消費増税再延期へ、自公の党内調整進む-安倍首相が1日夕会見

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  • 自民は了承、公明も幹部に一任-衆参同日選の見送り論強まる
  • 麻生財務相も増税再延期を容認、解散判断も首相に従う考え

安倍晋三首相が2017年4月からの消費増税を2年半延期する意向を与党幹部に伝えたことを受け、自民、公明両党は31日午後、政調全体会議をそれぞれ開いて対応を協議した。自民党は了承、公明党も首相方針を尊重する方向で山口那津男代表らに対応を一任した。首相は1日夕、記者会見して自らの考えを表明する。

  自民党の稲田朋美政調会長は、首相判断を了承することになったと説明。公明党の山口代表も「基本的に総理の提案を尊重した上で与党として結束して政権を支えていく」方向で、同氏と井上義久幹事長に対応を一任されたことを明らかにした。稲田、山口両氏は党の会議後、それぞれ記者団に語った。これに先立ち、麻生太郎財務相も31日午前の閣議後会見で、消費増税は「今の時期ではない」と発言した。

  増税を延期する場合の衆参同日選実施にも反対論が強まっている。山口代表は30日、記者団に「一般論として望ましくない」との方針は変わっていないと表明したほか、自民党の二階俊博総務会長も反対している。

  増税延期の場合は衆院を解散すべきだとの考えを示していた麻生氏も31日の閣議後会見で、首相の判断に従うと語った。稲田氏は記者団に対し、「総理の専権事項」と指摘しながらも、党内から解散を見送ることに「整合性のある説明をすべきだという意見は出た。私もそう思う」と語った。

  首相官邸は、安倍首相が6月1日午後6時から記者会見すると発表した。自民党の谷垣禎一幹事長は30日の記者会見で、安倍首相が近日中に記者会見して消費増税延期に関する考えを国民に説明すると述べていた。

  民進党など野党4党は31日、アベノミクスの失敗や立憲主義・平和主義への挑戦、強権的で不正直な政権運営を理由に内閣不信任案を国会に提出したが、同日午後の衆院本会議で反対多数で否決された。

前回は解散

  首相は14年11月、消費税率の10%への引き上げを当初予定の15年10月から17年4月まで1年半延期することを決断。直後に衆院を解散した。10%への増税延期は今回で2回目。民主党政権下で社会保障・税一体改革担当相として消費増税法成立に関わった民進党の岡田克也代表は既に18日の党首討論で2年延期すべきだとの見解を表明している。

  SMBC日興証券金融経済調査部の丸山義正チーフマーケットエコノミストは30日付のリポートで、消費増税延期は「金融市場や多くの関係者にとって既定路線」と指摘。衆参同日選については「有権者の見解を問うには参院選挙で十分と判断される可能性が高いように思われる」との見方を示した。

  共同通信が28、29両日に行った電話世論調査で内閣支持率は55.3%と4月の前回調査の48.3%から7ポイント上昇していた。

社会保障財源

  消費増税延期が決定した場合、増税で賄う予定だった社会保障財源をどう確保するかが今後の課題となる。2年延期を主張する民進党の岡田代表は赤字国債発行に言及したが、自民党の稲田氏らは31日、これを回避する方針を打ち出した。

  稲田氏は社会保障財源について、赤字国債といった「無責任なことを私たちはやらない」と発言。小泉進次郎衆院議員も消費増税再延期は「社会保障の構造的な改革へのスタートだと思う」と述べた上で、「社会保障をはじめとする構造的な改革に深く切り込まないと、世界からの信認、国民に対する社会保障制度信頼の獲得はできない」と語った。稲田、小泉両氏は政調全体会議後、記者団に語った。

  公明党の山口代表によると、安倍首相も30日の自公党首会談で、消費増税で賄う予定だった社会保障財源について赤字国債を発行しないで確保できるように努力する方針を示した。

(見出し、第1、5段落に安倍首相の記者会見に関する記述を追加します.)
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