シカゴ連銀総裁:インフレ目標達成まで利上げ先送りの可能性も検討を

  • 年内2回の利上げが「適切かもしれない」とも発言
  • 3回以上の利上げ実施なら金融市場の動揺招く恐れ

シカゴ連銀のエバンス総裁は3日、米金融当局としてインフレ率が目標に到達するまで追加利上げを先送りする可能性を検討すべきではないかとの考えを示した。

  エバンス総裁はロンドンでの講演のテキストで、「2%のインフレ目標に達するとの信頼を確保するため、コアインフレ率が実際に2%に届くまで利上げを遅らせるのが最善かもしれない」と指摘。「インフレの下振れリスクは大きいと見受けられる」とした上で、「下振れした場合にそれで信頼を失えば当局のインフレ目標を実現するのが一層難しくなるだろう。上振れリスクは下振れに比べ小さいと受け止められる」と語った。

  同総裁は一方で、年内に政策金利を2回引き上げるのが「適切かもしれない」とも言明。ただ、「それよりも積極的な引き締めに向けた動き」は今年1-3月(第1四半期)に米経済が見舞われたような金融市場の動揺を再燃させかねないとコメントした。

  今月14、15両日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、想定可能な議論のたたき台として2つのアイデアを示した形だ。同総裁は今年のFOMCで投票権を持たない。

  同総裁は「リスク管理の観点からは、総需要の一層の押し上げに向けて、通常以上に金融緩和を進めるのが引き続き望ましいとの判断に変わりはない」とし、将来に下方向の衝撃によって金利を事実上の下限に戻さざるを得ないような局面となった場合も、総需要てこ入れが、それを回避するための「バッファー(緩衝装置)」となるだろうと説明した。

物価見通しに下振れリスク

  同総裁はまた、変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコアインフレ率について、2016年中のさらなる改善は見込んでいないと話した。米金融当局がインフレ指標として重視する個人消費支出(PCE)価格指数のコア指数は4月が前年同月比1.6%上昇と、昨年12月の1.4%上昇から加速した。

  物価見通しについて同総裁は、このところの上昇圧力が持続するかどうか不透明なことや、海外経済の見通しがさらに悪化する可能性、低調なインフレ期待の指標など、数々の下振れリスクを挙げた。

  インフレ動向をめぐって比較的低調なメッセージを発したエバンス総裁だが、米経済は今年と来年にかけて2-2.5%と健全なペースでの成長が続くと楽観的な見通しを示した。「このような拡大ペースは私が考える基調的な成長トレンドよりも幾分強めで、労働市場のスラック(たるみ)解消の持続を支えるだろう」としている。

  他方で、自身の見通しには下振れリスクがあり、「雇用面の目標を達成したかどうか完全には自信がない」と付け加えた。

原題:Fed’s Evans Sees Case for Holding Rates Until Inflation Hits 2%(抜粋)

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