米国株:上昇、S&P500は7カ月ぶり高値回復-FRB議長発言で

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6日の米株式相場は上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が、雇用の伸び減速の兆候が最近示されたものの、経済にはなお緩やかな利上げを乗り切るだけの力強さがあるとのシグナルを発したことが手掛かり。S&P500種株価指数は7カ月ぶり高値を回復した。

  2010年以来の低水準となった5月の雇用の伸びを市場は受け流し、ドル下落や米国債利回りの上昇によるプラス面に目を向けた。大きく下げていた銀行株は反発。また原油価格の上昇を手掛かりにハリバートンがほぼ1年ぶりの高値となったほか、トランスオーシャンは15%近く上昇した。

  S&P500種株価指数は前週末比0.5%高の2109.35で終了。これは1年前に付けた最高値まであと1%の水準。ダウ工業株30種平均は0.6%高の17920.33ドル。ナスダック総合指数は0.5%上昇した。

ニューヨーク証券取引所のトレーダー

Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

  ウェルズ・ファーゴ・ファンズ・マネジメントのチーフ・ポートフォリオ・ストラテジスト、ブライアン・ジェーコブセン氏は「金融当局は直近の雇用統計が軌道からの一時的な逸脱なのか、それとも新たなトレンドの始まりなのかを判断しようと、少なくとももう一つ雇用の統計を確認したい考えだろう」とし、「イエレン議長は非常に楽観的なようだ。また見通しに対するリスクを説明したのは好ましいことだ。ただ利上げが7月なのか、9月なのか、不透明感はこれ以上払拭されていない」と続けた。

  イエレン議長はこの日、フィラデルフィアでの講演で、5月の雇用者数の伸びについて「期待に及ばなかった」とした一方、雇用統計で見られた明るい要素の一つとして平均時給の増加を挙げた。議長は雇用の伸びとインフレ率上昇を支える前向きな力が後ろ向きな展開に勝る可能性は依然高く、緩やかな追加利上げが適切になるとの認識を示した。ただ利上げの具体的なタイミングには触れなかった。

  3日に大きく下げた銀行株は回復。3日には米国債利回りが大幅に低下し、低い金利は銀行の利益率に引き続き重しになるとの懸念が広がっていた。

  この日のイエレン議長の講演は、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合の前に予定された金融当局者の発言としては最後となる。ボストン連銀のローゼングレン総裁はこの日ヘルシンキで、米経済状況は今後も改善が続き、追加利上げが適切となるだろうとの見方を示した。同時に、5月の雇用統計の弱い数字が一時的なぶれかどうか見極めるのが重要だとも指摘した。

  またアトランタ連銀のロックハート総裁はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、労働市場の減速と英国の欧州連合(EU)離脱(Brexit)の賛否を問う国民投票を理由に、FOMCは利上げの検討を少なくとも来月まで待つべきだとの考えを示した。

  先物市場に織り込まれる6月の利上げ確率は2%、7月の確率は約22%となっている。3日の雇用統計発表前ではそれぞれ22%、55%だった。利上げ確率が50%を超えるのは12月になってからだ。

  RBCキャピタル・マーケッツの米市場担当チーフストラテジスト、ジョナサン・ゴラブ氏は「これまでで最もさえない景気サイクルだ」と指摘。ただ米国株への強気姿勢は維持すると発言。「5月の雇用統計は弱かったが、単一の統計にすぎない。状況は順調というのが市場の全般的な見方だ」と語った。

  S&P500種の業種別10指数では8指数が上昇。エネルギー株指数は2%上げて5週ぶり高値となった。このほか素材や資本財・サービス、金融株も上昇した。

原題:U.S. Stocks Rally, S&P 500 Regains Seven-Month High After Yellen(抜粋)

(第5段落以降を追加し、更新します.)
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