ドイツ銀、今年最大の独企業案件で助言や融資の役割逃す

  • 独バイエルの米モンサント買収提案でドイツ銀は助言や融資を行わず
  • 独企業関連のM&A助言ランキングでドイツ銀は6位に転落

伝統的にドイツで頼りにされる金融機関とされてきたドイツ銀行が、今年最大の企業買収案件に珍しく関与していない。

  事情に詳しい複数の関係者によると、ドイツ銀は独バイエルによる620億ドル(約6兆7000億円)の米モンサント買収提案への助言や融資の役割を見逃し、世界の農薬・種子業界における過去最大級の再編でこれまで静観している化学大手BASFのアドバイザーになることを選んだという。

  関係者によれば、バイエルの本社で金融機関十数社余りが融資を売り込んだが、ドイツ銀は顧客が対立する可能性を理由に他行の動きに追随しなかった。バイエルは結局、主要アドバイザーであるバンク・オブ・アメリカ(BofA)とクレディ・スイス・グループに加え、ゴールドマン・サックス・グループとHSBCホールディングス、JPモルガン・チェースを加えた5行から計630億ドルの短期融資を確保した。

ドイツ銀行本店

Photographer: Jasper Juinen/Bloomberg

  ドイツ銀のジョン・クライアン最高経営責任者(CEO)は投資銀行を縮小し人員整理を進めながら競争上の優位を維持する課題に直面している。クライアンCEOは昨年10月の戦略見直しで経営上層部を刷新し、証券部門をトレーディング部門と株・債券発行や合併に関する助言業務を手掛ける部門に分割していた。

  アトランティック・エクイティズのアナリスト、クリストファー・ウィーラー氏は「極めて残念なタイミングだ。非常に名高い案件で負けることになる。リーグテーブルでは非常に栄誉ある案件で、恐らくかなり良い手数料のはずだ」と語った。

  ドイツ銀とバイエルの広報担当はコメントを控えた。
  
  ブルームバーグの集計データによれば、ドイツ銀はバイエルの案件に関与しないため、独企業の合併・買収(M&A)アドバイザーランキングで首位から転落し、今年これまでには6位と、2012年以来の低迷となっている。

原題:Deutsche Bank Is Only Thing Missing From Germany’s Biggest Deal(抜粋)

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