ソフトバンク:アリババ株を8750億円相当売却へ、提携は継続

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  • 手元流動性強化と債務負担軽減が狙い、株価は上昇
  • 新たな投資余地生まれ、ソフトバンクのメリット大-アナリスト

ソフトバンクグループは、電子商取引で中国最大手のアリババ・グループ・ホールディングの株式を少なくとも79億ドル(約8750億円)相当売却すると発表した。手元流動性を強化し、債務負担を軽減するのが狙い。

  発表資料によると、ソフトバンクはアリババ株20億ドル相当を同社に売却するほか、アリババのパートナーから成るグループに4億ドル相当、大手政府系ファンド (SWF)に5億ドル相当を売却する予定。また、アリババの米国預託株式(ADS)50億ドル相当を売却する目的で信託を新設しており、この信託が発行し、アリババのADSに強制転換される証券を「適格機関購入者」に販売する。

孫正義社長(左)とニケシュ・アローラ副社長

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  ソフトバンクは企業買収や出資によって事業を拡大させてきたが、2000年のアリババへの出資はそうした戦略の一つ。ソフトバンクは3月末時点でアリババの発行済株式総数の32.2%を保有しており、今回の株式売却後の保有比率は約28%となる。売却の主目的は財務体質の強化だとし、アリババとの強固な提携関係は継続するとしている。

アリババと思惑一致

  エース経済研究所の安田秀樹アナリストは「キャッシュを得たいソフトバンクと、ソフトバンクの影響力を下げたいアリババの思惑が一致した」と述べた。その上で「有利子負債の削減に加え、新たな投資を行う余地が生まれ、ソフトバンクにとってメリットは大きい」と話した。

  ソフトバンクの株価は1日、一時、前日比3.5%高の6443円と6カ月ぶりの高値となったが、午前10時3分現在は同1.2%高の6300円で取引されている。

  岩井コスモ証券の川崎朝映アナリストはアリババ株売却について、「ソフトバンクの財務基盤強化という意味で理解できる」と評価した。ただ、株価の反応が大きくないのは米通信子会社スプリントの業績が本格回復に至っていない点があると指摘した。

  発表資料によると、株式売却により連結純有利子負債と調整後EBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)の比率(米スプリント分を除く)は3月末時点の3.8倍から3.3倍程度に改善する見込み。調達した資金は有利子負債の返済のほか一般事業目的にも充当する。

  今回の株式売却後も孫正義社長はアリババの取締役を、アリババの馬雲(ジャック・マ)会長はソフトバンクの取締役を継続して務める。

  事情に詳しい複数の関係者によると、ソフトバンクはこのほかにもフィンランドを拠点とするスマートフォン向けゲーム子会社スーパーセルについて、保有株式の売却を検討している。スーパーセルは中国に拠点を置く複数の買い手候補と協議を行った。

原題:SoftBank to Sell at Least $7.9 Billion of Alibaba (Correct)(抜粋)

(第6、7段落に株価とアナリストコメントを追加しました.)
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