自民参院選公約から日銀の金融政策外れる、過去3回の選挙から一変

  • 日銀への風圧は低下か-従来は政府と日銀の「連携」うたう
  • 参院選前の財政・金融の政策協調の可能性低下の見方も

自民党が3日発表した7月10日投票の参院選挙の公約に、金融政策への言及が盛り込まれなかった。過去3回の国政選挙とは様変わりで、日本銀行に対する自民党の風圧が弱まる可能性がある。

  公約は、政策を総動員して国内総生産(GDP)600兆円を目指すとして、ゼロ金利を活用した超低金利の財政投融資で官民合わせて30兆円の事業規模を確保することなどを盛り込んだが、金融政策には直接触れなかった。

  安倍晋三総裁の下で自民党が政権復帰を果たした2012年の衆院選挙では、明確な物価目標(2%)の達成に向け「大胆な金融政策を行う」、13年の参院選では「次元の違う金融政策を実施している」、14年の衆院選は「これまでとは次元の違う金融緩和で、流通するお金の量を増やして デフレマインドを一掃」といった言及があった。いずれも政府と日銀の連携強化にも触れていた。

  野村証券の高橋泰洋エコノミストは「マイナス金利政策自体がかなり評判が悪く、自民党は選挙の前面には出したくない」とし、「現時点では日銀の追加緩和について政治的プレッシャーはあまりない。参院選前の決定会合で追加緩和の確率はかなり低い」とした。

  日銀は、16年1月にマイナス金利の導入を発表し異次元緩和を拡大してきたが、アベノミクスで株高、円安に振れた相場は今年に入ってから反転の度を強めている。黒田東彦日銀総裁は金融政策の据え置きを決めた4月28日の記者会見でマイナス金利などについて「政策効果の浸透を見極めていくことが適当と判断した」と説明している。

  HSBCホールディングスのデバリエ・いづみ日本担当エコノミスト(香港在勤)は5月29日付のリポートで、安倍政権の財政出動に関して具体策の欠如、特に規模がはっきりしないことについて市場は失望する可能性があると指摘した。安倍首相が対策の緊急性を感じていないとすると、7月の参院選を前に財政政策と金融政策の協調が実現する可能性は低下するかもしれないと分析している。

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