数が近いうちに高値に戻る兆候は見えない。「一番大きく変わったのは心構えだ。損失を出さなければ勝ちだと今は考えるようになった」と話す。

  中国本土株の時価総額が2015年に5兆ドル(約535兆円)吹き飛んだことで、1億600万人の個人投資家は夢から覚めた。前回の株式ブームでの株価ピークは今から1年前だった。現実的なリターン期待は、投機中心の市場として悪名高い中国株式市場の健全性を向上させるが、マイナス面もある。企業にとっては株式市場を通じた資金調達が難しくなりそうだ。

  瑞東金融市場の中国担当チーフエコノミスト、スティーブ・ワン氏(香港在勤)は「株価急落後、永遠に株価上昇が続くことはないと人々が認識した」と述べる。その上で、エクイティファイナンスのための力強い市場を生み出すことは「政府にとって大きなチャレンジ」だと指摘、「新規株式公開(IPO)活動と株式市場を介した直接金融は減っている」と説明する。

  上海と深圳の証券取引所での取引の80%余りが個人投資家によるもの。米国での個人の割合は約15%だ。中国株式市場では個人投資家の影響力が際立っている。

原題:Chinese Dream of Instant Stock-Market Riches Faces Harsh Reality(抜粋)

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