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ドル・円が下落、米雇用統計控え売り優勢-一時109円回復も上値限定

更新日時
  • 109円14銭まで円売りが先行した後、108円50銭まで下げる場面も
  • 雇用統計、ドルにとり上下両サイドのリスクある-三井住友銀佐藤氏

3日の東京外国為替市場ではドル・円相場が下落。日本株が伸び悩む中、注目の米雇用統計の発表を控えてドル売り・円買いがやや優勢となった。

  ドル・円は一時1ドル=108円50銭と5月16日以来の水準までドル売り・円買いが進み、午後4時5分現在は108円71銭前後。日本株が反発して始まったことを背景に、午前には109円14銭まで円売りが先行したが、上値は限定的だった。

  三井住友銀行の佐藤慎介為替トレーディンググループ長は、米雇用統計は「ドルにとって上下両サイドのリスクがあるイベント」で、強弱どちらも警戒する必要がある中で、円が全般的に買われていると説明。先週までは英国の欧州連合(EU)残留や7月までの米利上げといったポジティブな材料もあって相場が上がっていただけに、週末を前に「ポジションを落とす方向の動きも出やすくなっているのだと思う」と語った。

  ブルームバーグのデータによると、円は主要16通貨中、12通貨に対して前日終値比で上昇。対ユーロでは1ユーロ=121円台後半まで円安に振れる場面も見られたが、午後には円買いが優勢となり、一時121円07銭と前日の海外市場で付けた2013年4月以来の円高値(121円06銭)に迫った。

  3日の東京株式相場は3日ぶりに反発。ただ、朝方に上げた後失速し、午前の取引終盤にはマイナスに転じる場面もあった。

ドル・円相場と日経平均株価

米雇用統計 

  ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によれば、5月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は4月と同じ前月比16万人増が見込まれている。失業率は4.9%と4月の5%から低下する見込み。平均時給は前月比で0.2%増、前年同月比では2.5%増が予想されている。

  上田ハーローマーケット企画部の山室宏之氏は、米雇用統計が「基調としての強さを維持したものとなれば、6月あるいは7月の利上げを織り込む動きが強まる」と予想。一方、雇用の伸びが10-13万人程度にとどまれば、利上げ期待の後退からドル売りが先行するが、「利上げの芽が摘まれたとも言えず、ドルの大幅下落までは想定していない」としている。

  タルーロ米連邦準備制度理事会(FRB)理事は2日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、EU離脱・残留の是非を問う英国民投票は今月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で「私が考慮する要素」となるだろうと述べた。また、ダラス連銀のカプラン総裁はボストンでの講演で、英国のEU離脱を支持した場合に「われわれは備えておく必要がある」と話した。

  三井住友銀の佐藤氏は、「週末に英世論調査などの材料が出た場合、いずれの結果においても週明けの動きが警戒されることになる」とし、「どうしてもリスク回避を意識した円買いが出やすい」と語った。

  米金利先物市場の動向に基づき算出した6月のFOMCでの利上げ確率は22%と、先週末時点の30%から低下。7月までの確率は54.8%で、先週末は53.8%だった。

  三菱UFJ信託銀行ファンド営業課課長の酒井聡彦氏は、メーンシナリオとしては米金融当局は夏の利上げに向けてデータを確認しにいっているところだと思うので、雇用の伸びが16万人程度であれば夏の利上げを妨げるものではないだろう、と指摘。その上で、週明け6日にはイエレンFRB議長の講演もあり、ブラックアウト直前というタイミングで「非常に注意しないといけない」と語った。

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