OPEC:現状維持を選択、相場回復が結束を強化-生産目標は見送り

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  • ナイジェリアのバルキンド氏を次期事務局長に選出
  • バルキンド氏:OPECはより強くなって戻ってきた

石油輸出国機構(OPEC)は任意の生産を事実上容認する方針の維持を選択した。2日にウィーンで開かれたOPEC総会で加盟国は、新たな生産上限を設ける提案を退けたが、世界的に原油市場が改善しているとの楽観的見方で一致した。

  会合終了後に原油相場は一時下落したものの、昨年12月の総会で見られたような悪感情は今回ほとんど見られなかった。こうした協調的な雰囲気も寄与し、各国は2012年以来決まらなかった次期事務局長にナイジェリアのモハメド・バルキンド氏を選出した。

  イランのザンガネ石油相は「この日の総会の雰囲気は緊張する場面もなく、穏やかだった 」と発言。加盟国間には「極めて強い結束 」があったと述べた。過去の総会では同相とサウジ代表の対立が原因でしばしば紛糾してきた。

  このようなムードの変化には2つの要因がある。1つはサウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相が就任後初めて迎えるOPEC総会を成功させたいと強い決意で臨んだためだ。さらに重要な要因は、原油相場が1月以来80%上昇したことにより、OPECが2年前から採用している高コスト産油国から市場シェアを奪う戦略が奏功していると加盟各国が自信を深めたことだ。

6月のOPEC総会後の記者会見

Photographer: Akos Stiller/Bloomberg

  金融調査会社アルファバリューの石油・ガス責任者、アレクサンドル・アンドロア氏は「原油市場を一段と安定させたいという意向のほかに、OPECの信用回復と発言力強化を望む強い意思がある」と述べた上で、「これは明らかにサウジの望みだ」と説明した。

  アナリストは世界原油市場の需給は昨年12月時点よりもずっと均衡に近づいているという見方で一致しているものの、OPECがかつてのような市場支配力を取り戻すには越えなくてはならない幾つものハードルがある。主要産油国のサウジとイランが引き続き地域紛争をめぐり緊張関係にあるほか、世界的に石油備蓄が過去最大水準にあり、原油相場回復に寄与しているカナダやナイジェリアの生産停止も一時的なものにすぎないからだ。

  サウジのファリハ・エネルギー相は総会後の記者説明会で、市場均衡の改善にもかかわらず依然として慎重姿勢を取らなければならない理由が存在すると発言。「われわれは備蓄の多さを懸念している。然るべき水準の供給不足が安定して続く必要がある」と指摘した。

  総会前にサウジは、原油を市場に大量供給するつもりはなく、総会成功に真剣に取り組んでいるとのそぶりを見せるため、生産上限の復活のアイデアを打ち出した。

  総会で加盟国は生産上限は現時点では必要ないとの見解で一致。バドリ事務局長は総会終了後、OPECが新たな生産上限を設定するにはまだ時間が必要だと発言。イランの生産が増えつつあり、リビアで大規模な生産停止が発生している現状では生産目標の設定は難しいと説明した。

  次期事務局長に決まったバルキンド氏は「OPECはより強くなって戻ってきた」と発言。「われわれはOPEC内の結束と国際社会の信用を取り戻すために努力するつもりだ」と語った。

原題:OPEC Keeps Status Quo as Oil Rally Brings New-Found Harmony (1)(抜粋)

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