6月6日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル3週ぶり安値、イエレン議長は利上げ時期特定せず

6日のニューヨーク外国為替市場でドルは3週ぶり安値をつけた。 イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は緩やかな追加利上げが 適切になるとの認識を示したものの、利上げの具体的なタイミングには 触れなかった。

ブルームバーグ・ドル・スポット指数はもみ合い。先週は米雇用者 数の伸びが約6年ぶり低水準にとどまったことに反応して下げた。イエ レン議長は6日にフィラデルフィアで講演。経済見通しについて「4つ の不確実な分野」を注視していると発言した。

アバディーン・アセット・マネジメントのシニアポートフォリオマ ネジャー、リン・チェン氏は「イエレン議長の発言は市場参加者が予想 していたより、わずかにタカ派的ではないと受け止められた」と述べ、 「議長はタイミングや事前に設定されたコースについて言及しなかっ た。それが市場にはハト派的な印象を与えたのだろう」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ブルームバーグ・ドル・スポット 指数はほぼ変わらず。一時は5月11日以来の低水準をつけた。3日に は1.5%低下と、2月3日以来で最も下げた。

ドルは対ユーロでほぼ変わらずの1ユーロ=1.1355ドル。対円では 1%上げて1ドル=107円56銭。

この日のイエレン議長の講演は前回に比べ、利上げ時期についての 具体性で劣っていた。議長は5月27日には、米経済の改善が続いており 「今後数カ月のうちに」追加利上げが正当化されるとの認識を示してい た。

CIBCの外為戦略担当エグゼクティブディレクター、バイパン・ ライ氏は「市場はいくらか懐疑的になっている。もしくはイエレン議長 の講演自体に、ドルの楽観を抑え込む不透明感が十分にあった」と述べ る。

今月14ー15日の連邦公開市場委員会(FOMC)で金利が引き上げ られる確率は、2%しか先物市場に織り込まれていない。

ブルームバーグがまとめたアナリスト予想によると、ドルは年末ま でに対ユーロで1ユーロ=1.10ドル、対円で1ドル=115円に上昇する と見込まれている。

アクサ・インベストメント・マネジメントのシニアエコノミスト、 デービッド・ ページ氏は昨年のような上昇ペースは見られないだろう が今年もドルには「ある程度上昇圧力がみられる」と指摘した。

原題:Dollar Touches 3-Week Low as Yellen Keeps Quiet on Fed’s Timing(抜粋)

◎米国株:上昇、S&P500は7カ月ぶり高値回復-FRB議長発言で

6日の米株式相場は上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエ レン議長が、雇用の伸び減速の兆候が最近示されたものの、経済にはな お緩やかな利上げを乗り切るだけの力強さがあるとのシグナルを発した ことが手掛かり。S&P500種株価指数は7カ月ぶり高値を回復した。

2010年以来の低水準となった5月の雇用の伸びを市場は受け流し、 ドル下落や米国債利回りの上昇によるプラス面に目を向けた。大きく下 げていた銀行株は反発。また原油価格の上昇を手掛かりにハリバートン がほぼ1年ぶりの高値となったほか、トランスオーシャンは15%近く上 昇した。

S&P500種株価指数は前週末比0.5%高の2109.35で終了。これは 1年前に付けた最高値まであと1%の水準。ダウ工業株30種平均 は0.6%高の17920.33ドル。ナスダック総合指数は0.5%上昇した。

ウェルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメントのチーフ・ポートフ ォリオ・ストラテジスト、ブライアン・ジェーコブセン氏は「金融当局 は直近の雇用統計が軌道からの一時的な逸脱なのか、それとも新たなト レンドの始まりなのかを判断しようと、少なくとももう一つ雇用の統計 を確認したい考えだろう」とし、「イエレン議長は非常に楽観的なよう だ。また見通しに対するリスクを説明したのは好ましいことだ。ただ利 上げが7月なのか、9月なのか、不透明感はこれ以上払拭されていな い」と続けた。

イエレン議長はこの日、フィラデルフィアでの講演で、5月の雇用 者数の伸びについて「期待に及ばなかった」とした一方、雇用統計で見 られた明るい要素の一つとして平均時給の増加を挙げた。議長は雇用の 伸びとインフレ率上昇を支える前向きな力が後ろ向きな展開に勝る可能 性は依然高く、緩やかな追加利上げが適切になるとの認識を示した。た だ利上げの具体的なタイミングには触れなかった。

3日に大きく下げた銀行株は回復。3日には米国債利回りが大幅に 低下し、低い金利は銀行の利益率に引き続き重しになるとの懸念が広が っていた。

この日のイエレン議長の講演は、今月の連邦公開市場委員会 (FOMC)会合の前に予定された金融当局者の発言としては最後とな る。ボストン連銀のローゼングレン総裁はこの日ヘルシンキで、米経済 状況は今後も改善が続き、追加利上げが適切となるだろうとの見方を示 した。同時に、5月の雇用統計の弱い数字が一時的なぶれかどうか見極 めるのが重要だとも指摘した。

またアトランタ連銀のロックハート総裁はブルームバーグテレビジ ョンのインタビューで、労働市場の減速と英国の欧州連合(EU)離脱 (Brexit)の賛否を問う国民投票を理由に、FOMCは利上げの 検討を少なくとも来月まで待つべきだとの考えを示した。

先物市場に織り込まれる6月の利上げ確率は2%、7月の確率は 約22%となっている。3日の雇用統計発表前ではそれぞれ22%、55%だ った。利上げ確率が50%を超えるのは12月になってからだ。

RBCキャピタル・マーケッツの米市場担当チーフストラテジス ト、ジョナサン・ゴラブ氏は「これまでで最もさえない景気サイクル だ」と指摘。ただ米国株への強気姿勢は維持すると発言。「5月の雇用 統計は弱かったが、単一の統計にすぎない。状況は順調というのが市場 の全般的な見方だ」と語った。

S&P500種の業種別10指数では8指数が上昇。エネルギー株指数 は2%上げて5週ぶり高値となった。このほか素材や資本財・サービ ス、金融株も上昇した。

原題:U.S. Stocks Rally, S&P 500 Regains Seven-Month High After Yellen(抜粋)

◎米国債:反落、FRB議長は緩やかな利上げ見込むと発言

6日の米国債市場では10年債が5営業日ぶりに下落。米連邦準備制 度理事会(FRB)のイエレン議長は米経済の前向きな力が後ろ向きな 展開に勝る可能性は依然高く、緩やかな追加利上げが適切になるとの認 識を示した。

10年債利回りは3週間ぶり低水準から上昇した。イエレン議長はフ ィラデルフィアで講演し、金利は「時間をかけて緩やかに上昇しなくて はならないだろう」と発言した。3日の市場では2年債利回りが昨年9 月以来の大幅な低下となった。5月の雇用者数がほぼ6年ぶりの低い伸 びとなったため、6月や7月の利上げ観測が大幅に後退し、買いが膨ら んだ。

イエレン議長は5月27日に「今後数カ月のうちに」追加利上げが適 切になる可能性が高いと発言していたが、この日の講演原稿には同様の 発言は含まれていなかった。

BNPパリバの米金利戦略ディレクター、ティム・ハイ氏は「講演 で最も重要な部分は、データ次第であることと引き締めペースを説明す る上で、『今後数カ月のうちに』という文言を使わなかったことだ。当 局は私と同じように、引き締めは先送りせざるを得ないと判断している ようだ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨ ーク時間午後5時現在、10年債利回りは前営業日比4ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の1.74%。同年債(表面利率1.625%、 償還2026年5月)価格は98 31/32。利回りは前週末に10bpと、2月2 日以来の大幅低下を記録していた。

金利先物市場では6月14ー15日の連邦公開市場委員会(FOMC) 会合での利上げ確率が2%。7月までの確率は22%として織り込まれて いる。5月27日の時点ではそれぞれ30%と54%だった。年内で確率 が50%を上回るのは12月のFOMC会合のみ。

イエレン議長は5月の雇用者数の伸びについて「期待に及ばなかっ た」とした一方、雇用統計で見られた明るい要素の一つとして平均時給 の増加を挙げた。

ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コ ミスキー氏は「議長は3日の雇用統計がさほど重要ではないことを示 し、経済はなお順調に推移しているというマクロ経済に視点を向けよう としている。利上げは緩やかながら続くというのが議長の考えだ。市場 の反応はかなり限定的で、利回り曲線は3日の動きを部分的に引き返す 格好となった」と話した。

原題:Treasuries Remain Lower as Yellen Sees Gradual Rate Increases(抜粋)

◎NY金:続伸、米利上げ先送り観測-イエレン議長は時期に触れず

6日のニューヨーク金先物相場は上昇し、ほぼ3週間ぶりの続伸と なった。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演につい て、市場は最初タカ派的だと捉えたが、これを見直す動きが広がった。

TDセキュリティーズ(トロント)の商品戦略責任者、バート・メ レク氏は電話インタビューで、「イエレン議長は米金融当局がどこかの 時点で引き締めると述べたが、それが7月だと明言するにはまったく至 らなかった」と指摘。「市場に関する限り引き締めはリスクだが、議長 はそれが直ちに起きるとの確信を市場に与えなかった」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は前週末 比0.4%高の1オンス=1247.40ドルで終了。今年の上昇率は18%となっ た。

銀先物も上昇。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のパラジウ ムとプラチナも値上がり。

原題:Gold Futures Rise as Bets Mount That Fed Will Delay Rate Rise(抜粋)

◎NY原油:10カ月ぶり高値に反発、需給改善への期待広がる

6日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が大幅反発し、約10カ月ぶり高値で引け た。世界的な供給超過の解消に向けた期待が広がった。米利上げ先送り 観測がドル先安観につながり、ドル建てで取引される商品の妙味が高ま った。イタリアのENIはナイジェリアの設備が武装勢力に攻撃され、 日量6万5000バレルの原油生産を停止したと発表した。

みずほセキュリティーズUSA(ニューヨーク)の先物部門ディレ クター、ボブ・ヨーガー氏は「先週金曜日に出た雇用統計への反応がま だ終わっていない」と指摘。「きょうのドルはあまり動いていないが、 まだ底入れはしていないと思う。ENIがナイジェリアで抱える問題 も、原油価格に上向きの圧力を高めている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前営 業日比1.07ドル(2.20%)高い1バレル=49.69ドルで終了。昨年7 月21日以来の高値。ロンドンICEの北海ブレント8月限は91セント (1.8%)上昇の50.55ドル。

原題:Crude Oil Closes at Ten-Month High as Market Seen Rebalancing(抜粋)

◎欧州株:上昇、英国株が高い-商品高で鉱業株や石油・ガス株に買い

6日の欧州株式相場は反発。指標のストックス欧州600指数は先 週、週間ベースで1カ月ぶりの値下がりとなっていた。商品高を背景に 石油・ガス株や鉱業株が買われた。英国株の上げも目立った。

英豪系のリオ・ティントとBHPビリトンを中心に鉱業株が買わ れ、ストックス600指数の業種別19指数の中で上昇率首位となった。石 油・ガス株では英BPが2.8%上昇。アブダビのマンスーリ経済開発庁 長官が原油価格は年内に1バレル=60ドルに上昇する可能性があるとの 見方を示し、原油相場が上昇したことが手掛かり。

一方、仏蘭系航空会社エールフランス・KLMグループが5.4%下 げるなど、旅行関連銘柄が大きく下げた。バークレイズが航空株の目標 株価を引き下げたことが嫌気された。

ストックス600指数は前週末比0.3%高の342.41で引けた。英 FTSE指数は1%高と、西欧の主要株価指数の中で上昇率が最も大き かった。英国の欧州連合(EU)残留・離脱の是非を問う国民投票まで 3週間足らずとなる中、離脱派の優勢を示す世論調査が公表され、ポン ドが下落。鉱業株の上昇も指数を押し上げた。

ランプ・アセット・マネジメント(デュッセルドルフ)で3億ユー ロ相当の資産運用に携わるミヒャエル・ボイシュネック氏は「石油と商 品銘柄が再び好調で、株式への追い風となった。だが、英国民投票が近 づくにつれ極めて値動きの荒い週となるだろう」と発言。さらに「3日 の米雇用統計で利上げがないとの認識が広がった。とは言え長期的なト レンドを無視するべきではなく、個人的には気にしていない」と付け加 えた。

原題:Europe Stocks Advance as Miners, Oil Shares Climb on Price Gains(抜粋)

◎欧州債:スペイン債下落、独債とのスプレッド拡大-総選挙など控え

6日の欧州債市場ではユーロ圏の高債務国の国債が下落し、ドイツ 国債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)が拡大した。今月は23日に 英国の欧州連合(EU)残留・離脱の是非を問う国民投票、26日にスペ イン総選挙が控えていることが意識された。

スペイン10年債は3営業日ぶりに値下がりし、ドイツ国債に対する スプレッドはここ3週間の最大に広がった。イタリアとポルトガルの国 債も下げた。最近公表された2つの世論調査で、英国民投票で離脱賛成 に投票するとの回答がいずれも残留支持を上回った。

DZ銀行(フランクフルト)の債券ストラテジスト、クリスティア ン・レンク氏は英国民投票とスペイン総選挙が迫りつつあるこうした状 況が「総じて市場の緊張感をやや高めている」と指摘。「これがユーロ 圏の信用力が高い国の国債を後押ししている。こうした状況は向こう数 日から数週間にかけて続く公算がかなり大きい」と語った。

ロンドン時間午後4時7分現在、スペイン10年債利回りは前週末比 6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.53%。3日まで の2営業日で3bp下げていた。同国債(表面利率1.95%、2026年4月 償還)価格はこの日、0.57下げ103.83。イタリアの2026年6月償還債の 利回りは6bp上げ1.48%。

欧州債の指標とされるドイツ10年債利回りは1bp上昇の0.08%。 3日には0.065%まで下げ、2015年4月以来の低水準を付けた。スペイ ン国債とのスプレッドは一時145bpと、先月17日以来の大きさに膨ら んだ。

原題:Spanish Bonds Drop With Italy’s as Elections, Brexit Vote Loom(抜粋)

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