債券下落、海外金利上昇が重し-30年入札順調も相場押し上げにならず

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  • 先物は1銭安の152円16銭で終了、長期金利はマイナス0.12%に上昇
  • 30年入札結果:最低落札価格は予想上回る、応札倍率は上昇

債券相場は下落。前日の米国債相場が高値警戒感などから反落した流れを引き継ぎ、売りが先行した。この日実施の30年債入札が順調な結果となり、20年や30年ゾーンには買いが入ったものの、先物や長期債など相場全体を押し上げる要因とはならなかった。

  7日の長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比1銭高の152円18銭で取引を開始し、その後は横ばい圏でもみ合い。午後に入って、30年債入札結果の発表後には一時5銭安の152円12銭まで下落した。結局は1銭安の152円16銭で終えた。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「30年債入札は予想外に強い結果だった。大量償還を控えた中での新発債ということで、利回り水準関係なく需要があったということだろう」と話した。相場上昇が鈍いことについては、「入札結果直後に先物が一時的に売られたところを見ると、入札は業者中心だったのだろう。超長期ゾーンは今月、日銀の買い入れ額が減額されたものの、償還見合いで在庫を持てるということなのだろう」と説明した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の343回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.12%で開始し、その後も同水準で推移した。

  新発20年物の156回債利回りは0.5bp高い0.23%で開始。入札後は水準を切り下げ、0.22%と5月9日に付けた過去最低に並んでいる。30年物の50回債利回りは横ばいの0.295%で取引後、入札後は0.275%まで下げた。この日に入札された30年物の51回債利回りは0.32%で開始後、0.305%まで買われ、平均落札利回りの0.314%を下回っている。

  メリルリンチ日本証の大崎氏は、「今日は全般的に流動性が薄い中で、海外金利の上昇を受けて市場は重い感じだが、20年債利回りに関しては入札の好結果や償還控えた需給逼迫(ひっぱく)期待とプラス利回り追求の動きで過去最低値に並んだとみられる」と述べた。

30年債入札結果

  財務省が午後発表した表面利率0.3%の30年利付国債(51回債)の入札結果によると、平均落札利回りが 0.314%、最高落札利回りが0.32%と、ともに過去最低を更新した。一方、最低落札価格は99円45銭と予想を15銭上回った。小さければ好調なテール(平均と最低落札価格の差)は14銭と前回の40銭から縮小。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.42倍と、昨年7月以来の低水準だった前回の3.01倍から上昇した。

  三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループヘッドは、30年債入札結果について、「好調だった。事前の準備や絶対水準的に警戒感があったものの、堅調な需要が入った。プラス利回りへの需要があったのだろう」と分析した。ただ、「好調な入札となったものの、全体の相場は盛り上がらない状況。米雇用統計は特殊要因があるので、利上げできないわけではない。まだ米経済の腰折れを前提に動いているわけではない」と話した。

  6日の米債相場は5営業日ぶりに反落。米10年物国債利回りは前週末比4bp高い1.74%程度で引けた。相場上昇が続いた反動で、売りが優勢となった。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は6日の講演で、米経済の前向きな力が後ろ向きな展開に勝る可能性は依然高く、緩やかな追加利上げが適切になるとの認識を示した。もっとも、議長発言内容の相場への影響は限定的だった。

  BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジストは、「米国債は雇用統計後の相場上昇が大きかった。まだ利上げを見込む向きは7月利上げに期待をつないでいる半面、もう年内はないとの見方もある。米国でも入札を控え、直近の上値を抜けようとすると重くなり、金利低下に歯止めが掛かる状況だ」と話した。

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