自民参院選公約:ゼロ金利活用で事業規模30兆円-財投、5年間で

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  • 経済対策を速やかに断行し、切れ目ない対応を取る
  • 消費増税の2019年10月への延期、軽減税率導入を明記

7月10日投票の参院選に向けた自民党の公約の全容が分かった。ブルームバーグが入手した資料によると、「一億総活躍社会」実現のため、政策を総動員して国内総生産(GDP)600兆円を目指すと表明。ゼロ金利を活用した「超低金利活用型財政投融資」の制度を早急に具体化し、今後5年間で官民合わせて30兆円の事業規模を目指すことなどを盛り込んだ。 

  安倍晋三首相が表明している経済対策については速やかに断行し切れ目ない対応を取る方針を明記。超低金利の財投は対象事業としては、奨学金やリニア新幹線などを挙げている。リニア中央新幹線の東京-大阪間の早期全線開通を目指すことも打ち出した。また住宅ローン減税などを継続して住宅投資を活性化するとしている。ゆうちょ銀行の「限度額のさらなる引き上げ」も目指す。

  2017年4月に予定していた消費増税の19年10月への2年半延期と軽減税率の導入も明記。社会保障財源は赤字国債に頼らず可能な限り確保するとしている。20年度までに国・地方の基礎的財政収支を黒字化する目標も堅持した。

安倍晋三首相

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  2日に発表された政府の「経済財政運営と改革の基本方針2016(骨太方針)」では、「赤字国債に頼らない」という趣旨の文言の記述は見送られた経緯があり、自民党公約で一歩踏み込んだ形だ。自民党の稲田朋美政調会長は3日夕の記者会見で、「赤字国債に頼ることなく安定財源を見つけた上で、できる限り社会保障を充実するというのが公約に書かれた原則だ」と指摘した。

  国の在り方については、現行憲法の国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の3つの基本原理を堅持する一方、「衆院、参院の憲法審査会における議論を進め、各党との連携を図り、併せて国民の合意形成に努め、憲法改正を目指す」としている。外交関係では、韓国、中国、ロシアなどとの関係改善の流れを一層加速させ、日米地位協定については「あるべき姿を検討する」としている。

  消費増税については民進党も2年延期を主張している。そのため、稲田氏は参院選では消費増税の延期自体は争点にはならないとした上で、延期の理由として「アベノミクスが失敗しているかどうかという論点がある」と説明。憲法改正については「党是でもある憲法改正は自民党総裁であればチャレンジしたいとの思いを持っているのは当然だ」と述べた。

(第3、最終段落に自民党の稲田朋美政調会長の発言を追加します.)
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