日本株続落、円高嫌気し1カ月ぶり下落率-政策期待も薄れ幅広く売り

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2日の東京株式相場は大幅続落。為替の円高加速に加え、石油輸出国機構(OPEC)総会などを前にリスク資産を圧縮する動きが強まった。目先の国内政策期待も後退し、輸送用機器や機械など輸出株、鉄鋼など素材株、保険や銀行など金融株中心に幅広い業種が安い。

  TOPIXの終値は前日比30.26ポイント(2.2%)安の1331.81、日経平均株価は393円18銭(2.3%)安の1万6562円55銭。日経平均の下げ幅、下落率はともに5月2日以来の大きさだった。

  アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之取締役は、「財政政策の拡大と金融緩和をもう一度強力に進めるのではないかという期待で上昇してきた部分があったが、それが剥落している」と指摘。また、前日発表の米国供給管理協会(ISM)の製造業景況指数もあまり強い内容ではなく、「6月に米国が利上げしないとすれば、日本銀行も様子見するのではないかという思惑も働く」と話した。

  きょうのドル・円相場は、前日の海外市場でドル売り・円買いが進んだ流れを受け、午前に一時1ドル=108円80銭台と5月18日以来のドル安・円高水準に振れた。1日の日本株終値時点は109円96銭。日本政府の消費税増税の先送り表明を受け、日銀が追加緩和を遅らせるとの観測が広がったほか、中国や欧州の製造業データの低調も逃避需要の円買いを促した。

東京証券取引所

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  安倍晋三首相は1日、2017年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを19年10月まで2年半延期する方針を正式に発表。「総合的かつ大胆な経済対策」を秋に講じる方針を示したが、詳細な説明はなかった。

  また、経済協力開発機構(OECD)は半期報告書を公表、世界経済が低成長のわなに陥りつつあり、超緩和的な金融政策が害をもたらすリスクがあると警告した。ことしの世界の成長率はプラス3%と前回予想を据え置き、昨年もプラス3%だった。

  一方、日銀の佐藤健裕審議委員は2日午前の講演で、マイナス金利は緩和効果どころかむしろ引き締め的だとし、金融システム安定に影響を及ぼす可能性があるとの認識を示した。物価目標については、無理に2%を達成する必要はないと指摘した。

  きょうの日本株は安く始まり、円高傾向が顕著になった午前半ば以降に下げ幅を拡大。裁定解消売りも一部巻き込んだ午後に日経平均は一時、430円安の1万6525円まで売り込まれた。前日に東京証券取引所が公表した5月27日時点の裁定買い残は、3週連続で増加していた。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「今の日本株は為替だけでほぼ説明できる。米国の景況感は良いが、米利上げで世界の景況感が耐えられない懸念が出るとリスクオフの円高になってしまう」とみている。

  また、ウィーンで2日、OPEC総会が開かれ、生産目標の再設定に向け協議する。アジア時間2日午後3時時点の時間外取引でニューヨーク原油先物は軟調。底入れ反発傾向を強めていた原油価格が再度不安定になるリスクもあり、「積極的には動きにくい。ネガティブな結果となれば、リスクオフとなってしまう」といちよしアセットの秋野氏は懸念を示していた。

  東証1部33業種は保険、鉄鋼、銀行、鉱業、海運、証券・商品先物取引、ガラス・土石製品、ゴム製品、機械、金属製品、輸送用機器など32業種が下落、水産・農林の1業種のみ上昇。輸送用機器は、5月の米自動車販売低調の材料もあった。ゼネラル・モーターズ(GM)の販売台数は18%減と市場予想の13%減を下回り、トヨタ自動車は9.6%減、ホンダは4.8%減少と予想以上に落ち込んだ。東証1部の売買高は20億7508万株、売買代金は2兆930億円。上昇銘柄数は139、下落は1773。

  売買代金上位では、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクが下げ、ソフトバンクグループやホンダ、ブリヂストン、アルプス電気、マツダ、野村ホールディングス、TDK、ダイキン工業、デンソーも安い。ユーロ円建て転換社債型新株予約権付社債(CB)の発行とゴールドマン・サックス証券の投資判断引き下げが重なった関西ペイントもは売り込まれた。半面、ヤフーやドンキホーテホールディングス、エムスリーは高い。

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