6月1日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円急伸、1カ月で最大の上げ-消費増税先送り表明で

1日のニューヨーク外国為替市場では円が急伸。ドルに対しここ1 カ月余りで最大の上げとなった。安倍晋三首相が消費増税先送りを表明 したことを受け、日本銀行が追加緩和を遅らせるとの観測が強まった。

円は主要16通貨全てに対して値上がり。安倍首相は1日、2017年4 月に予定していた消費税率の10%への引き上げを19年10月まで2年半延 期する方針を正式に発表。「総合的かつ大胆な経済対策」を秋に講じる 方針も明らかにした。ただ詳細な説明はなかった。この日は中国や欧州 で製造業のデータが低調だったことから、逃避需要からも円が買われ た。

SGHマクロ・アドバイザーズのサッサン・ガラマニ最高経営責任 者(CEO)は、ブルームバーグテレビジョンで「この円の動きは、前 向きなセンチメントというより、リスクオフが背景となっている可能性 がある」と分析。「投資家は若干行き過ぎ、補正予算に関する何らかの 発表を見込んでいた。その発表がないと分かった後は、市場にはやや期 待外れな雰囲気が広がり、それを反映した取引となった」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は前日比1.1%高の1ドル=109 円54銭。上昇率は終値ベースでの比較で4月28日以来最大。ユーロは対 ドルで0.5%上げて1ユーロ=1.1188ドル。

この日発表された中国の5月の製造業購買担当者指数(PMI) は、経済成長が引き続き抑制されていることを示す内容となった。また ユーロ圏と英国の製造業PMIも活動の若干の拡大を示すにとどまっ た。

HSBCホールディングスのグローバル為替戦略責任者デービッ ド・ブルーム氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「問 題は日銀が今後どこへ向かうのかということだ」と指摘。その上で、日 銀の政策が「ヘリコプターマネー」的な面を強めるとの観測が広がって いることに触れ、「ヘリコプターのプロペラ音が聞こえているのか。市 場が自問しているのはそこだ」と続けた。

原題:Yen Rallies Most in a Month After Abe Says He’ll Delay Tax Hike(抜粋)

◎米国株:S&P500種、ほぼ変わらず-製造業指数が下支え

1日の米株式相場はほぼ変わらず。製造業活動の活発化を示す指標 が発表され、弱い海外経済と対照的になった一方、今夏の利上げを警戒 する姿勢も強かった。

米供給管理協会(ISM)が発表した5月の製造業総合景況指数が 前月から上昇すると、取引開始直後に下げていた株価は堅調となった。 ヘルスケアや生活必需品銘柄が上昇する一方、通信サービスやハイテ ク、選択的消費株が下げた。

S&P500種株価指数は前日比0.1%上げて2099.33で終了。ダウ工 業株30種平均は2.47ドル高い17789.67ドルで終えた。ナスダック総合指 数は0.1%上げて6日続伸。

センター・ファンズのジェームズ・アベート最高投資責任者 (CIO)は製造業景況指数について、「縮小期にはないが、非常に低 い成長という環境下で横ばい状態が続いていることを基本的に示してい る」と指摘した。

5月のISM製造業景況指数は前月から上昇。新規受注の増加が示 され、製造業が年初の低迷から回復しつつあることを示唆した。仕入れ 価格指数が2011年6月以来の高水準となり、価格圧力の強まりも示され た。

一方、中国とユーロ圏の製造業指数は活動の弱い拡大を示し、海外 のぜい弱性が米国に波及するリスクが残っていることを示唆した。経済 協力開発機構(OECD)は今年の米国と日本の成長見通しを下方修 正。世界経済が自己実現的な「低成長のわな」に陥りつつあり、そこで は超緩和的な金融政策が益よりも害をもたらすリスクがあると警告し た。

米連邦準備制度理事会(FRB)が午後公表した地区連銀経済報告 (ベージュブック)によれば、米経済は4月半ば以降、大半の地域で緩 慢なペースで拡大し、労働市場は引き締まった。 雇用主は引き続き従 業員を増やし、賃金もやや上昇しつつあるとしている。

S&P500種の全10セクターのうち7セクターが上昇。生活必需品 やヘルスケア、公益事業がけん引役となった。一方、通信サービスやハ イテク、選択的消費株は指数全体の足を引っ張った。

原題:S&P 500 Closes Little Changed for Second Day Amid Factory Data(抜粋)

◎米国債:イールドカーブがフラット化、製造業拡大で利上げ観測

1日の米国債市場では償還期限の短い国債が下落。米国の製造業が 予想以上に拡大し、米金融政策当局による利上げ観測が強まった。

10年債は上げ幅を縮小。米供給管理協会(ISM)が発表した5月 の製造業総合景況指数によれば、製造業は予想外に拡大ペースが加速し た。米連邦準備制度理事会(FRB)が1日公表 した地区連銀経済報 告(ベージュブック)によれば、米経済は4月半ば 以降、大半の地域 で緩慢なペースで拡大した。2年債と10年債の利回り格差は5月13日以 降で最もフラット化し、07年以来の最小となった。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏(ニューヨーク在勤)はISM統計は「予想よりも良好だった。たい ていの市場参加者は低下を見込んでいた」と述べ、「当局にとっては第 2四半期にかけて景気回復を示す新たな兆候と受け止められるだろう」 と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨ ーク時間午後5時現在、2年債利回りは前日比2ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)上昇の0.90%。同年債(表面利率0.875%、償 還2018年5月)の価格は1/32下げて99 30/32。

10年債利回りは1bp下げて1.84%、一時は1.8%をつけた。30年 債利回りは3bp下げて2.62%。

5月のISM製造業総合景況指数は51.3と、前月の50.8から上昇し た。同指数で50は活動の拡大と縮小の境目を示す。ブルームバーグがま とめたエコノミストの予想中央値は50.3だった。

ベージュブックによれば雇用主は引き続き従業員を増やし、賃金も やや上昇しつつあるとしている。

ブルームバーグがまとめた先物トレーダーのデータによれば、6月 の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げが決定する可能性 は22%織り込まれている。7月利上げの確率は約53%。

ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ債券ストラテジスト、 ガイ・リーバス氏は「金融政策当局者は金利正常化を望んでいる」と述 べた上で、金利は「非常に緩やかなペースで」上昇するだろうと続け た。

イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は5月27日、米経済 の改善が続いており、「今後数カ月のうちに」追加利上げが正当化され るとの認識を示した。この発言を受けてトレーダーの間で利上げ観測が 強まった。

2年債と10年債の利回り格差は93bpに縮小。一時は92bpをつけ た。

原題:Treasuries Yield Curve Flattens as Factory Gains Boost Fed Views(抜粋)

◎NY金:反落、米自動車販売や中国指標でプラチナとパラジウム安い

1日のニューヨーク貴金属市場ではパラジウムが下落。プラチナは 過去7営業日で6日目の下げとなった。米自動車販売の減少や中国製造 業指標の低迷を受けて、自動車の汚染防止装置に使用される両金属の需 要をめぐる懸念が強まった。

ハイ・リッジ・フューチャーズ(シカゴ)の金属取引担当ディレク タ ー、デービッド・メーガー氏は電話インタビューで、「中国発のこ うした懸念が断続的に生じている」と指摘。「一般論として、それは商 品市場にとって好ましくない」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナ先物7月限は前 日比0.9%安の1オンス=971.90ドルで終了。パラジウム先物9月限 は0.1%下げて546.75ドル。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は0.2%下 落の1オンス=1214.70ドル。銀先物は0.4%安の15.927ドル。

原題:Platinum, Palladium Sag After U.S. Car Sales, China Factory Data(抜粋)

◎NY原油:ほぼ変わらず、OPECが生産目標について協議か

1日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物がほぼ変わらず。石油輸出国機構 (OPEC)は2日にウィーンで開かれる総会で生産目標の再設定に向 けて協議すると、加盟国代表が明らかにした。

プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のシニア市場アナ リスト、フィル・フリン氏は「だれもOPECが今週の総会で何かする とは考えていなかったため、生産目標の導入は重大なことだ。目標が設 定されれば1年半ぶりとなる」と指摘した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日 比9セント安い1バレル=49.01ドルで終了した。

原題:Crude Oil Closes Near $49 as OPEC Seen Discussing Output Ceiling(抜粋)

◎欧州株:続落、ECB会合控え景気懸念強まる-鉱業株と銀行株安い

1日の欧州株式相場は続落。欧州中央銀行(ECB)定例政策委員 会を翌日に控え、内容にむらのある製造業の経済指標で世界景気をめぐ る懸念が強まった。

指標とされるストックス欧州600指数の業種別19指数の中で、鉱業 株の下落率が最も大きかった。中国国家統計局がこの日発表した5月の 製造業購買担当者指数(PMI)は同国経済の見通し悪化懸念を払拭 (ふっしょく)できず、商品相場が下落したことが響いた。イタリアの 銀行を中心に銀行株も売られた。同国の金融機関向け救済基金に追加的 な資金拠出を求められる可能性があるとの報道が嫌気された。

ストックス600指数は前日比1%安の344.12で終了。これは約2週 間ぶりの大幅安。この日発表された5月のユーロ圏製造業PMI改定値 がさえなかったこともあり、2日のECB政策決定後に行われるドラギ 総裁の記者会見が注目されている。

バークレイズのウェルスマネジメント部門欧州・中東・アフリカ地 域投資戦略責任者、ウィリアム・ホッブス氏(ロンドン在勤)は「欧州 の景気回復は加速していない。週内に極めて大量の経済指標発表を控え ることから、投資家が様子見姿勢でも無理はない。地政学的要因や英国 の国民投票への懸念もあり、市場はやや身動きがとれない状況だ。最悪 のシナリオが現実となる場合に備え、投資が手控えられている」と語っ た。

英国が今月23日に実施する欧州連合(EU)残留・離脱の是非を問 う国民投票について、世論調査は接戦を示唆。シーメンスやエアバス・ グループ、GKNといった企業幹部らは、EUを離脱した場合は将来の 投資と製造業の雇用に悪影響が及ぶと警告している。英FTSE100指 数はこの日、0.6%下落した。

原題:Miners, Banks Drag Europe Stocks Lower Amid Global Growth Fears(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債ほぼ変わらず-5年債入札で利回り過去最低に

1日の欧州債市場ではドイツ国債がほぼ変わらずで、前日の上げを 維持した。この日の5年物入札では平均落札利回りがマイナス0.38% と、ブルームバーグがデータ集計を開始した1993年以降の最低を記録。 域内で最も安全とされる同国債に対し、投資家は利回りがマイナスでも いとわないと判断した。

米当局が利上げに踏み切った場合でも、ユーロ圏経済が減速気味の ため欧州中央銀行(ECB)がハト派的な政策を維持するとみられたこ とが背景にある。この日発表された5月のユーロ圏製造業購買担当者指 数(PMI)改定値では、製造業活動の拡大がほぼ停滞した状況が明ら かになった。欧州株は続落し、高債務国の国債が売られ、安全を求める 動きが強まった。

ブルームバーグ世界債券指数によると、ドイツ国債の過去1カ月の リターンはプラス1.1%。これに対し米国債はほぼゼロ。資産購入プロ グラムに基づき国債購入を進めるECBの緩和政策が長期化する見通し なのに対し、米当局が今月にも利上げする構えで、こうした政策の違い を反映している可能性がある。

BNPパリバ(パリ)のシニア債券ストラテジスト、パトリック・ ジャック氏は「米国とユーロ圏の国債利回りの乖離(かいり)は理にか なう。米国債が最近の当局者発言に反応しているためだ」と指摘。「資 産購入プログラムが継続しており、これが強い支援材料となっている。 ドイツ10年債利回りが0.2%に近付いた際には強い抵抗線がある。これ は明らかに大きな防御だ」と語った。

ロンドン時間午後4時8分現在、欧州債の指標とされるドイツ10年 債利回りは前日比ほぼ変わらずの0.14%。一時は0.12%まで下げ、5 月16日以来の低水準を付けた。前日は3ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下と、同月13日以来の大きな下げだった。同国債(表面 利率0.5%、2026年2月償還)価格は103.495。

イタリア10年債利回りは3bp上昇の1.39%、同年限のスペイン国 債利回りも3bp上げ1.50%となった。

原題:Germany’s Note Auction Shows Investors Willing to Pay for Safety(抜粋)

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