日経平均半年ぶり5連騰、為替安定と政策期待-輸出中心広く買われる

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31日の東京株式相場は、日経平均株価が半年ぶりの5連騰。為替の安定を好感、国内政策への期待感も根強く、電機や輸送用機器、ゴム製品、機械など輸出株中心に幅広い業種が買われた。銀行や鉄鋼株、前日の海外原油価格の上昇を受けた鉱業株も高い。

  TOPIXの終値は前日比13.79ポイント(1%)高の1379.80と3日続伸、日経平均株価は166円96銭(1%)高の1万7234円98銭。両指数とも前日に続きおよそ1カ月ぶりの高値を更新した。

  チューリッヒ生命の竹田憲充チーフ・インベストメント・オフィサーは、「米国経済が回復傾向にあり、利上げ観測が高まる中、このまま6ー7月にかけてドル高・円安は続くのではないか」とみている。国内では安倍晋三首相が消費税増税の延期を決め、「増税延期はこれ以上の景気悪化を抑えてくれる薬。さらなる財政出動の話もあり、景気が上向く期待値は高まっている。短期的には、日経平均が1万7500円を付けてもおかしくない」と言う。

  きょうの日本株は、前日に日経平均が約1カ月ぶりに1万7000円を回復した反動、為替の円強含みなどを材料に小安く始まり、序盤は方向感に乏しかったが、午前後半以降は徐々に上昇基調を強めた。ドル・円相場は朝方に一時1ドル=110円80銭まで円が強含んだ後、午後には111円35銭までドル高・円安方向に反転した。前日の日本株終値時点は111円30銭。

  また、30日のニューヨーク原油先物は、リビア最大の原油積み出し港近くで戦闘が起きたことを材料に、1バレル=49.60ドルと反発。アジア時間31日午後3時時点の時間外取引でも堅調に推移している。フィリップ証券の庵原浩樹リサーチ部長は、「為替、原油が今の市場のドライバー。イベントを活用する投機筋が相場を動かしている」と指摘した。

  国内要因では政策期待も根強い。麻生太郎財務相は31日午前の閣議後会見で、日本経済のファンダメンタルズは総じて悪くないが、個人消費は低迷しているとし、「消費税は今上げる時期ではない。決まればそれに従う」と発言。2020年度の基礎的財政収支の黒字化は「最大限努力する姿勢は変わらない」と述べた。証券ジャパンの大谷正之調査情報部長は、「麻生氏本人から消費税の延期と第2次補正予算の話が出て好感された」とし、増税の悪影響は前回、個人消費の低迷という形で表れており、「需要を増やさなければならないのは間違いない」と話す。

  このほか、経済産業省がけさ発表した4月の鉱工業生産指数(速報値)は前月比0.3%上昇と、2カ月連続のプラス。エコノミスト予想は1.5%低下だった。熊本地震を背景に自動車など輸送機械工業が低下した半面、化粧品など化学工業や電気機械工業が好調。総務省の実質消費支出は、前月比で0.2%上昇と3カ月連続のプラスとなった。野村証券の小高貴久エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「鉱工業生産は業種別では強弱入り交じるが、前向きに受け止められる。家計調査は前月比でみると増加し、消費が落ち込んでいるという感じもない」としている。

  東証1部33業種はゴム、鉄鋼、鉱業、銀行、電気・ガス、電機、輸送用機器、機械、精密機器など32業種が上昇。石油・石炭製品の1業種のみ下落。東証1部の売買高は25億2840万株、売買代金は2兆8740億円。代金は、MSCIスタンダード指数の定期銘柄入れ替えの反映があった影響で4月28日以来、約1カ月ぶりの高水準に膨らんだ。上昇銘柄数は1336、下落475。

  売買代金上位ではトヨタ自動車や三井住友フィナンシャルグループ、日本電産、テルモ、群馬銀行、マツダ、任天堂、ブリヂストン、パナソニックが上げ、武田薬品工業や東芝、東京ガス、第一三共、JPモルガン証券が新規に弱気の投資判断を示したエーザイは安い。