日本株反落、米雇用低調と円高で金融中心売り-イエレン議長講演待つ

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6日の東京株式相場は反落。雇用統計の下振れで米国景気の先行き不透明感が広がり、為替の円高進行も嫌気された。業種別下落率トップの証券をはじめ、銀行や保険など金融株中心に輸送用機器、機械など輸出株、海外原油安を受けた鉱業株が安い。

  TOPIXの終値は前週末比4.80ポイント(0.4%)安の1332.43、日経平均株価は62円20銭(0.4%)安の1万6580円3銭。

  新光投信の宮部大介ストラテジストは、「米雇用者数の伸びは悪かった。FRBが利上げはデータ次第と言っている以上、市場も揺れた」と指摘。ただし、天候による建設業への影響や季節調整の癖なども考えると、雇用者の悪さは一時的な可能性もあるとし、「朝方は売ったものの、市場の関心の的は利上げ時期。今晩のイエレン議長講演でFRBがどんな判断をするのか探ろうとし、ポジションを一方向に傾けづらい」とも話した。

  米労働省が3日に発表した雇用統計によると、5月の非農業部門雇用者数は前月比3万8000人の増加。増加幅は2010年9月以来で最少で、エコノミスト予想の中央値16万人増やレンジ下限の9万人増も下回った。米通信会社のベライゾン・コミュニケーションズで約3万5100人が関わったストライキも影響した。前月の雇用者数も16万人増から12万3000人増へ下方修正。

  雇用統計の低調から、早ければ6月にも政策金利が引き上げられるとの期待が後退、3日のニューヨーク為替市場ではドルが下落した。金利先物が織り込む6月利上げの確率は雇用統計発表前の22%から4%へ急低下。7月利上げの確率は27%、年末までが57%となっている。きょうのドル・円は、早朝に一時1ドル=106円30銭台と5月4日以来、1カ月ぶりの円高水準に振れた。米時間6日には連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の講演を控える。

  岡三証券投資戦略部の小川佳紀シニアストラテジストは、「米景気は足踏み状態。この1-2週間は米国が利上げしても景気は底堅いとの楽観論があったが、実際の景気とマーケットとのギャップは広がっていた」と指摘。ドル安の流れとリスクオフの強まりが重なれば、「もう一段の円高を警戒しなければならない。場合によっては105円台もあり得る」と言う。

  業種別では証券や保険、銀行など金融株の下げが顕著だった。前週末の米国では金利が低下する中、銀行や保険株が売られた。証券株について野村証券の尾畑秀一マーケットエコノミストは、円高・株安が株式売買の水準に悪影響を与えるほか、円高は個人の海外向け投資にもネガティブインパクトを与えると指摘。さらに、保険株は米金利低下を背景に、「日本でもイールドカーブがフラットになれば、安定リターンが出なくなる」との認識を示した。

  もっとも、日経平均は朝方に319円安まで売られたものの、午後にかけ下げ幅を縮小。早朝に比べると、為替の円高の勢いも一服した。前週末の米国株式、債券市場は比較的落ち着いていた上、為替について新光投信の宮部氏は、投機筋の円買いポジションが縮小していたため、円を買いたい向きが多いという需給的要素に言及していた。

  また、野村証の尾畑氏は「米経済は1ー3月までは弱かったが、4-6月は持ち直してきている。遅行指標の雇用統計は今まで成長が弱かった分が5月に反映されてきたが、雇用者増加数は1桁台が続くとみるのはやり過ぎ。今後は10万ー15万人のペースで推移していくとみるのが妥当」としている。

  東証1部33業種は証券・商品先物取引、鉱業、保険、銀行、その他金融、機械、建設、輸送用機器、金属製品など24業種が下落。鉄鋼や電気・ガス、陸運、非鉄金属、情報・通信、食料品など9業種は上昇。東証1部の売買高は18億7087万株、売買代金は1兆8267億円、上昇銘柄数は595、下落は1233。

  売買代金上位ではトヨタ自動車や三菱UFJフィナンシャル・グループ、ペプチドリーム、富士重工業、マツダ、野村ホールディングス、日産自動車、三菱電機、ヤマハ発動機が安く、クレディ・スイス証券が投資判断を弱気に下げた鹿島も売られた。半面、JTや日本エンタープライズ、明治ホールディングス、双日は上げ、スマートフォン向け新作ゲームを3日に配信開始したコロプラも高い。

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