ゴールドマン:人民元に「完全にネガティブ」、相場急落リスク

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  • 人民元安が資本流出ペース加速につながる恐れ
  • 元の一時的切り下げ観測が再び強まる公算大

中国人民元が下げる中で中国からの資本流出ペースが加速し、その影響が世界の市場に広がり今年1月や昨年8月と同様の広範囲に及ぶ相場急落を引き起こすリスクが高まっている。ゴールドマン・サックス・グループがこうした見方を示した。

  ロビン・ブルックス氏らゴールドマンのストラテジストは2日のリポートで、人民元について「完全にネガティブな見方に転じている」と記した。中国人民銀行(中央銀行)が対ドルで元安に誘導していることについて、「これが昨年8月(の小規模な元切り下げ時)や年明けに見られたのと同様の資本流出を再燃させるリスクがある」と指摘した。

  米金融当局が今後数カ月で利上げする可能性が高まっていることからドルが上昇し、人民元は対ドルで5週連続の週ベース下落に向かっている。

  中国外国為替取引システム(CFETS)によると、人民元は上海時間午後4時44分(日本時間同5時44分)現在、前日比0.04%安の1ドル=6.5850元。前週末比では0.3%安。香港市場のオフショア人民元は前週末比0.25%安の6.5930元。人民銀は3日、元の中心レートを0.16%元安方向の6.5793元に設定した。

中国人民銀行(中央銀行)本店

Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

  中国は人民元の対ドル相場の重要性を相対的に低くし、通貨バスケットに対する安定を維持するように政策を変更した。しかしゴールドマンのストラテジストは、中国の家計や企業が最も敏感に反応するのはドル・元相場であるため、こうした戦略で資本流出を食い止めることはできない可能性を指摘。人民元下落が米金融当局による引き締めペースを鈍らせる恐れがあるとも分析した。

  ブルックス氏らは中国当局が否定してきているにもかかわらず「一時的な通貨切り下げの必要性をめぐる観測が市場で再び強まる可能性が高いとみている」と論じた。
  
原題:Goldman Sees Rising Risk of China’s Yuan Repeating January Rout(抜粋)

(第3段落に加筆し第4段落に3日の相場を追加します.)
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