4月鉱工業生産は0.3%上昇-市場予想に反して2カ月連続プラス

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  • 熊本地震の影響を化学や電気機械が補う-「一進一退」の判断維持
  • 予測指数は5月2.2%上昇、6月は0.3%上昇-経産省

4月の鉱工業生産指数(速報値)は前月比で2カ月連続で上昇した。熊本地震を背景に自動車など輸送機械工業が低下したものの、化粧品などの化学工業や電気機械工業などが好調だった。

  経産省が発表した生産指数は0.3%上昇した。ブルームバーグが集計したエコノミストの予想中央値は1.5%低下だった。同省は「総じてみれば、生産は一進一退で推移している」との判断を据え置いた。4月の出荷指数は1.5%上昇、在庫指数は1.7%低下。先行きの予測指数は5月が2.2%上昇、6月が0.3%上昇となっている。

  3月は自動車関連などが寄与して3.8%上昇と、2011年6月(4.2%上昇)以来の高い上昇幅を記録していた。4月は熊本地方を中心とした地震で現地部品メーカーが被災し、トヨタ自動車は国内工場で相次ぎ生産を停止していたが、段階的に再開している。大西弘致専務は4月、記者団に対し、熊本地震による生産への影響は約8万台に上るとしていた。

  生産指数を品目別にみると、化粧品や有機薬品など化学工業が3.5%上昇、電機計測器などの電気機械工業が3.9%上昇と全体の押し上げに寄与した。一方で、低下への影響度が大きかったのは金属製品工業(6.0%低下)や輸送機械工業(0.6%低下)で、うち乗用車は2.3%低下、トラックが7.3%低下といずれも大幅に下振れた。

  SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは発表後のリポートで、「熊本地震に伴う自動車の生産停止の影響は軽微。昨夏来、減少傾向にあった一般機械、電機などでこのところ自律反発とみられる動きが出ている」とし、外部環境の好転や政策効果から生産は底入れが見えてきたとの見方をしている。

  この日、総務省が発表した4月の家計調査によると4月の実質消費支出(2人以上の世帯)は2カ月連続で減少。1世帯当たり29万8520円と前年同月比で0.4%減少した。項目別では「被服および履き物」が10.4%減と9カ月連続で減少。設備修繕や維持などの住居も11.5%減と2カ月ぶりに減少した。

  また、同省発表の労働力調査によると4月の完全失業率は3.2%と前月比で横ばいで、市場予想通りだった。完全失業者数も211万人と横ばいだった。一方で、厚生労働省が発表した4月の有効求人倍率は1.34倍と前月の1.3倍を上回り、1倍以上の高水準が続いている。新規求人倍率は2.06倍だった。

(4段落に鉱工業生産、6、7段落に家計調査などの詳細追加しました.)
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