NY外為:ドル強気派、今後は経済減速や利上げの道筋がハードルに

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5月のドル上昇を見込んだ投資家にとって、今後は米経済の減速や、成長とインフレの兆候が正当化する場合にのみ利上げするとした金融当局の方針が大きなハードルとなりそうだ。

  6月にも利上げが実施されるとの観測が広がったことから、ドルは月間ベースでは約2年で最大の上げとなった。たたシティグループの経済サプライズ指数によれば、今年これまでに発表された米国の経済データは市場予想を下回る例が多く、予想との比較という点では世界的に最も低調な経済の一つとなっている。

  エコノミスト調査によれば、今週発表される米経済指標では製造業分野の成長が鈍化し、雇用者数は7カ月ぶりの低い伸びになると見込まれている。BNPパリバは米当局が今年と来年に利上げを見送り、ユーロと円に対するドルの上昇相場が反転する可能性があると指摘する。

  BNPの外為ストラテジスト、マイケル・スネイド氏(ロンドン在勤)は「金融当局は利上げを望んでいるが、その機会は来ないだろう」とし、「経済データが当局の動きを押しとどめている。ドルは最近の上昇の一部を失うことになるだろう」と続けた。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は今月3.7%上昇。2014年9月以降で最大の上げとなった。31日の市場では、ニューヨーク時間午後5時現在、前営業日比0.1%上昇。

  ユーロは対ドルでこの日1ユーロ=1.1132ドル。ドルは対円では1ドル=110円73銭。

  金利先物市場で織り込まれる7月までの利上げ確率は54%。1カ月前は26%だった。

  6月3日に発表される5月の雇用統計は、連邦公開市場委員会(FOMC)6月会合での政策決定に影響を及ぼしそうだ。ブルームバーグが実施したエコノミスト調査の中央値によれば、雇用者数は16万人増が予想されている。昨年11月には28万人増だった。

  トロント・ドミニオン銀行の為替戦略担当の欧州責任者、ネッド・ランペルティン氏(ロンドン在勤)は「ドルは5月、堅調に推移したが、当社は6月に発表される経済データやイベントリスクを考慮し、今はドルを中心としたリスクのみに注目しているわけではない」と指摘。「ドルを動かす材料に細かい注意を払いつつも、相手通貨をめぐる状況にも目を配っている」と続けた。

原題:Dollar Bulls Confront U.S. Economic Undershoot Dictating to Fed(抜粋)

(第7段落以降を追加し、更新します.)
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