バリュー株の失われた10年、終わり間近か-ETFへの資金流入顕著

  • バリュー株ETF、2016年に55億ドル流入
  • 経済成長や金融機関の見通し改善で10年に一度のローテーションも

安く買いたいという望みが再び高まっている。

  ブルームバーグの集計データによれば、利益や純資産に対して割安な水準で取引されているバリュー株の動きに連動する上場投資信託(ETF)には、2016年に55億ドル(約6100億円)の新規資金が流入した。他のほとんど全ての分野から資金が引き出されている市場環境であるだけに、バリュー株への資金流入は目立つ。バリュー株に対する連勝記録が過去最長となっているグロース(成長)株の資金フローは62億ドルの流出。

  2006年以来、割安株で市場に勝とうとしても無駄な努力だったが、この戦術は金融機関にチャンピオンを見つけたようだ。金融株はバリュエーションが今年の早い時期に他業種に比べて14年ぶりの低い水準となっていたが、米金融当局が利上げすれば米経済への信頼を示唆する行動となり、好景気で金融機関の利益も押し上げられるケースがことが多いため、勢いづきつつある。

  GW&Kインベストメント・マネジメントの株式ディレクターとして286億ドルの運用に携わるダン・ミラー氏は「新しいサイクルの極めて初期の段階にある」と指摘。「バリュー株は非常に長い間、振るわなかったため、投資家の保有割合も低めだ。必要なのは投資家の関心が少し上向くことであり、それで十分に改善が持続し得る」と述べた。

  大型バリュー株の約3割を占める銀行株は利上げ先送り懸念や原油安に誘発された信用危機をめぐる懸念で2月までの7カ月間に時価総額が7000億ドル減少したが、ここにきて盛り返している。KBW銀行指数はここ3カ月で18%上昇し、S&P500種株価指数の2倍の上昇となった。原油価格が約80%上昇し、米金融当局が予想より速いペースの利上げの可能性を示唆したことが背景にある。

  ネッド・デービス・リサーチの米国担当チーフストラテジスト、エド・クリソールド氏によれば、バリュー株は自らの力強さがリセッション(景気後退)懸念の反動を超えて維持できることを示す必要があるという。同氏は「経済成長や金融機関の見通しの改善がきっかけになる。こうした材料がそろえば、10年に一度と呼ばれるようなローテーションを話題にできるだろう」と述べた。
  

原題:Lost Decade for Value Stocks Tests Faithful Who Say End is Nigh(抜粋)

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