5月31日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル強気派、今後は経済減速や利上げの道筋がハードルに

5月のドル上昇を見込んだ投資家にとって、今後は米経済の減速 や、成長とインフレの兆候が正当化する場合にのみ利上げするとした金 融当局の方針が大きなハードルとなりそうだ。

6月にも利上げが実施されるとの観測が広がったことから、ドルは 月間ベースでは約2年で最大の上げとなった。たたシティグループの経 済サプライズ指数によれば、今年これまでに発表された米国の経済デー タは市場予想を下回る例が多く、予想との比較という点では世界的に最 も低調な経済の一つとなっている。

エコノミスト調査によれば、今週発表される米経済指標では製造業 分野の成長が鈍化し、雇用者数は7カ月ぶりの低い伸びになると見込ま れている。BNPパリバは米当局が今年と来年に利上げを見送り、ユー ロと円に対するドルの上昇相場が反転する可能性があると指摘する。

BNPの外為ストラテジスト、マイケル・スネイド氏(ロンドン在 勤)は「金融当局は利上げを望んでいるが、その機会は来ないだろう」 とし、「経済データが当局の動きを押しとどめている。ドルは最近の上 昇の一部を失うことになるだろう」と続けた。

主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポ ット指数は今月3.7%上昇。2014年9月以降で最大の上げとなった。31 日の市場では、ニューヨーク時間午後5時現在、前営業日比0.1%上 昇。

ユーロは対ドルでこの日1ユーロ=1.1132ドル。ドルは対円では1 ドル=110円73銭。

金利先物市場で織り込まれる7月までの利上げ確率は54%。1カ月 前は26%だった。

6月3日に発表される5月の雇用統計は、連邦公開市場委員会 (FOMC)6月会合での政策決定に影響を及ぼしそうだ。ブルームバ ーグが実施したエコノミスト調査の中央値によれば、雇用者数は16万人 増が予想されている。昨年11月には28万人増だった。

トロント・ドミニオン銀行の為替戦略担当の欧州責任者、ネッド・ ランペルティン氏(ロンドン在勤)は「ドルは5月、堅調に推移した が、当社は6月に発表される経済データやイベントリスクを考慮し、今 はドルを中心としたリスクのみに注目しているわけではない」と指摘。 「ドルを動かす材料に細かい注意を払いつつも、相手通貨をめぐる状況 にも目を配っている」と続けた。

原題:Dollar Bulls Confront U.S. Economic Undershoot Dictating to Fed(抜粋)

◎米国株:S&P500種はほぼ変わらず、月間では3カ月連続で上昇

31日の米株式市場ではS&P500種株価指数がほぼ変わらず。個人 消費支出が大幅な伸びを示したことから、早ければ今夏にも政策金利が 引き上げられるとの観測が強まった。同指数は月間では3カ月連続で上 昇した。

S&P500種は取引終盤で急速に安値から戻した。取引終了をもっ て有効となるMSCIグローバル指数の銘柄入れ替えを控え、出来高が 膨らんだ。消費堅調の兆候が表れたにもかかわらず消費関連銘柄は下 落。原油相場と共にエネルギー株も下げた。マイクロソフトが取引終了 にかけて急速に上昇し、ハイテク株は下げを埋めた。

S&P500種株価指数は前営業日比0.1%下げて2096.96で終了。一 時は0.5%下げた。月間ではほぼ2年ぶりの長期上昇局面。2100を突破 した後、同水準を維持できなかったのは今年に入って2度目。ダウ工業 株30種平均は86.02ドル(0.5%)安い17787.20ドルで終えた。一方、ナ スダック総合指数は0.3%上昇。

ブリンマー・トラストのアーニー・セシリア最高投資責任者 (CIO)は「6月利上げは適切との見方に市場は慣れつつある」と指 摘。「経済統計は良好で原油相場は狭いレンジで推移しており、劇的な ことは何もない。薄商いの中をじり安になっている。相場を動かすよう な材料がない時はじりじりとした動きになりやすい」と述べた。

ボーイングが2.4%、ウォルト・ディズニーが1.1%それぞれ下落し たため、ダウ平均は他の株価指数よりも下げがきつい。ジェフリーズは リポートで、最新鋭の空中給油・輸送機「KC-46」プログラムの遅延 がボーイングの利益を抑制すると指摘した。ディズニーの「アリス・イ ン・ワンダーランド/時間の旅」の週末の北米興行収入は、アナリスト 予想を大きく下回った。

S&P500種は5月全体で1.5%上昇。前週はアップルが5日間とし ては3月以来の大幅高になるなどハイテク株が上げを主導し、同指数は 6カ月ぶり高値を付け、4月下旬に失われた騰勢が息を吹き返した。年 初からこの日までの上昇率は2.6%。

米経済が利上げに耐え得るかどうかを判断する上で、当局や投資家 は経済指標に注目しているが、この日発表された統計は強弱まちまちだ った。4月の米個人消費支出(PCE)はほぼ7年ぶりの大幅な伸びと なった。一方、5月の消費者信頼感指数は予想外に下げて6カ月ぶりの 低水準。

S&P500種の全10セクターのうち6セクターが下落。エネルギー や素材、生活必需品、金融の下げが目立った。一方、電気通信サービス や公益事業は上げた。

原題:S&P 500 Closes Little Changed to End May With Third Monthly Gain(抜粋)

◎米国債:2年債、月間ベースで12月以来で最悪のパフォーマンスに

31日の米国債市場では2年債が月間ベースで昨年12月以来で最悪の パフォーマンスになった。米連邦公開市場委員会(FOMC)は12月に 初回利上げに踏み切った。トレーダーの間では、FOMCが来月にも2 度目の利上げを決定する可能性があるとの見方が広がっている。

この日の2年債利回りは低下。ブルームバーグ・ECO・USサプ ライズ指数によれば経済指標がエコノミスト予想を上回る幅は2015年1 月以来で最大となった。

イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は5月27日、米経済 の改善が続いており、「今後数カ月のうちに」追加利上げが正当化され るとの認識を示した。金融先物トレーダーの間では6月のFOMCで追 加利上げが決定する可能性を24%織り込んでいる。3週間前は4%だっ た。年末までの利上げは74%織り込まれている。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、2年債利回りは前営業日比3ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下の0.88%。利回りは月間ベースで10bp上昇と、 昨年12月以来で最大の上げ幅だった。同年債(表面利率0.875%、2018 年5月償還)価格は100。10年債利回りは1.85%でほぼ変わらずとなっ た。

英国の欧州連合(EU)離脱支持派が世論調査で残留支持派をリー ドしていることが明らかになり一部の投資家は動揺を見せた。

RBSセキュリティーズの米州戦略責任者、ジョン・ブリッグス氏 は「英国のEU離脱はリスク要因としては悪材料だが、不透明感の高ま りから質への逃避という観点では強材料となるだろう」と述べた。

シカゴ製造業景況指数が予想外に低下したことも米国債を押し上げ た。5月の米個人消費支出(PCE)は予想を上回る伸びとなり、金融 当局がインフレ目標の基準とするPCE価格指数は2015年5月以来の高 い伸びを示した。

CRTのストラテジスト、デービッド・エーダー、イアン・リンジ ェン両氏は「市場参加者は6月利上げを決定付ける要素は何か、もしく は次回のFOMC会合で今後の見通しを損なうものは何かを見極めよう としている」と述べた。

原題:U.S. 2-Year Notes Set for Worst Month Since December on Fed Bets(抜粋)

◎NY金:反発、連続安に歯止め-米消費者信頼感や製造業指標が低調

31日のニューヨーク金相場は10営業日ぶりに上昇。過去1年余りで 最長の連続安に歯止めが掛かった。米消費者信頼感指数が予想外に低下 したほか、製造業指標も弱かったことから、価値保存手段としての金買 いが活発になった。

RBCウェルス・マネジメントのマネジングディレクター、ジョー ジ・ジロ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「金の上昇 は、米利上げへの警戒が市場に既に織り込まれていることを示唆してい る」と指摘。「ドルの下落はいつも金にとって好材料となる」と述べ た。

ブルームバーグのデータによると、ニューヨーク時間午後2時12分 現在、金スポット相場は前週末比1.1%高の1オンス=1217.80ドル。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は0.1%上 昇の1オンス=1217.50ドルで終了。銀先物は月間で10%安と、2014年 9月以来の大幅下落。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチ ナは下落、パラジウムは上昇。

原題:Gold Snaps Losing Run as U.S. Confidence, Factory Data Retreat(抜粋)

◎NY原油:下落、月間では過去5年で最長の4カ月連続高

31日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が下落。カナダで山火事により操業停止 していた業者が生産を再開し始めたことが影響した。月間ベースでは4 カ月連続で上昇し、5年ぶりの長期上昇局面。ナイジェリアやカナダを 含む各国で生じた生産障害が材料視された。6月2日には石油輸出国機 構(OPEC)総会が開かれる。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ(マ サチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は、「カ ナダの生産はすぐに回復する」と予想する。「世界の在庫が記録的水準 に近い現状で、50ドルを上回って上昇を続けるには何が必要だろうか。 これまでの上昇は主に生産障害が原因であり、少なくともその一部では 改善がみられる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前営 業日比23セント(0.47%)安い1バレル=49.10ドルで終了。一時は今 年で2度目の50ドル台に乗せる場面もあった。5月全体では6.9%の値 上がり。30日はメモリアルデーの祝日で、WTI先物の清算は行われな かった。ロンドンICEのブレント7月限はこの日、7セント下げ て49.69ドル。

原題:Crude Oil Caps Longest Run of Monthly Advances in Five Years(抜粋)

◎欧州株:下落、銀行株が下げ主導-月間では半年ぶりの大幅上昇

31日の欧州株式相場は下落し、銀行株が下げを主導した。ほぼ7週 ぶりの長さにわたっていた連騰が途絶えたが、月間では過去半年間で最 高の上昇率を記録した。

指標のストックス欧州600指数のうち、業種別では銀行株の下げが 最も大きかった。イタリアのバンコ・ポポラーレとポポラーレ・ディ・ ミラノ銀行(BPM)はいずれも5%を超える急落。ドイツの自動車メ ーカー、フォルクスワーゲン(VW)は排ガス不正スキャンダルに苦し む「VW」部門が86%の減益に沈んだことを嫌気し、2.6%安で取引を 終えた。

ストックス欧州600指数は前日比0.8%安の347.45。引け間際の最後 の1時間で下げ幅を拡大した。前日は米国と英国が祝日で休場のため薄 商いだったが、指数は0.1%上昇し、6週間ぶりの高水準に達してい た。

原題:Europe Stocks Trim Their Best Monthly Gain in Six as Banks Fall(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債が上昇、ECB会合への期待で切り返す

31日の欧州債市場ではドイツ国債が上昇。今週の欧州中央銀行 (ECB)政策決定が待たれる中で、序盤の下げから切り返した。消費 者物価の下落でECB当局者は米金融当局との政策乖離(かいり)の正 当性を主張するとの期待が市場で広がっている。

ドイツ10年債は米国債とともに午前中は下げていたが、欧州株や米 国株が下落するにつれ安全資産の需要が高まり、持ち直した。

RIAキャピタル・マーケッツのストラテジスト、ニック・スタメ ンコビッチ氏(エディンバラ在勤)は債券市場について、「米国株が寄 り付き後軟調だったことが、若干の下支え要因となったと考えられる」 と指摘。「今週の注目は6月2日のECB政策会合に集まる。それから 当然、3日の米雇用統計だ」と述べた。

ロンドン時間午後5時現在、ドイツ10年債利回りは3ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)低下の0.14%。一時は25日以来の高水準 となる0.19%まで上昇する場面もあった。2026年2月償還債(表面利 率0.5%)の価格は0.275上昇の103.48。前日は18日以降で最大の3bp 上昇だった。

原題:German Bonds Reverse Drop as Investors Eye ECB Rates Decision(抜粋)