米国株(3日):S&P500種は下げ渋る、銀行・保険株に売り集中

更新日時
  • 低金利長期化の観測、金融機関の利益見通し後退
  • ドル下落を背景に、素材や生活必需品株は上昇

3日の米国株式相場は下げをほぼ埋めた。一方、雇用の伸び減速で、金融当局は政策金利の据え置きを強いられるとの観測が広がり、金融株が2年に及ぶ低迷から抜け出せるとの期待に水を差した。

  S&P500種株価指数の金融株指数は1.4%下落。早ければ今夏の金融政策引き締めで銀行や保険会社の業績見通しが強まると、投資家らは期待していた。

  低金利長期化の見通しで米国債利回りは低下し、ドルも下落した。ドル安は商品や素材関連株の支えになったほか、海外利益の押し上げにつながるとの見方から多国籍の生活必需品株を後押しした。

モニター上のエクソンモービル(ニューヨーク証取)

Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

  公益株指数は2カ月ぶりの高値。一時は日中取引ベースで最高値をつけた。通信サービス株も値上がり。配当利回りの高い銘柄が見直された。

  ウェドブッシュ・セキュリティーズの株式トレーディング担当マネジングディレクター、マイケル・ジェームズ氏は「表面上は非常に期待外れな雇用統計だが、良い点もないわけではない」と指摘。「ドルの大幅下落がプラスに作用する銘柄はそこそこ順調な相場展開となった。これが市場全体の悪化を和らげなければ、もっとひどい状況になっていただろう」と述べた。

  S&P500種株価指数は前日比0.3%安の2099.13で終了。一時は1%下げる場面もあった。前日は終値ベースで7カ月ぶりの高値をつけていた。ダウ工業株30種平均は前日比31.50ドル(0.2%)下落の17807.06ドル。一時は149ドル下げたが、キャタピラーが1.9%上昇し、指数の持ち直しをけん引した。ナスダック総合指数は0.6%値下がり。前日までは過去15カ月で最長の7日続伸となっていた。

  レイモンド・ジェームズ&アソシエーツの金融株トレーダー、ジェシー・ルバースキー氏は「2016年に2回以上の利上げがあるとの見方が強かったが、朝方こうした期待はくじかれた」と指摘。「銀行が必要な融資の伸びを達成するためには経済の改善が必要で、これは万事順調ではないことを示唆している可能性がある。こうした銘柄は米金融当局をめぐる不透明感が強まることを嫌う。それが今起こっていることだ」と述べた。

  銀行と保険銘柄の下げが最もきつく、ゴールドマン・サックス・グループとJPモルガン・チェースが下落。Eトレード・ファイナンシャルやチャールズ・シュワブも大きく売り込まれた。金融株のうち、不動産銘柄は唯一上昇した。

  メットライフとプルデンシャル・ファイナンシャルも値下がり。

  5月の米雇用者数はほぼ6ぶりの低い伸びにとどまった。これを受けて、今夏の利上げ期待は後退。フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む7月までの利上げ確率は約28%と、朝方の55%から低下。6月利上げの確率は2%と、20%から落ち込んだ。

原題:Banks Bear Brunt of Stock Retreat as S&P 500 Pares Most of Loss (抜粋)

(第3-4段落と、6段落以降を追加し、更新します.)
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