債券上昇、雇用統計受けた米金利低下で買い優勢-入札控え上値限定的

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  • 先物は18銭高の152円17銭で終了、長期金利マイナス0.125%に低下
  • 上値追いづらく、米金利低下の割に円債は静か-バークレイズ証

債券相場は上昇。市場予想を下回る米国雇用統計を受けて早期利上げ観測が後退し、前週末の米債相場が大幅上昇した流れを引き継ぎ、買いが先行した。半面、7日に30年債入札を控えて上値を買い進む動きは限定的との見方が出ていた。

  6日の長期国債先物市場で中心限月6月物は、前週末比18銭高の152円17銭で取引を開始した。一時152円21銭と前週末の夜間取引で付けた高値に並び、中心限月の日中取引ベースで3月9日以来の水準に上昇した。その後は152円18銭前後でのもみ合いとなり、結局は寄り付きと同水準の152円17銭で引けた。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「低調な米雇用統計を受け、米金利低下・円高・株安と外部環境は全てフォローだ」と指摘。ただ、「利回りがすでに非常に低い中で30年債入札を控えているので上値を追いづらく、米金利低下の割には円債は静かな展開だが、地合いは非常に良い」と話した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の343回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値より1.5ベーシスポイント(bp)低いマイナス0.12%で開始し、午後遅くにマイナス0.125%を付けた。新発20年物の156回債利回りは1bp低い0.235%で開始し、0.23%と5月9日以来の低水準を付けた。新発30年物の50回債利回りは0.5bp低い0.305%で始まり、その後は1週間ぶり水準の0.295%に下げた。

  三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、「4月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録以降、米利上げに関して6、7月の可能性が高いとの見方になっていたが、5月の雇用統計を受けて元に戻った」と指摘。「米利上げのタイミングは1回あっても年末寄りとみている。場合によっては、年内に米利上げなしとの見方になっている」と述べた。

  3日の米債相場は大幅高。米10年物国債利回りは前日比10bp低い1.70%程度で引けた。5月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比3万8000人増加した。2010年9月以来の低い伸びで3月や4月分は下方修正された。米連邦準備制度理事会(FRB)が今夏の利上げに動きにくくなるとの見方が強まり、債券買いが優勢だった。外国為替市場では円買い・ドル売りの動きが強まり、一時1ドル=106円台まで円高・ドル安が進んだ。

  バークレイズ証の押久保氏は、「円高を受けて日銀が今月に追加緩和するとの観測が盛り上がりやすく、米利上げは6月がないだけでなく、7月も不透明になってきたため、海外金利は低位安定しやすい。今月は国債の大量償還があるので、月の後半にかけて需給逼迫(ひっぱく)が意識されやすい」と話した。「欧州連合(EU)離脱をめぐる英国民投票で離脱派が優位との一部報道も、世界的なリスク回避志向を高めている。円債を買いやすい環境が当面続きそうだ」と言う。

30年債入札

  財務省は7日午前、30年物利付国債の価格競争入札を実施する。前回債より償還が3カ月延びて51回債となる。表面利率は前回債の0.8%から0.3%と過去最低に低下する見込み。発行額は8000億円程度となる。

  三井住友銀の宇野氏は、30年債入札について、「超長期債利回りはマイナス化していない。プラス金利の年限には買い意欲が強まる感じなので、特に問題はないだろう」と述べた。 

  野村証券の金子泰啓リサーチアナリストは、「最近2回の30年入札は不調で、テール(平均と最低落札価格の差)が高水準。今回は米雇用統計の悪化を受けて高値入札となってしまいそうだ。テールを狙うか、入札後に調整したら押し目買いできるよう、余力を残しておきたい」と指摘した。

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