債券市場では超長期債相場が下落。日本銀行が今月から超長期ゾーンの国債買い入れオペを減額したことを受けて、超長期債の需給が緩むとの懸念を背景に売りが優勢だった。一方、株式相場が午後に急落すると買いが入り、先物相場は小幅ながら上昇に転じた。

  1日の現物債市場で新発20年物の156回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より3.5ベーシスポイント(bp)高い0.275%と、5月20日以来の水準で開始。いったん0.25%に戻した後、0.255%を付けている。新発30年物の50回債利回りは4.5bp高い0.335%で開始し、0.315%まで戻す場面があった。新発40年物の9回債利回りは一時5.5bp高い0.415%と4月15日以来の高水準を付けた後、0.39%まで買われ、その後は0.405%で推移している。

  長期金利の指標となる新発10年物国債の342回債利回りは2bp高いマイナス0.10%で開始し、一時マイナス0.12%まで戻したが、その後はマイナス0.115%で推移している。

  BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジストは、日銀の国債買い入れ運営方針について、「超長期ゾーンのオペ減額はタイミングも対象年限も予想しづらかった。発行額と比べた買い入れ規模は手前のゾーンの方が多かったからだ」と話した。「超長期債は前場は売られたが、押し目買いも入り、オペの結果も前場の流れに比べると堅調だった。減額のショックはいったん吸収されたもようだ。来週の30年債入札を注視したい」と述べた。

  長期国債先物市場で中心限月の6月物は、前日比12銭安の151円91銭で取引を開始し、いったんは151円88銭まで下落した。午後の取引ではプラスに転じ、一時は6銭高の152円09銭まで上昇した。取引終了にかけて横ばい圏まで伸び悩み、結局は4銭高の152円07銭で引けた。

  日銀が実施した今月1回目の長期国債買い入れオペの結果によると、残存期間「1年以下」、「10年超25年以下」、「25年超」の応札倍率がいずれも前回から上昇した。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、オペ結果について、「応札倍率は上昇したものの、落札利回りなどは無難。それほど売り圧力が強い状況ではなさそうだ」と分析。「10年債利回りのマイナス0.10%などの水準では押し目買いが入っている」と言う。ただ、「明日に10年債入札、来週には30年債入札を控えているので上値も重い」と話した。

日銀買い入れ運営方針

  日銀は5月31日、当面の長期国債買い入れオペの運営方針を発表した。6月初回オペの買い入れ額について、残存期間「10年超25年以下」を2200億円(前回は2400億円)、「25年超」を1400億円(同1600億円)にそれぞれ減額した。一方、物価連動債は実質的な増額となる。1回あたりの買い入れ額は250億円と従来の600億円から減額となるが、回数は毎月2回とこれまでの奇数月に1回から増加する。

  今回の発表について、みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、「小幅な減額はある程予想されたが、月末に長期化需要で買われた反動もあり、反応せざるを得ない。簿価の関係で年末のマネタリーベース目標に対してオーバーペースになっていた」と説明した。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「最も重要な点は過去3カ月にわたるオペ減額が超長期債に集中している点。超長期債の割高な状態は続いている。6月は3月と同様に国債大量償還月にあたり資金余剰感が強まりやすく、日銀オペが不調となるリスクも高まる。このリスクに対し日銀が先手を打ってきたといえる」と説明した。

消費増税延期表明

  安倍晋三首相は1日午後の自民党代議士会で、2017年4月に予定していた消費税率の10%への引き上げについて「2年半延期を決断した」と表明した。首相は通常国会閉会を受けて午後6時から記者会見する。

  みずほ証の辻氏は、「安倍首相会見と消費増税延期については、もう織り込んでおり相場への影響はないだろう」と指摘した。

  この日の東京株式相場は大幅下落。日経平均株価の終値は3営業日ぶりに1万7000円を下回った。円高推移や前日までの連騰反動、英国の欧州連合(EU)離脱を表す「Brexit」問題への懸念などが重しとなった。 

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