円全面高、Brexit懸念でリスク回避-対ドル3日ぶり109円台

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  • ドル・円、110円台後半から一時109円65銭までドル安・円高進む
  • 短期的にロングにしていた人たちの投げが入った-みずほ銀の加藤氏

1日の東京外国為替市場では円が全面高。英国が欧州連合(EU)を離脱するBrexitリスクへの懸念が再燃する中、日本株の下落を背景にリスク回避に伴う円買いが強まり、対ドルで3営業日ぶりの1ドル=109円台に上昇した。

  ドル・円相場は一時109円65銭までドル売り・円買いが進行。この日は上値が重いながらも110円台後半で小幅な値動きとなっていたが、午後に日本株が下げ幅を拡大すると円買いが加速した。

  みずほ銀行国際為替部の加藤倫義参事役は、「FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げモードになったということで、短期的にロングにしていた人たちの投げが入ったと思う」と説明。「Brexitの芽もつぶれたわけではないということだ。そうだとすると6月の米利上げの可能性は逆に低くなってくる」と語った。

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Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

  1日の東京株式相場は反落。日経平均株価は前日に半年ぶりの5連騰となった反動から売りが先行し、午後には一時300円を超える下げとなった。

  ポンド・円相場は1ポンド=160円台から一時159円台を割り込み、約1週間ぶりの水準となる158円84銭までポンド売り・円買いが進行。世論調査でEU離脱支持派が残留支持派をリードしたことを受け、ポンドが売られた海外市場の流れが続いた。

  加藤氏は、「Brexitの話がまた少し出てきたことで、ポンド・円の売りやドル・円のロングの調整が入りやすい状態になっている」と言い、ドル・円の110円半ばから下には損失を限定するためのドル売り注文があったようだと話した。

米利上げ観測

  ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、1日発表の5月の米供給管理協会(ISM)製造業景況指数は50.3と4月の50.8から低下すると予想されている。この日は米地区連銀景況報告(ベージュブック)の公表も予定されている。

  31日発表された米経済指標は強弱まちまち。4月の米個人消費支出(PCE)がほぼ7年ぶりの大幅な伸びとなった一方、5月のシカゴ製造業景況指数は予想に反して低下し、米消費者信頼感指数は6カ月ぶりの低水準となった。

  米金利先物動向に基づく6月の米利上げの確率は5月31日時点で24%と先週末の30%から低下。米早期利上げ観測の高まりから、ドル・円は週初に111円45銭と約1カ月ぶりのドル高・円安水準を付けていた。  

  SMBC信託銀行プレスティアの尾河真樹シニアFXマーケットアナリストは、「ドル・円は111円台が非常に重かったということもあり、なかなか上値は重い」と指摘。「米国の利上げや日本の追加緩和期待、財政出動と先行きをにらめば円安・ドル高という方向感だと思うが、今一気に起こる感じではない」とし、目先は英国の世論動向などをにらみながら「神経質な展開が続きそう」と語った。

  安倍晋三首相は1日午後の自民党代議士会で、2017年4月に予定していた消費税率の10%への引き上げについて「2年半延期するという決断をした」と表明した。

  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニットの細川陽介為替セールスチーム長は、安部首相の増税延期の表明はとりたてて材料視されるものではないが、ドル・円の「セル・ザ・ファクト(事実で売る)的なきっかけになった可能性も考えられる」とし、「短期的にOPEC(石油輸出国機構)総会や米雇用統計を控えて、リスク量を落としたいタイミングでもあったのだろう」と話した。

豪ドル

  1日発表された豪州の1-3月の国内総生産(GDP)は前期比1.1%増と昨年10-12月の同0.7%増から加速した。エコノミスト調査の予想中央値は同0.8%増だった。これに先立ち中国が発表した5月の製造業購買担当者指数(PMI)は前月と同じ50.1で、市場予想(50)を上回った。

  GDPの上振れを受け、豪ドルは対ドルで一時1豪ドル=0.7299ドルと2週間ぶり高値まで急伸。一方、対円では一時1豪ドル=80円79銭と約1カ月ぶり高値を付けたが、午後には円買いが強まり、79円台後半まで値を下げた。

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