【債券週間展望】長期金利は低下か、需給良好で入札順調消化との見方

  • 30年と5年入札は水準に慣れてきたので大丈夫-JPモルガンAM
  • 米雇用統計よほど弱くない限り、6、7月に利上げできる-DIAM

来週の債券市場で長期金利は低下基調になると予想されている。需給の良さを背景に投資家の押し目買い姿勢は変わらず、来週の30年債と5年債の入札でも一定の需要が期待できるとの見方が出ている。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは、今週半ばに日銀の買い入れオペ減額を受けた超長期債利回りの上昇につれてマイナス0.10%まで売られた。2日の10年債入札が順調となり、一時はマイナス0.125%と4月22日以来の低水準を付けた。償還が3カ月延びた10年物国債343回債利回りはこの日、マイナス0.105%に下げて推移した。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、来週の相場について、「30年債と5年債の入札は現行の水準に慣れてきたので無難な結果になる。入札前に金利が下がらない限り大丈夫だろう。金利が上昇するリスクは想定されない」と言う。

  今週は月末に保有債券を長期化する需要が高まった直後のオペ減額発表で反動売りが出る場面もあった。ただ、金利が上昇した場面では買いが優勢の展開となったほか、2年債と10年債の入札が順調に消化されるなど、良好な需給環境を反映して底堅い相場展開が続いた。

  財務省は7日に30年利付国債入札を実施する。発行額は前回と同額の8000億円程度。償還日が前回債より3カ月延びて回号が新しくなる。入札前取引で30年物は0.3%台で推移しており、表面利率は前回債の過去最低の0.8%からさらに引き下げられる見込み。9日には5年利付国債入札が予定されている。発行予定額は前回と同額の2兆4000億円程度。表面利率は0.1%に据え置かれる見込み。

  30年債入札について、DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャーは、「利回り水準が低いこともあり神経質になりやすい。現行水準での投資家ニーズを探る最初のリトマス試験紙になる」と慎重な見方を示し、来週の30年債利回りは0.29%から0.39%と広めのレンジでみていると言う。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、翌週に日米の金融政策決定会合を控えている上、23日には英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票もあり、投資家の活発な動きは見込みづらいとしながらも、「良好な需給環境に支えられて引き続き下値不安は小さい。国債の大量償還を控えて投資家の押し目買い姿勢が続くことで、入札は無難な結果が見込める」との見方を示した。

  日本時間の今晩に発表される5月の米雇用統計を受けた金融市場の動向が来週初めの円債相場に影響する可能性があり注目されている。DIAMアセットの山崎氏は、「雇用統計がよほど弱くない限り、6月もしくは7月の利上げはできる状態にある」とみる。6日には米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の講演は予定されており、JPモルガン・アセットの塚谷氏は、「発言には要注意だ。引き続き米利上げの影響をどういう形で織り込みに行くかが焦点」と指摘した。

市場関係者の見方
*T
◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長
*引き続き米利上げの影響をどういう形で織り込みに行くかが焦点
*米利上げをやるとすれば7月ではないか。米雇用統計が強くてインフレ圧力が強まるなら、待たずに6月利上げという見方もあるが、そこまでのリスクはない
*長期金利の予想レンジはマイナス0.13%~マイナス0.07%

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー
*米雇用統計の結果次第では入札前に金利が上がる可能性もある一方、弱い入札となるリスクも排除できない
*日銀金融政策は消費増税の先送りが決まり、参院選を控えるタイミング。焦って追加緩和する必要がない
*長期金利の予想レンジはマイナス0.13%~マイナス0.07%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*高値警戒感から上値を追う動きは限られるが、良好な需給環境に支えられて下値不安も小さい
*新発30年物と5年物の国債入札は無難に消化されよう
*長期金利の予想レンジはマイナス0.13%からマイナス0.07%
*T

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