1日の東京株式相場は急反落。午後の為替市場で円高が加速し、日経平均株価は終値で3営業日ぶりに1万7000円を割り込んだ。前日までの連騰反動や英国の欧州連合(EU)離脱を表す「Brexit」問題への懸念、国内政策の目先一巡感もあり、陸運や食料品、医薬品、電気・ガス株など内需セクター中心に東証1部33業種は全て安い。

  TOPIXの終値は前日比17.73ポイント(1.3%)安の1362.07、日経平均株価は279円25銭(1.6%)安の1万6955円73銭。

  ピクテ投信の松元浩執行役員は、「円高が進んでおり、英国離脱への懸念もある。日本株はこのところ強く、手じまい売りが入った」と言う。消費税増税の延期についても、「以前からの報道で既に織り込まれている。財政政策への期待も織り込んだ中での株価だ」とみていた。

東京証券取引所
東京証券取引所
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  きょうのドル・円相場は、午後2時ごろから急速にドル安・円高基調が強まり、一時1ドル=109円60銭台を付けた。前日の日本株終値時点は111円27銭。5月31日の海外為替市場では、英ポンドがドル、ユーロに対し下落。世論調査で、英国のEU離脱支持派が残留支持派をリードしていることに反応した。また、米国の経済統計は4月の個人消費支出(PCE)が2009年8月以降で最大の増加率となった半面、5月の消費者信頼感指数は昨年11月以来の低水準と強弱まちまち。同日の米国株は軟調だった。

  為替、海外株発の買い材料に乏しい中、前日まで日経平均は5連騰、TOPIXは3連騰していた反動もあり、きょうの日本株は朝方から売りが優勢。テクニカル指標では、日経平均のサイコロジカルラインが前日までで過熱感を示す9勝3敗(75%)、相対力指数(RSI)も62と約1カ月ぶりの高水準となっていた。

  午後に入ると、円高加速に連れ先物主導で下げ幅を拡大、日経平均は一時300円以上安くなった。東海東京調査センターの鈴木誠一マーケットアナリストは、「為替市場ではこれまで米利上げ期待でドル買いが仕掛けられていたが、逆にかなりドルが上がり、利食いが出た」と言う。また、白井さゆり・前日本銀行審議委員が都内で講演し、日銀は物価目標の1%をまず目指すべきで、「物価2%は近い将来の実現は非常に困難」と話したことを材料視する向きもあった。

  一方、安倍晋三首相は1日午後の自民党会合で、消費税増税の再延期について「2年半延期することを決断した」と述べた。きょう午後6時から会見し、自身の考えを説明する。事前に各メディアで報じられていた経緯があり、目先の材料一巡感が広がる一因にもなった。

  東証1部33業種は全て下げ、下落率上位は水産・農林、鉄鋼、電気・ガス、証券・商品先物取引、陸運、建設、医薬品、食料品、空運、精密機器。東証1部の売買高は19億9528万株、売買代金は2兆1155億円。上昇銘柄数は473、下落は1350。

  売買代金上位では、ジェフリーズ証券が投資判断を「アンダーパフォーム」に下げた新日鉄住金が安い。武田薬品工業やファーストリテイリング、ホンダ、リクルートホールディングス、ガンホー・オンライン・エンターテイメント、JR東日本、三菱地所、大和ハウス工業も下げた。半面、NECによる株式公開買い付け(TOB)が発表された日本航空電子工業は急伸。新日本科学やスズキ、アルプス電気、ネクシィーズグループも高い。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE