ドル・円下落、米利上げ観測後退で一時106円台-株堅調で午後下げ渋り

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  • 107円台前半から一時106円72銭と2日ぶりの安値付ける場面も
  • 6日安値106円38銭や105円後半への下値リスクがありそう-BofA

8日の東京外国為替市場ではドル・円相場が下落。米早期利上げ観測の後退を背景にドル売り・円買いが先行し、一時は1ドル=107円台を割り込んだ。

  ドル・円は107円台前半から一時106円72銭と2日ぶりの水準まで下落。午後は日本株が上昇転換したのに伴い下げ渋ったが、戻りは鈍く、3時50分現在は107円10銭前後となっている。

  バンク・オブ・アメリカ・エヌ・エイ外国為替本部の岩崎拓也営業本部長は、昨日からの流れはドル安で、米金融当局の利上げに対する慎重姿勢や日銀の追加緩和への期待感が低いことを受けたドル・円の下値リスクや「Brexit(英国の欧州連合離脱)に関する不透明感が高いことなどからリスクポジティブになれず、円買いバイアスが強まっている」と説明。ドル・円は6月6日安値の106円38銭や105円後半への下値リスクがありそうと語った。

  ユーロ・円相場は1ユーロ=122円ちょうど付近から一時121円34銭まで円買いが進み、同時刻現在は121円73銭前後。ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.13ドル台後半と、週初に付けた約1カ月ぶりドル安値付近での推移が続いた。

  8日の東京株式相場は小幅続伸して始まった後、早々にマイナスに転じたが、午後は一転して上げ幅を拡大する展開となった。原油高や米国株の堅調推移に加え、予想以上に改善した中国の輸入統計が好感された。 

  バークレイズ銀行の門田真一郎為替ストラテジストは、米国では金利が低下し、株が上がってドルが下がるという「典型的なハト派的なFRB(米連邦準備制度理事会)を織り込むような相場」になっているが、株高で多少ドル・円は支えられる部分はあっても「利上げ観測の後退ということでなかなか上値は限定されやすい」と話した。

  朝方発表された日本の1-3月の実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率1.9%増と速報値(1.7%増)から上方修正され、市場予想と一致した。4月の経常収支は22カ月連続の黒字となったが、黒字幅は1兆8785億円と市場予想(2兆3030億円)を下回った。

静かな円高圧力

  三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の三菱東京UFJ銀行は、国債市場特別参加者(プライマリーディーラー、PD)の資格返上を検討している。国債の安定消化を進める上で、重要な役割を果たしてきたPD制度からの離脱の動きは、国内金融機関では初めて。同行広報の高原一暢氏は、同資格返上について「検討はしているが、決定した事実はない」と述べた。

  バンク・オブ・アメリカの岩崎氏は、一部邦銀のPD資格返上報道は国債市場にとって需給的なインパクトは薄いかもしれないが、「シンボリックな変化として無視できない」と指摘。「特に日銀の金融政策の限界が意識されやすくなり、直接的ではないものの、静かな円高圧力となるリスクがある」と語った。

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