【日本株週間展望】足踏み、米政策が不透明-メジャーSQ前で波乱も

6月2週(6ー10日)の日本株は、日経平均株価が1万6000円台後半で足踏みしそうだ。米国の金融政策に対する不透明感が強く、為替にらみの展開が続く。英国の欧州連合(EU)離脱を表す「Brexit」問題も重しだ。週末10日には株価指数先物・オプション6月限の特別清算値算出(メジャーSQ)があり、波乱要因になり得る。

  米国では6日に連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が講演する。米利上げについて一時は早期実施観測が強まっていたが、英国のEU離脱・残留の是非を問う23日の国民投票が懸念材料に浮上、ここへきて14ー15日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げは見送られるとの予想が増えてきた。金利先物市場が織り込む6月の米利上げ確率は直近で22%。EU離脱派が残留派をリードした英世論調査の結果が伝わる前の5月30日時点は30%だった。

  このほか、中国で8日に発表される5月の貿易収支は輸出が前年同月比4.2%減と前の月の1.8%減から落ち込む見通しで、輸入も6.8%減の見込み。中国上海総合指数は3000ポイントを下回る状況が続いており、中国株が下落基調を再度強めれば、日本株にもマイナスに働く。半面、7月10日投開票の日程が決まった参院選に向け、財政出動期待は引き続き相場全体の下支え要因となりそうだ。ブルームバーグが入手した自民党の参院選公約によれば、ローン減税継続による住宅投資の活性化やリニア中央新幹線の早期全線開通などが盛り込まれた。

  第1週の日経平均は週間で1.1%安の1万6642円23銭と4週ぶりに反落。米景気に対する楽観ムードから為替が約1カ月ぶりのドル高・円安水準を付けたことを好感し、週初2日間は大きく上昇。しかし、安倍晋三首相が消費税増税の延期を表明した1日以降、目先の材料出尽くし感や日本銀行の追加緩和期待の後退、Brexit問題などで円が強含み、下落傾向となった。

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≪市場関係者の見方≫
●住友生命保険の岡田允彦ポートフォリオ・マネジャー
  グローバルに経済環境は悪くはないが、強いわけでもなく、押し上げ材料に欠ける。株に限らずどの資産もレンジ相場で、腰を据えて勝っている人は少ない。為替市場では円のロングポジションが少なくなり、ポジションは軽く、上下どちらにも動きやすい。ボラタイルな動きとなりそうだ。 ただ、既に一度1ドル=105円を織り込んでいる。105円でとどまるなら、日本株も底堅い。6日にイエレンFRB議長の講演があり、米国の利上げは堅いとなれば、ドル高・円安となり再度日本株は反発となるだろう。まだ6月利上げは十分に織り込まれていない。

●アストマックス投信の山田拓也シニアファンドマネジャー
  国内は消費税増税の延期発表など材料出尽くしとなっており、市場の注目は米金融政策となった。薄商いが続く中、メジャーSQを前に株価は大きく振れやすく、日経平均は1万6000円割れも警戒する必要がある。 一方、7月の参院選を前に政策期待は下支え要因となる。物色は個別対応で、ファーストリテイリングとユナイテッドアローズのように同業種内でも好不調の差があり、セクターではくくりにくい。

●大和証券投資戦略部の木野内栄治チーフテクニカルアナリスト
  米経済は依然として悪くないものの、足元の経済指標は季節調整の影響で弱く見えてしまっている。イエレンFRB議長も6月は利上げできないだろう。そのため、米国株は堅調な一方、ドル高・円安へのサポートはなく、功罪相半ばする。下支え要因は日本銀行の追加金融緩和に対する期待。為替は再び1ドル=110円を割っており、何もやらないとは考えにくい。また、個人の信用買い残が減少しており、個人の売りが買いへ逆転する可能性もある。
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