ウィーン恒例の散歩は見られず-サウジ、OPECで新たなスタイル

  • ファリハ新エネルギー担当相、メディアへの対応「慎重」か
  • 6月2日の総会控えサウジ石油担当閣僚は最初にウィーンに到着

ここ20年余り、ウィーンの住民たちは石油輸出国機構(OPEC)総会の時期が来るとお決まりの一風変わった風景を目にしてきた。それは、サウジアラビア石油鉱物資源相による朝の散歩だ。

  5月までサウジの石油鉱物資源相を務めていたアリ・ヌアイミ氏はいつも、夜明けと共に姿を現す数十人の報道陣を伴い、ウィーンの大通り、リング通りを散歩をしながら話すことを好んだ。同氏の石油政策に関する発言はしばしば市場を動かした。しかし、今回はそうしたことは起こらない。

  ヌアイミ氏の後任であるファリハ新エネルギー担当相はOPECに新たなスタイルをもたらしている。

  コンサルタント会社PIRAエナジー・グループ(ニューヨーク)のゲーリー・ロス会長はファリハ・エネルギー担当相について「非常に寡黙だ」と語る。

  同相は5月30日、OPEC閣僚の中で最初にウィーンに到着したが、通用口からホテルに入り、報道関係者とは距離を置いた。関係者によれば、翌日にリング通りからそう遠くないOPEC事務局を訪問し、6月2日に総会が開かれる会場を視察した。

「慎重な」姿勢

  ファリハ・エネルギー担当相を個人的に知るキング・ファハド・石油・鉱物大学の元教授、モハメド・ラマディ氏は「ファリハ・エネルギー担当相は市場に誤解される恐れのあるコメントをメディアに発することについては特に慎重で、総会の合意を待つだろう」と指摘する。

  ヌアイミ氏の存在感が大きかっただけに、サウジアラムコの会長も務めるファリハ・エネルギー担当相(56)は後任として大変な思いをすることになるかもしれない。ヌアイミ氏は1995年以降、石油鉱物資源相を務め、ウィーンだけではなくリヤドやカラカス、ルアンダ、ベイルート、ジャカルタで70回に及ぶOPEC会合に出席した。記者やカメラマン、テレビカメラの大群に短いコメントをする同氏の姿を見た観光客らは、ハリウッドスターが到着したのかと思ったものだ。

  ヌアイミ氏の一挙手一投足が世界最大の原油輸出国の石油政策に関する手掛かりを含んでいるのではないかと精査された。陽気な気質はサウジが原油価格について強気であることを示唆していると見なされることが多かった。こうした注目度の高さは米連邦準備制度理事会(FRB)のアラン・グリーンスパン元議長を思い起こさせる。米金融当局のウォッチャーたちは、米金利の動向の手掛かりを探るため同氏の書類挟みの厚さまで分析していた。
  
原題:No More Oil Walks in Vienna: Saudis Bring New Style to OPEC(抜粋)

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