VIPルームでイヤホン使うギャンブラー、資金洗浄リスク浮き彫り

  • マカオのカジノVIPルーム、実際の顧客は中国本土にいるとの指摘
  • ギャンブル台では電話の利用が禁じられている

マカオのカジノ内でVIPルームがあるのは人目につかない専用エリアだ。

  そこでバカラ賭博のテーブルの前に座るのは実際に賭け金を出している顧客ではない。イヤホンを装着した代理人で、遠く離れた中国本土の顧客本人に携帯電話を通じてゲームの状況を詳しく報告している。こうした状況を説明したのは、カジノに高額の賭けをする顧客を紹介するいわゆる「ジャンケット」事業者で働く5人だ。

  マカオ当局は5月9日、カジノのVIPルームにあるギャンブル台で携帯電話を使うことを禁止するとの通達を出した。

  ただ、SJMホールディングス(澳門博彩)とメルコ・クラウン・エンターテインメント (新濠博亜娯楽)がマカオで運営するカジノ内にある独立したVIPルームでビジネスを行っている少なくとも3人のプロモーターがブルームバーグ・ニュースに述べたところによれば、この禁止措置をくぐり抜け携帯電話が使われている。代理人が髪の毛でイヤホンを隠すこともあるという。こうした行為は違法だとして、プロモーターらが匿名を条件に明らかにした。

  メルコは、VIPルームを含め同社のカジノ施設はマカオの規制を順守しているとのコメントを発表。SJMはコメント要請に応じていない。SJMの梁安琪エグゼクティブディレクターは5月17日のインタビューで、同社を含めたマカオのカジノ運営会社はギャンブルでの電話利用を防ぐために監視を強化していると述べている。

  この禁止措置が講じられた理由はシンプルだ。つまりマネーロンダリング(資金洗浄)対策だ。本土のカジノ顧客はマカオのジャンケット事業者から与信枠を得ることができ、同事業者は本土内の顧客から資金の返済を受ける。本土外のこの与信枠は本土政府の調査や通貨規制を免れ、ギャンブルが行われるのに伴いマカオで現金化が可能だ。

  マカオでは法律で2001年に電話を使ったギャンブルが禁止されているが、マカオ議会に相当する立法会の高天賜議員によれば、禁止措置は象徴にすぎない。「実際には履行されない規制が新たな抜け穴を生み出すだろう」と話している。

原題:Hidden Earpieces in VIP Rooms Show Macau Money Laundering Risks(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE