6月2日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ECB、OPECはサプライズ与えず-注目は米雇用統計

2日の外国為替市場では、石油輸出国機構(OPEC)総会と欧州 中央銀行(ECB)政策委員会のどちらからもサプライズがなかったこ とから失望感が広がった。市場の注目は3日に発表される5月の米雇用 統計に移った。

OPEC総会とECB政策委員会のどちらも、為替市場にボラティ リティをもたらさなかった。主要16通貨の対ドルでの変化率は、円とメ キシコ・ペソを除き全て0.5%未満だった。OPEC総会では加盟国が 新たな生産上限設定で合意できず、任意の生産を事実上容認する方針を 継続することになった。一方ECBは政策金利の据え置きと資産購入規 模の維持を決定した。

ソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、キット・ジャックス氏は 電子メールで「ECB、OPECともにきょうウィーンで会合を開いた が、どちらも思い切った行動を取ろうという雰囲気ではなかった」と指 摘。「米連邦公開市場委員会(FOMC)がタカ派寄りのトーンを行動 に移すだろうとの見方が市場にあるが、あすの非農業部門雇用者数がこ れを脅かす要因となり得る」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比ほぼ変わらず。ドル は対ユーロで0.3%安の1ユーロ=1.1151ドル。対円では0.6%下げて1 ドル=108円87銭。

ブルームバーグが実施したエコノミスト調査では、5月の非農業部 門雇用者数は前月と同じ16万人増が見込まれており、これは昨年の月間 平均(22万9000人増)を下回る。失業率は4.9%への低下(前月5%) が予想されている。

OPEC加盟国が新たな生産上限設定で合意できなかったことを受 け、ドルは資源国通貨に対して上昇した。OPEC加盟国は生産目標を 無視して原油を生産することが多く、総会では生産削減を示唆する国も なかった。それでも生産目標の再導入が決まっていればOPECの再結 束を示すことができ、原油価格を押し上げた可能性がある。

原題:Unimpressed By ECB and OPEC, Currency Traders Turn to Jobs Data(抜粋)

◎米国株:S&P500種は7カ月ぶり高値、雇用統計待ちの雰囲気も

2日の米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は7カ月ぶり高値 を付けた。雇用が着実に増加している兆候が示され、早ければ今夏とみ られる利上げに米経済は耐えられるほど力強いとの見方が強まった。

ヘルスケア株が上昇して年初来の下げを埋め、5月に売り込まれた 小売株が反発したため、株式相場は取引終了前の1時間で上げ幅を拡大 した。ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)はけん引役となっ た。同社は株式非公開のボーグ・インターナショナルを現金約33億ドル で買収することで合意した。一方、シグネット・ジュエラーズは6.6% 安。ニュースレターに悪い批評が掲載されたことが影響した。粉飾決算 の疑いが表面化したオラクルは年初来で最大の下げ。

S&P500種株価指数は前日比0.3%上げて2105.26で終了。一時 は0.5%下げる場面もあった。2100を上回って終えるのは4月20日以来 で初めて。ダウ工業株30種平均は48.89ドル高い17838.56ドルで終え た。ナスダック総合指数は0.4%上げて7日続伸と、2015年2月以降で 最長の連続高となった。

ナショナル・アライアンス・キャピタル・マーケッツの国際債券責 任者、アンドルー・ブレナー氏は「弱気派は相場下落を望んでいるが、 センチメントは既に弱過ぎる。強気派は相場上昇を望んでいるが、先行 きには多くのことが控えている。そのため、小動きになっている」と語 った。

この日は欧州中央銀行(ECB)定例政策委員会や石油輸出国機構 (OPEC)総会があった。3日には米雇用統計の発表が予定されてい る。今月は英国の欧州連合(EU)残留の是非を問う国民投票や利上げ が決定される可能性のある米連邦公開市場委員会(FOMC)会合が控 えている。S&P500種が終値ベースで0.5%未満の動きにとどまるのは 5日連続で、昨年11月以降で最長。

この日発表された統計は労働市場が力強さを維持していることを示 唆した。先週の週間新規失業保険申請件数は3週連続で減少。5月の米 民間部門の雇用者数は17万3000人増加し、市場予想の中央値と一致し た。

S&P500種は2月に付けた1年10カ月ぶりの安値から15%戻し、 昨年に記録した最高値まであと1.2%となっている。

3日の雇用統計に注目が集まっている。力強い内容になれば、7月 までの利上げ予想が一段と強まる可能性がある。ブルームバーグがまと めたエコノミスト調査では5月の非農業部門雇用者数は4月と同じ16万 人増と予想されている。失業率は4.9%への低下が見込まれている。

S&P500種の全10セクターのうち、ヘルスケアが1.3%高で上昇率 首位となった。一方、エネルギー株が最も下げ、情報技術と公益事業が それに次いだ。

原題:S&P 500 Rises to Seven-Month High as Investors Await Payrolls(抜粋)

◎米国債:上昇、FOMC近づく中で市場の焦点は雇用統計にシフト

2日の米国債相場は上昇。利上げの時期を見極める上でトレーダー は3日発表の米雇用統計に注目している。

国債利回りは総じて低下した。朝方発表された週間新規失業保険申 請件数は3週連続で減少したほか、米民間雇用者数は増加した。5月の 雇用統計では、雇用増加ペースが今年初めから減速したとエコノミスト らは予想している。5年債と30年債の利回り差は終値ベースで昨年12月 以来の最小に縮小した。

ブルームバーグがまとめた金利先物市場のデータによれば、6月の 連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げが決定する確率は 約22%。7月の確率は50%前後。タルーロ米連邦準備制度理事会 (FRB)理事は、欧州連合(EU)離脱・残留の是非を問う英国民投 票は今月のFOMC会合で「私が考慮する要素」となるだろうと述べ た。

大和証券キャピタル・マーケッツ・アメリカの債券部門責任者、レ イ・レミー氏(ニューヨーク在勤)は「雇用統計が低調な結果となる か、あるいはイエレンFRB議長の発言がハト派的だった場合、さらに はFOMCが6-7月の利上げを見送る場合」に備えて、投資家は米国 債に買いを入れていると述べ、「すべては3日の雇用統計次第だ」と続 けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨ ーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)低下の1.80%。同年債(表面利率1.625%、2026 年5月償還)の価格は98 13/32。

給与明細書作成代行会社ADPリサーチ・インスティテュートの発 表によると、5月の米民間部門の雇用者数は17万3000人増加。米労働省 の発表によると、5月28日終了週の申請件数は1000件減の26万7000件だ った。

ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想では労働省が発表す る5月の雇用統計では前月に続き16万人の雇用増が見込まれている。昨 年の月間平均は22万9000人の増加だった。失業率は4.9%への低下が予 想されている。

ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ債券ストラテジスト、 ガイ・リーバス氏は「5月の米雇用統計で10万人を上回る雇用増が示さ れる限り、利上げの可能性はなお高い」と述べ、「6月か7月、あるい は9月になるかは微調整の範囲だ」と述べた。

原題:Treasuries Traders Shift Focus to Jobs Data as Fed Meeting Looms(抜粋)

◎NY金:続落、金投資への関心弱まる-米利上げが近づく中

2日のニューヨーク金先物相場は続落。ニューヨーク商品取引所 (COMEX)の先物の未決済建玉 (オープン・インタレスト)は前 日に1.5%減少し、4月8日以来の低水準となった。ファンドマネジャ ーらは5月24日までの1週間に金のネットロングポジションを26%縮小 しており、縮小幅は今年最大だった。

RBCウェルス・マネジメントのマネジングディレクター、ジョー ジ・ジロ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「オープン・ インタレストは徐々に減っている。それは米利上げを控え投資資金の引 き揚げが進んでいるためだ」と指摘。「利上げがあるかどうかはもはや 問題ではなく、いつなのかが問題だ。失業保険申請件数は予想よりも実 際には良かった。米金融当局のデータ次第の姿勢が変わるような材料は 何もない」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は前日 比0.2%安の1オンス=1212.60ドルで終了。一時は0.4%上昇する場面 もあった。

銀先物は上昇。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のパラジウ ムとプラチナは下落。

原題:Investor Interest in Gold Waning With Fed Rate Increase Looming(抜粋)

◎NY原油:小反発、ブレントは7カ月ぶり高値-米在庫減少で

2日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が小反発。ロンドンICEのブレント原 油は50ドル台に乗せ、7カ月ぶり高値。石油輸出国機構(OPEC)総 会が新たな生産目標の設定で合意できなかったことによる影響を、米原 油在庫の減少が和らげた。

ソシエテ・ジェネラルの石油市場調査責任者、マイケル・ウィトナ ー氏(ニューヨーク在勤)はOPEC総会について、「何の行動も、何 のサプライズもなかった」と指摘。「サウジが全体的な上限設定をめぐ る協議に意欲的だったことは興味深いが、イランが従来の姿勢に固執 し、何も生まれなかった。結局は何も変わらないという結果に終わっ た」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日 比16セント(0.33%)高い1バレル=49.17ドルで終了。一時は1.04ド ル下げて47.97ドルを付ける場面もあった。ロンドンICEのブレント 8月限は32セント上昇して50.04ドル。

原題:Oil Rises to Seven-Month High Even as OPEC Maintains Status Quo(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず、ECBインフレ見通しで-石油・ガス株下げる

2日の欧州株式相場はほぼ変わらずとなった。欧州中央銀行 (ECB)が公表したインフレ予想は前回予測からあまり変化がなかっ た。

石油・ガス銘柄は値下がりし、フランスのトタルとテクニップの下 げが目立った。石油輸出国機構(OPEC)が新たな生産上限設定で合 意に至らなかったことが売り材料。

指標のストックス欧州600指数は前日比0.1%高の344.35で終了。ユ ーロが対ドルで下げたことを手掛かりに、輸出企業を後押しするとの見 方から自動車株は買われた。

最新のECBスタッフ予測によれば、今年のインフレ率は若干上方 修正されたものの、2017年と18年はこれまでの見通しから変わらなかっ た。ドラギ総裁は政策決定後、景気回復を確固たるものにするため各国 政府により大きな役割を演じるように呼び掛けた。また、社債購入を8 日に開始する方針も示した。

ノッツ・ストゥッキ(ジュネーブ)のファンドマネジャー、ピエー ル・ムートン氏は「OPECが新たな合意に至るのは非常に難しいこと は分かっていた。加盟国が直面する課題が一様ではないためだ。原油価 格が40ドルないしそれを下回る水準だったら、何らかの措置を講じた可 能性がある。50ドル近くにあることから動機が後退していた」と発言。 「ECBの決定はサプライズではなかった。今現在で実際、何も期待で きない」と付け加えた。

原題:Europe Stocks Little Changed After ECB; Oil Shares Fall on OPEC(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債上昇、ECBがインフレ目標達成困難との見方で

2日の欧州債市場ではドイツ国債が上昇し、10年物と30年物の利回 りは3週間ぶり低水準を付けた。欧州中央銀行(ECB)が公表したイ ンフレ見通しがこれまでとほぼ同様で、2年以内にインフレ目標を達成 できない可能性を示したことが背景にある。

ユーロ圏の低格付けの国債は一時の下げを消した。石油輸出国機構 (OPEC)が新たな生産目標で合意に至らず、原油先物が急落したこ とも作用した。ECBはウィーンで開催された定例政策委員会で、資産 購入プログラムと政策金利を現状で維持することを決めた。ドラギ総裁 は政策発表後の記者会見で、3月に発表した金融緩和策はまだ完全には 実施されていないと語った。

DZ銀行(フランクフルト)の金利アナリスト、クリスティアン・ レンク氏は「2017、18両年のインフレ見通しに変更がなかったのにはや や驚かされた」とし、「どうせECBはインフレ見込みを引き上げる と、市場に受け取られたくなかったとの背景から考えられるべきだ。こ れがECBのハト派姿勢をやや後退させた可能性がある」と語った。

ロンドン時間午後4時15分現在、ドイツ30年債利回りは前日比3ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.81%。これは先月12 日以来の低水準。同国債(表面利率2.5%、2046年8月償還)価格 は0.89上げ144.955。

欧州債の指標とされるドイツ10年債利回りは2bp低下し0.11% と、これも先月12日以来の低さとなった。

スペイン10年債利回りはほぼ変わらずの1.49%。5月25日以来の高 水準となる1.54%まで上昇する場面があった。同年限のイタリア国債利 回りは1.43%まで上げた後、1.38%となった。

原題:Germany’s Bonds Advance With ECB Inflation Goal Seen Elusive(抜粋)

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